イわくつきのプロローグ。
とうとうやってしまいました、『曰く付き』シリーズ。
これは、前に短編で書いた『曰く付きな箱歌』の語り部さんの話です。
性別不詳キャラは文での表現するにあたって大変ですが、頑張ります。
岩槻琥珀は“曰く付き”が口癖だ。
他に何か言うとすれば、外見は20を越えるか越えないかの境目。さらには中肉中性で性別の判断をしかねる。声が女とも男とも言ってもいい程だから、尚更。
後は謎だらけ。
人であるのか、その形をした化物なのかもわからない。
善人なのか、悪人であるのかですら、わからない。
――否。善人であり、悪人でもあるのかもしれない。
時に善いことを。時に悪しきことを。それが琥珀と言う存在だからだ。
彼は、いや彼女かもしれないが、琥珀が求めるのは『曰く付き』な非日常。
それに目的や理由があるのは定かではない。
“曰く付き”はいつも突然現われる。
善悪問わず、どんな手を使ってでも。『曰く付き』な非日常を得るために。
もしかしたら、貴方とすれ違った赤の他人とも言うべき人物の中に“それ”が――……
破壊、痛快、懲戒。掌握、暗躍、疑惑。
嘘吐き、魔憑き、曰く付き。
岩槻琥珀と言う生き物の、不可思議、奇天烈、非現実的な、物語の扉が今ここに開かれた。
プロローグなので短めです。短すぎたかもしれません。むしろ短いですね。
『黒白』の狼の王様と名前が一緒ですが、関係ありません。赤の他人です。いやもしかしたら関係があるかもしれませんが。名前被りさせる気は全く無かったんです。
いつか、短編でやっていた『箱歌』での話や、『道化』での話も取り入れたらいいなと思ってます。
次話から鬼眼探偵の本編に入りたいと思います。琥珀がウザいと思うかもしれません。それでも、曰く付きシリーズ、これからよろしくお願いします。