表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三日月  作者: まねきくま
13/32

俺の状況

岡崎目線の話です

仕事中


「岡崎主任、チェックお願いします」


渡された書類の中に時期外れの住宅手当申請が出ているのを見つけた。


ある意味俺の目に留まったのはラッキーだったかもしれない。


名前を確認すると数カ月後に俺と結婚する予定の女の名前が書いてあり、申請書だから当たり前ではあるけど、ご丁寧にも住所その他諸々の事が書いてあり、個人情報がモロ分かりだった。どんな事情があるのかは予想もできない事だが、とりあえず個人情報の諸々は他の奴の目を盗んで控えさせてもらった。


もし何か事が起きた時全然何も知らないというのでは心もとない。


いくらお互いに興味を持たない事って言ったって、彼女がするような完全無視ってのはどうかと思う。


社内で見かける時がたまにあっても、知らないふりをするし、例えすれ違う事があったとしても、目を合わせないようにしているみたいだ。


いくら俺でも軽くヘコむ。


いくら一年限定だとしても、お互いにある程度の情報を共有しておく事も必要じゃないかと思うし、そのためにも少しぐらい話をしても仕方がないと思う。


でも、しばらく話すタイミングを何度も逃し、彼女は俺と話したくないんだという事に思い至った。


それなら俺ばかりが焦る必要はない。諸連絡はメールでやり取りすればいいだけの事だし、伝わりさえすれば別に構わない。


確か所属は和合と同じ所なはずだ。最悪の場合和合に伝えて貰うのも仕方がないか。


絶対に避けたい方法だが、背に腹は代えられない。切羽詰まってどうしようもない時の切り札にしておくか・・・


何しろ和合は乗り気じゃない俺と彼女を面白がって見ているだけなのだから。


きっと俺達が結婚を取りやめると言ったとしても別に驚きもせず、春香を口説き落としたのかどうかを聞くだけだろうと思う。


なにしろ和合は、俺が結婚する相手は春香じゃ無ければ誰でも同じだということを知っているから余計始末が悪い。


和合は馬鹿じゃないから、それを彼女に教えたりはしないとは思う。


だが、これが彼女の耳に入れば、間違いなく破談になるだろうって事は予想が付く。


もちろん、ついこの間まで赤の他人だった彼女を傷つけていい道理がない事は充分に承知しているからこそ、和合こそが俺のアキレス腱である事は間違いないな。


和合には大きな借りを作ってしまった感が否めない。今度何か奢ってチャラには・・・出来ないだろうな。そんなに簡単なものじゃない事は自分が一番分かっている。


せめて近々結婚式を挙げるアイツを盛大に祝ってやるか。

和合さんキーマンですかね?


それは追々分かっていきます(多分・・・)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ