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ヤエー!初めてのソロキャンプ  作者: 砂糖水色


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10/15

10話  WONDER WALL

リアム


ふもとっぱれキャンプの中央にあるトイレから出たところで、見知らぬ男性が話しかけてきた。

僕は外出する時、ほぼずっと大きなヘッドホンを付けている。話しかけられて対応するのが苦手だからだ。

だけど、この男性には全く効果はなかったよようだ。

丸顔で坊主頭にひげ、背は170cm程だが肉付きがよく、強面だ。

かなり険しい表情で敵意すら感じる。

「オマエ隣でキャンプしてる女の子を盗撮してたよな?どうゆうつもりだ?」

僕はこういう攻撃的な物言いが苦手だ。

身体がすくんで、普通に答えることが難しくなってしまう。

状況をしっかりと説明すれば分かってくれるとは思うのだが、僕に出来るのだろうか。

「ぼ、ぼくは」

「さ、さっき。あ、あの子のお

 、親と」

「あん?」

 怖い。この人怖い。

 目を合わせられない。

「び、ビデオ通話して、していたんだ。」

「お?あれ?オマエも?」

男が言う。オマエも?も、とはなんだろう。

 怪訝な顔だが敵意はなくなった気がする。男が続けて聞いてくる。

「頼まれたのか?」

 なるほど。そういう事か。

 


僕は小学生の時サッカーを習っていた。

僕は身長が低かったし、かなり太っていた。

ブラジル人の父は僕が小学生になると当然のように僕ををサッカークラブに連れていった。

ブラジル人の血が入っている。それだけで何故かサッカーが上手いと思われる。

だけど、僕はサッカーどころか運動が苦手だった。

更に言うと、勉強も友達と遊ぶのもだ。

あまり言いたくは無いが、ゲームすら不得意だった。

チームには一学年ギリギリの人数しか居なかったから試合に出る事は出来た。だけど、僕は試合に出るからこそチームメイトはコーチ、監督に怒られ続けた。サッカー経験のある父は僕の中のブラジル人の血がいつか開花すると、信じて疑わなかった。

 3年生になり僕はサッカーが嫌になっていた。そんな時母親がママ友から「楽しむ事を目的としてるフットサルチーム」があるからいってみないか?

と声を掛けられた。

僕は行きたくなかったが、父が乗り気になり、連れていかれた。

そこでやっていたのは親子サッカーと、言うやつだった。

 6対6で3チーム作ってフットサルの試合をずっとやるだけだ。

チームは大人2名子供4名で振り分けられた。

僕の父親も当然の様にコートに入り、一緒にボールを蹴った。

父は太っているのに、意外にもテクシャンで楽しそうにプレーしていた。

そのチームを主催している真さんは

「上手い子はどうやったら周りの子が活躍できるか考えて」

「上手じゃない子は上手い子よりいっぱい守って、いっぱい走れ。」

 そんな事を言う人だった。

「勝ち負けより良いプレーして楽しんだ方がサッカー楽しくね?」

僕ら親子は真さんの親子サッカーが大好きになった。

ちなみに参加者は親子フットサルを略して「子サル」と呼んでいた。

何度か子サルに参加したあと、僕は真さんに自分のチームで上手く行ってないと相談した。

「んじゃとりあえずボール強く蹴れるようになろうか。」

と言って、会う度にインステップキックを丁寧に教えてくれた。

時々公園で練習をするようになって数ヶ月でチームで一番遠くに蹴れるようになった。

僕はディフェンダーをやっていたが、ゴールキックを任されるようになり、チーム内でバカにされることはだいぶ減った。

思えばこの頃が一番楽しかったかもしれない。

中学に上がってサッカー部に入るとそこは昭和の体育会系のノリが強く、太ったままだった僕は先輩や同級生からイジメを受けるようになった。

2年生に上がる前に僕は学校に行くのをやめた。

それからしばらく引きこもり生活をする事になった。

どこからか学校へ行ってないことを聞いたのだろう真さんは時々LINEをくれた。

あのアニメ見てる?とか日本代表の試合見た?とか 学校や生活には触れずどうでもいい会話を定期的にしてくれた。

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