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三日月  作者: まねきくま
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KYですか?

「私と結婚して頂くには条件があります。ひとつは私に興味を持たない事。ふたつ目はお互いに干渉しない事。それを飲んで頂ければ喜んで結婚しましょう」


今、目の前で言われた事に思わずため息が出る


結局、みんな同じなんだ。この人もきっと浮気は男の甲斐性とか言いそうだもんね。

それなら誰でも同じだから別にここで手を打ってもいいかもしれない


「分かりました。それなら私からも条件があります。私の事にも興味を持たない事。仕事は今まで通り続けさせてもらえる事。なんでしたら戸籍が汚れないように偽装結婚でも構いませんよ?」


「それは流石にダメなんじゃないですか?そんな事をしたらお見合いの意味がない」


そんな事気にする玉かよと思いながらも


「じゃ、契約しましょう。期間は一年間。条件はお互いに興味を持たない。お互いに干渉しない。仕事は今のまま続けるって事で」


私の言い分に目の前の男がフッと笑った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こんなに結婚とか興味が無くなったのはきっと一年前


あの日待ち合わせていた公園のベンチに、見慣れたちょっといかつい感じの顔をした濃いグレーのスーツの男と、見慣れないフェミニンなワンピースのちょっと幼い感じの女の子が笑いながら座っていて、あまりのラブラブ振りにとても近づけるような雰囲気じゃない。


それでも、会社から


「どうせ会うならコレ渡しといて」


そう頼まれた書類は渡さなくっちゃいけないし、これはどういう事なのか一応聞いてみなくちゃいけない。だってここで私と待ち合わせたのはいかつい感じの男の方。それも、来いって言ったのは向こうなんだ。いったいどういう事?なんて・・・もう結果なんて聞かずとも分かるけど、もしかしたら何か訳があっての事かも知れない。


KY丸出しで二人に近づき


「お疲れ様です。和則さん。これ和合(わごう)さんから頼まれた書類です。明日まででよいので目を通しておいてください。と、それと・・・今日ってデートだって言ってませんでした?」


わざと「私と」って主語は入れなかったんだけど、奴は私を睨んでから、可哀想なモノを見る目で私を見ると


「オマエふざけてるのか?それともKYなのか?彼女でもないくせに今の状況を読めよ。書類は確かに受け取った。和合にも邪魔すんなって言ってやれ。」


それこそ説明も言い訳も無しに私の恋は終わってしまった。確かに「来い」とは言われたけどデートするなんて言ってなかったからな・・・

3年付き合っていた恋人に振られた。


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