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三日月  作者: まねきくま
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「知らぬが仏」ってわけでも無いだろうが

和合さんと香さんの結婚式に参加した、岡崎視点です

憂鬱な雨が昨夜まで続いていたが、和合は基本晴れ男なので全然心配いらないだろう。


昨夜思っていた事はその通りになった。全く期待を裏切らない男だ・・・


幼いころから欲しいと思ったものは絶対手に入れるヤツだから、多少、いやかなり腹の黒い奴だし、目的のためには手段を選ばない非情な面もある。だが今回は違ったようだ。


たった一人の女に振り回され結婚する事になった。


いつも上手に立ち回り「オマエいつか刺されるぞ」と忠告した事もあったが、ついに年貢の納め時だったのか、それとも女が泣き落としたのか。


俺にとってはどうでもいい事だが、和合の嫁と俺が一応結婚する女が友達同士だというのが信じたくない所だ。


あの野郎、俺に「同じ職場の子だ。いい子だよ」とかなんとか言って、嫁の友達だなんて一言も言っていない。


よく類は友を呼ぶって言うが、もしそれが当てはまるとすると1年後いざ離婚する時になって「離婚しません」なんてゴネられるんじゃないかと心配になる。


今の所「お互いに興味を持たない事」を呆れるほど忠実に守っているが、それがいつひっくり返されるか分からないって事のオマケ付きで。


最悪だな。


参列する婚約者を見ながら小さく溜息を吐いた。


感極まったのか目蓋にハンカチを当てているが、事実を知った俺には興醒めでしかない。


結局のところ、この女もそこらへんのツマラナイ女達と変わらなかった事に自嘲が漏れた。


どの女でも変わんないもんだな・・・やっぱり俺には春香しかいないか。なんてったって春香は特別だ。


愛しい女の顔を思い浮かべ、思い出に浸っているうちに挙式が終わり、恒例のブーケトスが行われようとしているが、なぜかあの女はその輪から外れ、俺の近くまでくると俯いて事の成り行きを見る気もなさそうな感じで


だからと言って偶然を装ってわざわざ俺の近くに来たのかと思えば


「別に必要だとも思わないし、参加しなくてもいいと思いますがね」


そう言って、進んで参加しない事を仄めかし、まるで俺が近くにいる事が迷惑だと言わんばかりに去っていく。


掴めない女だな・・・。何を考えてるのか全く分からない。


群がり、ドサクサに紛れて体を触ってくる女達に辟易しながらも二次会に向かうが、そこでもあの女の姿は探せず、新婦が顔を顰めているのが見えた。


この会場には来ていないって事なのか?


なんて友達想いじゃ無い奴め。意外と薄情な女なんだな。普通友達なら、この場で祝いの言葉ぐらい掛けるものじゃないのか?


そう思っただけでその後は女の事は考えもしなかったし思い出す事も無かったはずなのに


結局、午前様まで飲み歩いた俺は、酔った勢いでどこかの尻軽女と一夜を共にしたが、どこかに何か忘れ物をしてきたようで気持が落ち着かない。


そのせいで朝早く目覚めてしまい、女が起きるのを待たずに金だけ置いてホテルを後にした。

この事が、どう影響してくるやら・・


いつも読んでいただき、ありがとうございます

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