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episode2【何でも屋ですけど……何か?】

〜登場人物紹介〜


・綾瀬川聖

(あやせがわこうき)


身長…175㎝

体重…58㎏

血液型…A型

誕生日…7月7日

容姿…上の中

勉強…中の中

運動…上の上


本作品の主人公。

黒髪、黒瞳のイケメンだが時々女の子に間違えられてしまうことがあるのが悩み。

学校内で何でも屋を経営しており、自身は小遣い稼ぎと言っているが、実は困っている人を見捨てられないお人好しである。

学校の成績は真ん中だが、とっさの判断や頭の回転は早い。

実は主要人物の4人の中で最も運動神経がいい。

生徒会長で学校のアイドルである湊とは家が隣同士の幼なじみで、お互いに好意を寄せ合い、依存しあっている。他に町一番の不良である凉、情報屋である杏とも友人関係。

実はある秘密が……。



杏「なんかベタな主人公ね〜」


聖「ほっとけ!!」


湊「ちなみに私のこと隅々まで知ってるんだよ☆」


聖「誤解を呼ぶからヤメーーーイ!!!!」



ここは、不思議なことが日常茶飯事で巻き起こる不知火町…。


今日も、繁華街から離れたとある裏路地で不思議な現象が起こっていた。





〜4月3日・PM21'00〜



――ドカッ!!ドカッ!!




「これでラストだぜ!!」




――ドカンッ!!




「ぐはっ!!」




銀色に輝く髪をかきあげながらその場に残った立つことのできる最後の男は額の汗を拭う。


…身長は170の半ばほど、顔立ちはとある学園都市のレベル5の第一位を思い浮かべてもらいたい。


まあ、つまりは顔立ちはかなりいいということだが、それを除いたら至って普通の人に見えた。…その体についた返り血と拳から滴り落ちる血液を除いたら…だが。




「ちっ。弱い癖に俺に喧嘩売るなっての!!」




――ドカンッ!!ガーンッ!!




そう言いながら男は一番近くにいた男を蹴り上げる。


蹴り上げられた男はそのままビルの壁にその体を打ち付けられた。




「うぅー……も、もう……やめ、て……くれ」




壁に打ちつけられた男は銀髪の男に必死に悲願する。


だが、それにも関わらず銀髪の男は既に動くこともままならないその男にツカツカと近づいてきていった。




「うぅー……俺が…わる……かった…から…」


「あぁん!!テメーから喧嘩を売っておいて俺が悪かっただと?」




――ドカッ!!ドカッ!!




銀髪の男はそう言っている間にも男の体を蹴り続ける。


どうやら、まだ男を許すきはないようだ。


そんな中、男はさらに言葉を繋いだ。




「そ、そう言って……も…俺は……頼まれて……」




その言葉が男の口から放たれたとき、銀髪の男は今まで蹴り続けていた脚を止めた。




「頼まれた?」


「……あぁ……頼まれて……たんだ…」




銀髪の男は完全に動きを止め、男の話に耳を立て始める。




「……その…男は……俺に……お前を……消せ……って…」


「……」




銀髪の男は未だに刺すような冷たい視線を送っているが、それでも男の話を静かに聞いた。しかし、そのときだった……。




――ザッ―――ッ!!!!!!




「ぐぎゃあぁあああっ!?」




男の頭上から大量の水が流れ落ちてきて男の全身に覆い被さった。


だけどそれだけではない。


男に水がかかった瞬間に繁華街の方にも響き渡るくらい大きな叫び声を男があげた。


そして、それと同時に体から煙がでてきたのだ。




「ひゃっひゃっひゃっ!!」


「な、なんだ!?」




銀髪の男は上から聞こえてきた声を気にすることもなく目の前の光景に釘付けになってしまう。


そしてさっきまで銀髪の男が蹴っていたその男は…見るも無残な姿へとなってしまっていた。




「……」銀髪の男は呆然と目の前を見つめる。


しかし、その静寂を破る甲高い笑い声が銀髪の男の耳を貫いた。




「ひゃっひゃっひゃっ!!」


「…テメー何をやりやがった!!」




銀髪の男は甲高い笑い声の主であろう男に鋭い視線を向けた。


でも、男はそをな視線に恐れることなくビルの上から銀髪の男を見下ろす。




「そんなの決まってんだろ?俺の役に立たない屑を排除したまでだ」


「ちっ!!腐ってやがる!!」


「…いくらでも言っていろ。もうじきお前も消える運命何だからな!!ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!」




その男は言いたいことだけ言ってそのまま甲高い笑い声を上げながらその場を離れていく。

その顔にいやらしく気味の悪い笑顔を浮かべながら…。





だが、銀髪の男はその男の言葉に恐怖することなどなく呟やくのであった。






「…こりゃ久々に裏の仕事かもな」








〜4月4日・AM10'30〜


聖side


入学式に参加しなかった俺と杏は高校生活初日に見事に生徒指導室行きになってしまった。




『まったく…新しい会長の素晴らしい演説を聞かないなんて人間として恥ですよ!!』




二分おきにそんなことを口走る生徒指導の先生に本気で殺意がわいたのは内緒だ。


まぁ、実際手は出してないけどな♪



――ただ、コーヒー入れてきて【偶々】それを先生にこぼしたり、足癖が悪いから先生のすねを何回か蹴ったりはしたけどな☆




「あんた反省する気ないでしょ?」


「…俺より酷いことしていた奴が吐くセリフじゃねーよな?」


「あら?何の話かしら?」


「…いやなんでもねーよ」




俺は杏の放つ無表情の威圧に何も言えなくなってしまった…。


だがこれだけは言わせてくれ。






この威圧で生徒指導の先生は泣きながら生徒指導室を出て行ったよ。




「ちなみに【ママ〜】とか言ってたわね…明らかに40歳を超えた筋肉質のオッサンが」


「確かにあれにはびびったよな…」




生徒指導の先生に俺から言えることはただ一つだ。




「早く親離れしろよ…」




先生の冥福をお祈りいたします…。




―――――――――


――――――


―――





「じゃあね聖。あたしのクラスこっちだから♪」


「一生俺に近づくな」




俺のそんな言葉なんか無視して杏は自分のクラスであるβ組に入っていった。


てかなんでクラスの名前がα、β、γなんだよ!?

普通クラス分けは一組、二組とかA組、B組とかだろう!?




――この学校。いったいどうなってんだ?



登校一日目だけどなんかすでに学校に来るきが失せた気がするよ…。


でも俺に拒否権はないんだよな〜〜。主に俺に対してのみ過保護な幼なじみけん今朝の演説で学校のアイドルになってしまった美少女にな。






「当たり前でしょ。セイ君にはちゃんと高校を卒業してもらうんだから!!」


「…いつからそこにいたんだ湊?」




振り返ると幼なじみがいました。




「もう!!セイ君?昔みたいにカナちゃんって呼んでよ!!」


「恥いから全力で拒否させていただきます!!」


「…いじわる」




ふ…やってくれるな奏よ。


瞳に水滴を溜めて下の方から俺を見上げるように見つめる…。



つまり涙目上目遣いだ!!



確かにお前のその攻撃はさっきまで体育館で騒いでた愚者どもにとっては人間凶器だろう。


だが!!長年お前のすぐそばでその表情を見てきた俺には片腹痛いわ!!!




「…ちなみに今は授業中のはずだがなんでお前はここにいる?」


「スルーするの!?」




そうさ…その通り!!!


これぞ奏用対策兵器その1!!【右から来たものを左に受け流す】だ〜!!!


ちなみにこれは某有名芸能人が使っていたネタから来てるんだぜ♪


何?ネタが古いだと!?



バカも〜〜〜〜ん!!!



それはあの世界に名を轟かす【ムゥデ○ーさん】に対する当て付けか!?確かに最近繁栄期だったころに比べれば出てきてないけどな…。俺は結構【ムゥディ○さん】を気に入ってんだよ!!


だから【ム○ディーさん】頑張れ〜!!!




「…さてと」




つい長々しく語っちまったぜ!!




「セイ君。お疲れ様」


「ありがとよ湊」




そう言えば奏になんか質問してた気がするんだけど…。


まぁいっか!!!


とりあえず教室にレッツゴーといきますか☆




「セイ君!!セイ君!!そう言えばどこ行ってたの?」


「ん?まぁいわゆる学校で唯一生徒が教師を泣かせてしまった場所…かな?」




間違ってはいない。




「ふ〜ん。私もそこ行きたいな〜」


「安心しろ。お前ではたぶん一生かかっても行けない場所だから」ていうか、優等生で学校のアイドルであるこいつは悪いことをしてもあの部屋行く前に許されそーだからな。


『ごめんネ〜☆』の言葉にウィンクでもつければその場から簡単に解放してもらえそうだ。




「そんなことないよ〜☆」


「いやいや、ご謙遜するなってアイドル様♪」


「ちなみに私はそんな状況になるようなことしないから☆」


「それもそうだな♪








……って!?










お前も読心術使えたのかよ!?」




ま…まさか俺の周りにいるやつは全員読心術を常備してんじゃねーよな…?


そうだったら俺にプライベートなんてないじゃん!!


あーっ!!もうあんなことやこんなことは考えてはいけないのかー!?




「…セイ君。今の話はちょっと聞き捨てならないかな〜?かな〜?」


「…まあ待て湊。今はお前が読心術を使えるというのが問題なんだ?決して俺の頭の中については関係ない!!」




し、しまった。


このままでは世話焼きな奏の特殊スキルの一つ、【セイ君への躾☆】が始まっちまう!?




「ちなみに手遅れだからね♪セ・イ・く・ん?」


「な、なぜだ!?」


「だってセイ君。気付いてないみたいだけどさっきから考えていることが声にでてるもん♪」




……………WHAT?……。




「そ…そんなバカな…」


「因みに今は長い沈黙の後に『WHAT?』ってすごく疑問系で口に出してました〜」




な…なんだと!?


つまり今までの俺は心で思ったことをそのまま口に出してしまったってことか…?


はっ!!そうか!!


だから杏のやつも俺が考えていることがわかっていたのかよ…。やっちまったぜこんちくしょー!?




「さぁ今週も始まりました反省会の時間でーす」


「…現実逃避してないでいい加減認めたら?」




くっ!?奏から冷たい視線を浴びせられるのがこんなに辛いとわな…。




「まぁそういうわけで。ただいまより私、白草湊の、白草湊による、綾瀬川聖のための躾を始めま〜〜す☆」


「はっ!?ちょっ!?マジでっ!?やめてくれ湊っ!?」


「むふふ〜〜♪……止めな〜〜い☆」




――不覚にも楽しそうに俺に近づいてくる奏の顔にドキッとしてしまった。




「ありがと♪セイ君♪」




最後の最後まで俺は思ったことを口にしてしまったようだ…。




「どういたしまして…で?なぜに湊はそこに手をかけてるのかな?…………しかも若干柔らかい感覚もあるし……主に俺の腕に押し付けてるあれとかから…ちょっ!?マジで勘弁してくれ湊!?そこはダメだって………………ぎゃぁぁぁぁああああーーーーっ!!!!」




最後に一言。俺の体に触れていた奏のあの部分は…大きくて柔らかかった…。




―――――――――


――――――


―――





「いてて…」




あれから数分。俺は傷ついた体を必死に庇いながら教室への道を歩いていた。


ちなみに俺のクラスであるα組だけ階が違うため杏と別れた後も結構歩くのだ。そして――




「セイ君。大丈夫?」


「ま、まあな…あと、その言葉はこの傷の加害者の言うセリフではない」


「はぅ…ごめんなさい」




横でしょんぼりしている俺の幼なじみけん。生徒会けん。学校のアイドルけん。この傷の加害者である白草湊も同じクラスである。


あ!!そうそう。俺の思ったことを口にする癖はさっきの【セイ君の躾☆】により直されました♪


でもその後遺症みたいなもので基本的に俺に対して甘く…過保護な湊は俺を傷つけたというわけで落ち込んでるってわけだ。









――まぁ湊も悪気があったわけじゃないし、基本的に悪いのは俺だからそろそろ許してやるか。




「…湊」




名前を呼んだ瞬間、湊はビクッと体を震わせる。


俺はそんな奏を安心させるために俺より10センチばかり低い位置にある湊の頭に手をのせた。




「…セイ君?」




湊が顔を上げるとさっきと同じように涙目上目遣いになっている。


けれどその威力はさっきの比ではなかった。



つまりその顔になれてしまっている俺でもついグラッときてしまうほどだ。


これが、わざとやってたときとの違い。




「セイ君?」




おっと、話がズレてしまっていたな。




「…湊」


「な、なに?」




未だに不安そうな顔をする湊。俺はそんな湊にさらに優しく微笑みかけた。




「湊。安心しろ。俺とお前が過ごしてきた時間は桁が違うんだ。少なくとも俺がお前を嫌いになることはないから」


「…本当?」




尚も疑う奏にだめ押しする。




「本当だ。お前と俺の仲だろ?」


「…うん///」



奏は瞳に溜まっていた涙を勢いよく拭い俺に微笑みかけてくれた。


俺は奏のその笑顔が大好きだ。


彼女のこの優しい微笑みがあるから俺は彼女に惚れたのかもしれないな。




「じゃあ行こうぜ湊!!」


「うん!!」




そして、仲直りした俺達は再び歩き出した。



まだ見ぬ我がクラスへと…。






???side



「僕の教室はどうやらここみたいですね」




こんにちは。お初にお目にかかります。


僕の名前は【東雲凉しののめりょう】と申します。


歳は15で今年この不知火高校に入学しました。ですが僕には一つ問題があります。


それは、今僕の目の前にある1年α組の扉を開けられないことです。


実はお恥ずかしながら、昨夜は深夜の2時近くまで街を歩き回っておりました。


おそらくそれがこうをなしたのでしょう…。





入学早々に遅刻してしまいました。テへ♪


まぁそのためただいまとてつもなく教室に入りにくいのです。



――やはり昨日はすぐに家に帰るべきでした。



欲を出してしまったのがいけなかったのでしょうね(汗)


はぁ…なるべくクラスメートの皆さんにショックを与えずに済ませたかったのですが…致し方ありませんね。僕は心の中でそう決心すると、意を決して教室のドアに手をかけます。



これから起こるであろう騒ぎを警戒しながら…。






聖side



「ところでセイ君。なんで入学式に出てなかったの?」


「…お前が起こしにきとくれると思ってたからだ」




俺の言葉に湊は額に手を当てて呆れ顔になってしまった。


――いや。本当にすみません。




「まったく…セイ君は私がいないと何にも出来ないんだから…」


「くっ!!言い返せないのが悔しい…!!」




でも実際に俺は湊がいないと何も出来ない…。


なんせ俺の人生を語るのに白草湊という人物は必ずと言っていいほど登場するからだ。




「…俺にはお前が必要だということか」


「えっ///」




俺がそう口にしたとき湊は急にうつむいてしまった。


不思議に思った俺は隣で歩いている湊を覗き見ると…誰の目にも見えるくらいに頬を赤く染めてしまっていた。


そしてその様子を見た俺はこう思った。







`







――はっ!!まさか熱でもあるのか!?


※1【聖は主人公の鈍感スキルを常備しています】




た…大変だ!!保健室はいったいどこなんだ!!


※2【基本的に聖と湊はお互いに過保護です】







俺が慌てて周りを見渡しながら保健室を探す。だけどそのとき事件が起こったのだった…。




――ガラッ!!!!!!!!




突然目の前の教室のドアが開く…!!


俺と湊は何事かとその教室のある方向を向いた。


すると開いたドアから金髪やら茶髪やらの髪を染めた男たちが飛び出してきたのだった!?




「きゃっ!!」




突然の出来事に俺は隣を歩いていた湊を抱きしめて廊下の端に飛び退いた。


そんな俺らにも目をくれずにその明らかな不良どもは様々なことを口に出しながら廊下を駆け抜けていく…!?



『な…なんであいつがここにいるんだ!?』

『冗談じゃねー!!俺殺されちまう!!』

『やべー…やべーよ!!』

『せっかく女の子を漁りにきたのにもう学校これねーじゃねーかー!!』




おいちょっと待て!!最後のやつ完璧犯罪者予備軍だろ!!


ていうかいったい何があったんだよそこのフリョタリアン(不良のこと)!?




「…セイ君?///」




おっと!!あまりの出来事に湊を抱きしめたままだったぜ…///



――なんか顔が熱いけどなんでだろうな?




「…セイ君。早くはなして」


「おっと。わりー…」




ま…まぁ今はそのことは気にしないことにしるう。それより今の問題は――




「いったいあの教室で何があったんだ!?」


「わ…分からないけど…避けては通れないと思うよ…」


「な…なんでだよ?」


「だって…」




湊は俺に分かるようにゆっくりとある一点を指差す。


そこには――今。俺達が向かっている目的地が書いてあった…。




「…マジで?」


「…うん。さっきの人達が出てきたのは間違いなく私とセイ君のクラス…【一年α組】だよ」




うわ〜なんかテンションいっきになくなったわ。


俺は今から何と出会わなければいけないんだよ?




「…サボろうかな?」


「私も今。この瞬間だけ生徒会長であることを辞めようかと思ったよ」




でもそこで入らなければいけないのが主人公クオリティー。


湊。俺も今…主人公を辞めようかと思ったよ…。




「主人公の宿命に乾杯!!」


「カンパ〜〜イ!!」




俺と湊はどこからともなく取り出した午後の○茶で乾杯しそれを飲み干す。


戦場にいく前に飲むお酒――じゃなくて紅茶ってわけだな。凱旋パレードは盛大に頼みますよ…?


「それと湊。これが終わったら結婚しようじゃないか?」


「…セイ君。すごくアグレッシブに死亡フラグたててるよ?」


「…気にすんな」




俺は今日という日に感謝しよう。湊にプロポーズして死ねる今日という日に…!!




「じゃあ行くぞ?」


「う、うん…」




湊に意志確認をした俺はいよいよヘブンズゲート(教室の扉)に手をかけ…。




――ガラッ!!!!




勢いよく開け放った。



『『……』』




そして教室の現状に唖然とし無言になってしまうのであった――






凉side



「な…な…な…なんで!!お…お…お…お前がここにいるんだ!!し…東雲凉!?」




教室に入った僕。そんな僕に待ち受けていたのはやはり予想通りの展開でした…。


そんな展開から一分たらず、勇敢なるクラスメートの一人が勇気を持って僕に話しかけてきました。










――箒を構えて。全身を震わせながらですけど。



でもこれもしかたのないことです。なぜなら僕は有名人の1人であり…町1番の不良なんですから…。




「…とりあえず落ち着いて下さいみなさん」




僕が声をかけただけで教室の後ろのほうにいるクラスメートの方々はビクッと体を震わしました。


どうやら僕は恐怖の大将みたいなものなのでしょうね。




「僕はあなた方をいきなり襲ったりなんかしませんよ?」


「う…嘘だ!!どうせここにいるやつらを全員ぼこるきなんだろ!?」


「いえ。だ…だから何もしませんて…」


「う…嘘だ!!どうせここにいるやつらを全員ぼこるきなんだろ!?」


「…あの?聞いてますか?」


「う…嘘だ!!どうせここにいるやつらを全員ぼこるきなんだろ!?」




――どうやら全然聞いてないようですね。



というよりあの男の子さっきから同じことしか言ってませんか?




恐怖で思考回路がおかしくなったのでしょうか?




「はぁ…だから…」




――ガラッ!!!!




そのときこの状況を打開してくれるであろう2人が現れたのでした…。






聖side



「…なんじゃこりゃ?」




俺と湊が教室に入ったとき教室の中はある意味地獄絵図になっていた。



まずクラスにいる人達の大半(担任らしき人物込み)が教室の後方で机やら椅子を使いバリケードを作り、全員が箒やらコンパスやら何か武器になるものを持っており戦闘準備バリバリの状態にあり。


また教室の真ん中では一人の男子生徒(仮に男子Aとする)が箒を持ち脚を震わせながら脅えた表情でこちらを見ている。




そして教室の前方…俺はそこにいる銀髪の少年を見た瞬間全ての事柄が繋がった…。




「聖。湊。お願いします助けてください」


「…凉。お前いったい入学早々何したんだよ?」




俺は呆れ顔でそこにいた人物――俺の【親友】であり【相棒】の男。東雲凉にそう問いかけた。はっきり言って本気で関わりたくない状況だ。


そしてそのとき凉に立ちはだかっていた勇敢なる男子Aが声を上げるのだった。




「か…湊さん!!急いでその銀髪の人から離れてください!!」


「あはははは…」




その一言に苦笑いしてしまう湊…そういえばこいつ学校のアイドルだったな。




「何してるんですか!?早く逃げてください!!その人は町一番の鬼畜なんですから!?」




――本当に勇敢だよ男子A。凉が本当のクズだったらすでに命はないぞ?




「…僕っていったい何に思われてるのでしょうか?」


「…ドンマイだ凉。あれがお前に対する印象だ」


「あはははは…」




その言葉に湊は再び苦笑い。俺は本気で落ち込む凉を慰めるのだった。


そしてこの行動が俺に対する注目度アップとなった。




『お…おい。あいつ町一番の不良を慰めてるぞ?』

『本当だ…しかもイケメンだし…』

『それによく見たらあいつと一緒に入ってきたの白草湊会長じゃね?』

『ほ…本当だ。あれ会長さんだよ』

『いったい何者なんだ!?』




クラスメート達はヒソヒソと俺の憶測を始める。


だがそれも当然だろう…。



なんせ俺の隣には学校のアイドル生徒会長の白草湊。目の前には町一番の不良である東雲凉…。



この面子なら一緒にいる俺は誰?ってことになるな…普通。




よし!!ここはカッコ良く自己紹介してやる!!



【通りすがりの仮面ライダーだ!!】とか――


【俺。参上!!】とか――



すみません。仮面ライダーしかないな…。


ま。いいか。ここは俺らしく逝かせてもらうぜ!!



え?字が違う?気にすんな〜!!




じゃあア○ロ…じゃなくて。聖…行きま〜す!!










「何でも屋ですけど…何か?」




           `

これは私が一年生にして不知火高校の生徒会長となった話です☆


舞台は本編開始の三ヶ月前、私とセイ君が不知火高校の合格発表を見に行ったときまで遡ります♪


なぜ、私が一年生で生徒会長になれたのかその秘密が明らかに!!



†CROSS・ROAD†次回は


episode3【私が生徒会長になるまでの軌跡と奇跡、でもちょっぴり奇跡多め!?】



みんな!!次回も私の晴れ舞台を期待しててね♪



追伸・本文の問題の答え


携帯でアルファベットをひらがなに変換したら答えになります。


そして答えは……。



【OAC→ふかく→不覚】



でした!!



次回に続く!!

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