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ヤエー!初めてのソロキャンプ  作者: 砂糖水色
8/15

8話 あぁ女神様

晴子



メスティンに一合の米を入れ炊事場で米をとぐ。

シェラカップで水200ccを測ってメスティンに入れる。

私は自宅で料理をしたいとは思わないが、キャンプではそれなりにする。

むしろ何を作るか楽しみしている所すらある。

今日は初めての料理だ。

コンビニチキンカツ丼。

あのコンビニのサクジュワのチキンでカツ丼を作ってしまおうというのである。

美味しくならない訳が無い。

 

30分程浸水させたあとシングルバーナーで火にかける。

最初は強火で、沸騰してきたら弱火で10分ちょっと。

最初は焦がした事もあったが最近はほとんど失敗する事は無くなった。

12分程経った所で火から下ろしタオルで包んで蒸らしておく。

こうするとふっくらと炊ける。

今度はバーナーの上にスキレットを載せ、自宅で切ってきた玉ねぎとめんつゆを入れる。

玉ねぎに火が入ってから切ったコンビニチキンを入れる。

シェラカップでお卵様をかき混ぜる。(キャンプに卵を持っていくのは大変気を使うので我が家ではお卵様と呼ぶようになった。)

とりあえず半分だけスキレットに卵を入れる。

ある程度卵に火が入った所で残りの半分の卵を回しながら入れる。火を止めてバーナーから下ろし。メスティンを…

「あっ!」

 ガシャン!

小さなテーブルの上でメスティンの蓋を開けようとしたらお米をひっくり返してしまった。

ヤバい。

 しかもまあまあな音量の声が出てしまった。

 周りに誰も居なければ

「どおしてだよぉ!」

って叫びたいくらいだけど、我慢する。

注目されている気がして周りを見れない。

そっとメスティンを元に戻すが、ほとんどのお米が地面にこぼれてしまった。

地面に落ちたお米から立ち上る湯気。かすかに甘く香ばしい香りが立っている。

上手に炊けていたようだ。

ショックだが、そのままにしておく訳には行かない。

落としたコメを丁寧に拾う。

あぁせっかくのコンビニチキンカツ丼が…

パリパリふわふわの食感が…

予備のお米はない。

あるのは朝食用のパンだけだ。

「あぁ…」と声がもれだす。

 私はいつもこうだ。上手くいってると思って油断して転ぶ。

売店や自動販売機にお米売ってたかな…このまま具だけ食べるか…と考えながら地面を掃除していると

「こんばんは」

 バイクで隣に来た女性が声を掛けてきた。

「あなたが落としたのはサトウのご飯?それとも炊き込みご飯?」

と両手で見せてきたので

「あぁ、女神様!私が落としたのは炊きたてご飯ですぅ。」

と泣き真似をしながら答えた。

 女性はニコッと笑って

「ドンマイ。ドンマイ!みんな一度はやる事だよね。どっちがいい?」

と、言ってくれた。ありがたくサトウのご飯を頂く事にした。

 代金を払うと言ったら。

「その代わりっていったら何だけど、焚き火当たらせてくれない?焚き火台壊れちゃって。良かったら、」

「もちろん!是非是非。」

「私もご飯ここで食べていい?」

「もちろん!」

断れるわけがない。むしろ嬉しい。

私もバイクでキャンプしてる女性から話を聞いてみたいと思っていた所だ。

サトウのご飯をバーナーで湯煎して温める。

 チキンのパリパリ感は無くなってしまうが仕方ない。

「私は晴子ですー。ホント助かりました女神様。お名前聞いてもいいですか?」

「女神様はやめて。ナナって言うの。よろしくね。晴子ちゃんは大学生?」

「いえいえ。高3です。受験生ですね。」

ナナさんは大分驚いていた。

大学生に見えるのだろうか。

「高校生がソロキャンプだなんて、アニメみたいだね。あ、焚き火で調理していい?」

「もちろんどうぞ。」

 ナナさんは自分のテントから小ぶりな鍋を持ってきて、水を入れて焚き火にくべた。

パスタを作るそうだ。

どんなパスタだろう?と思って少しワクワクしたがレトルトだそうだ。

パスタの麺とレトルトパックを一緒に茹でるという荒業をしている。

温まったサトウのご飯をメスティンにいれ、温め直したチキンカツ丼を流し入れる。

出汁の香りが辺りに広がる。

 ほぼ同時に完成したので、お互い少しづつシェアして食べた。

チキンカツ丼は思ってたより味が濃かったので、ご飯無しではキツかったかもしれない。

 結構美味しく頂けた。

レトルトのパスタも最近のは本当に美味しかった。

ナナさんはビールを飲みながら幸せそうに食べていた。

私は始め見た時から気になっていることを聞いてみた。

「積載量凄い多いと思うんですが、キャンプってより旅行中ですか?」

「まぁ、そうね。私千葉に住んでるんだけど、今四国からの帰り道。って言っても、一泊二日のキャンプでもあんまり量は変わらないわね」

私は目を丸くした

「えぇ?四国一周してきたんですか?」

「そうそう。バイクでね。」

「バイクで旅すると雨に降られることありますよね?」

「そりゃあもうずぶ濡れよ。何着てたって死ぬほど寒くなる時があるわ。今回はほとんど降られなかったけど」

「危ない事とかはないですか?」

「ない。…とは言いきれない…かな。事故もそうだけど、怖いと感じる事は数回あるかなぁ。」

気が付いたら私は興味津々で色々聞いていた。

YouTuberの影響で私は結構バイク旅に興味があるのだ。

 

辺りを見渡すとお隣のイケメンが私の後ろのファミリー達と望遠鏡で空を見ていた。

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