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三日月  作者: まねきくま
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えーっ お宅訪問ですか?

いきなりの岡崎家訪問で、焦りまくる祥子さんです

「岡崎 樹」の父親は結構大きい会社の役員をしてらっしゃるそうで、ウチの父はその秘書なんぞを仰せつかってるって事らしいです。


どうりでデカイ家に住んでらっしゃる訳ですな。


その家の前で誰にもわからないように溜息を吐いていたはずなのに


「今更おじけついたのか?」


後ろから小憎らしい事を仰いますは、この家の御子息でいらっしゃいますね。


別におじけついていた訳じゃないんですがねぇ。たんに気が進まないだけだってーの。


下調べに美香ちゃんからイロイロ聞き出したけど、あまり突っ込むと藪蛇になりそうだから教えて貰った情報は極わずか。


そんなんで敵地にやってきた私。自分で自分を褒めてあげたい。いや、むしろ急に日程を設定したコイツを絞めてやりたい。


いくら一度顔を合わせてるからっていきなりは無いでしょう。いきなりは。


我が家での顔合わせが終わってほっと一息ついてる所に、いきなりメールを送って寄こして


「明日、ウチでの顔合わせ」


なんて言われてもねぇ。まさかウチに来た次の日になんて思っても居なかったから、慌てたなんてもんじゃない。


お母さんなんて「まぁ、どうしましょう。」なんて言ってフフフなんて微笑んじゃってるし、お父さんは知らないふりして出掛けちゃうし(一応、手土産なんぞを用意してくれた所はさすが伊達に秘書はやってないね)


・・・どいつもこいつも使えねーっ


自力で何とかしなきゃと思って、急いでスーツを見繕ったりしてなんとかしたのに、コイツは嫌みしか言わないしもう踏んだり蹴ったりだよ。


それでも、女は度胸。いざ出陣!!ってなわけで、いざお宅訪問してみると、うーん金持ってる人は違うねーっ。ウチのリビングよりも一段階も二段階も上質な物を使ってらっしゃる。


さすがですね。もちろんセンスもばっちりで、失礼だとは思いながらもキョロキョロ辺りを見回しながら社交辞令抜きで


「本当に素敵なリビングですね」


とお母様に伝えると


「そう言って貰えると光栄だわ」


と言いながら、これまた高そうな紅茶セットが出てきて、もう何も言うまいと心に決めて笑顔を張り付けた。


目の前に置かれたカップも某有名ブランドだし、当然のように紅茶は香高くおいしいわけで昨日の我が家の対応がぞんざいじゃなかったか不安になる。


それに加えて、お父さんが持たせてくれた手土産のおかげで取りあえず体面は整っているようなものの、何処となく場違いなような気がするのは気のせいだと思いたい。


だからお母様が「そんなに緊張しなくてもいいのよ。」と内心焦りまくりの私を緊張していると思って下さったのは大変助かった。


なにしろ張本人は慣れた手つきで優雅に紅茶を飲んでらっしゃいますからねぇ。


この男はフォローするって事はしないのかよー。


おかげで


「ごめんなさいね。愛想も愛嬌も無い息子で。祥子さんには気苦労を掛けないようには言っているんだけど・・・。」


なんてお母様に気を遣わせてどうするんだ。


「心配いらないさ。祥子さんは俺よりしっかりしているから心配いらないよ」


・・・息子よ、そんなに堂々と嘘吐いていいのか?もし私が母なら泣いちゃうかもよ?

遅くて申し訳ないです。

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