表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

春の子 桜花

作者: あの人

僕には、大切な飼い主が居る。

凄く、鈍感で運動嫌いで、か弱い泣き虫の飼い主だ。

でも、いっぱいいっぱい撫でてくれる。遊んでくれる。

僕の、いたずらを笑って許してくれる。

でも、たまに凄く怖い時がある。

でも、すっごく大好きな飼い主だ。


でも、たまに思うんだ。もっと、遊んで欲しい。

もっとお散歩したいんだ。

もっと、色んなお空みたいんだ!


僕は、もっと色んな所見たいんだ。

僕は毎日、色んな所を走り回りたいんだ。

この空を、ずっと好きで居たい。

飼い主と、歩く、この空をずっと見ていたいんだ。


春は僕の、誕生日だよ!

その日は、いっぱいおやつ食べれるから嬉しいよ!

いっぱい、笑ってくれるから。僕は嬉しいよ!

幸せだよ!


でも、たまに思うんだ。僕はここにいて良いのかなって。

毎日、楽しくて仕方が無いよ。

でも、飼い主大変そう。疲れてそう。

僕が、邪魔すると、少し困った顔する。

僕は居ないほうが、良いんじゃないかと思うんだ。

でも、大好きだから、ここに居ても良いよね?


僕は、春の子 桜花!!

おやつも散歩も遊びも好きなんだよ!

ずっと、飼い主と一緒なら何処でも着いていくよ!!


でも、ある日ね。いたずらした日。

飼い主が、僕を知らない所に、置いていったんだ。

悲しいよ!寂しいよ!

そう、鳴いても、誰も来てくれない。

僕は怖くて、仕方が無かった。


でも、1日、夜が明けたら。

飼い主が嬉しそうに来た時は、僕も嬉しかったよ。

でも、また同じ様な事しないでね!

僕、怖ったんだよ!


飼い主は、嬉しそうに僕に話し掛けてくれる。

でも、嫌な所触って、怪我させちゃってごめんね。

痛かったよね、でも、嫌な所触った飼い主が悪いんだよ!

しばらく、許してあげないから!!


飼い主、痛そうにしている。

でも、僕は……僕は、悪くないもん!

でも、ちょびっとだけ……ごめんね。


飼い主、あんな事したのに、僕に微笑んで散歩連れてってくれる。

笑ってくれる。

だから、僕も凄く……嬉しいよ!


僕、なんか体が重いんだ!

気付いて、いつも怪我したらすぐに気付いて、

嫌いな所連れてってくれてたでしょ?

僕、凄く今、行きたいんだ!

でも、飼い主忙しそうで見てくれてない。


ちょっと経って、飼い主慌てて、僕の事抱き上げてくれた。

凄く、悲しそうな顔してる。

ねぇ、そんな顔しないで。僕も悲しくなるよ。


嫌な所、着いた。

嫌だけど、僕待つよ。


すぐに、僕は連れてかれて、色んな所見られたよ。

凄く、恥ずかしかったんだよ。

でもね、僕ね、頑張ったよ!褒めて、褒めて…飼い主!

だから、そんな…そんな……涙を流さないで!

僕、元気だよ?僕、毎日楽しいよ!!

でも、飼い主。ずっと、悲しそうな顔。

そんな顔しないでって、舐めたらもっと涙流しちゃったよ!

どうして……?


あれから、少し経ったよ。

どんどん、体は重くて、もうほとんど動けなくなりつつあって、嫌だよ。

飼い主は、僕を見るといつもごめんね、ごめんねって言っててつまらない!!


ねぇ、飼い主!もう一度、僕はお散歩行きたいな!

飼い主と見た、綺麗なピンク色のお花見たいよ。

飼い主、それを『桜』って言ってよね?

僕、桜好きだよ!桜の事話す時の飼い主の幸せそうな顔が好きだから。

僕は、桜大好きだよ。


だから、もう一度……笑って飼い主。

僕は、幸せだよ。飼い主は、僕を嫌そうにした事、一度も無いもん。

飼い主と行った、大きな塩っぱい湖綺麗だったよ。

そこで、一緒にいっぱい走ったの、覚えてるよ。

帰り、楽しかったの忘れられなくて、ニコニコしたら、

飼い主一緒に笑って撫でてくれたの覚えるよ。


飼い主と行った。凄く、広い所好きだよ。

あそこ、なんていうんだろ?

大きな古い家、あったの覚えるよ!

いっぱいの人が、居たのも覚えるよ。

僕、色んな人と会えるの嬉しかったよ。

だから、そんな青い顔しないで。

もう一度、笑って!飼い主!!


でも、可笑しいんだ、飼い主。

僕、元気なはずなのに、どんどん…起き上がれないんだ。

体がどんどん、動かなくなってて怖いんだ。

でも、飼い主がその分、僕と触れ合ってくれるのが増えて嬉しいよ。

前は、全然遊んでくれなかったもん。

だから、嬉しいよ。


でも、飼い主。息苦しいんだ。

飼い主、気付いて………?


飼い主、急に車走らせて、僕を連れてどっか行くんだ。

何処に行くの?飼い主……。

僕、息苦しいから、遊びに行くなら。

また、今度元気な時にしてね!飼い主。


でも、着いたの。嫌な所だった。

飼い主、必死に嫌な事してくる奴に泣いていた。

どうして、泣くの?痛い事あった……?

僕が、居るよ?泣かないで……笑顔で居てよ。飼い主。


しばらくして、飼い主が茶色い何かを、僕に渡してくれたんだ。

飼い主、これなぁ〜に?

でも、飼い主。ひたすら、我慢したような笑顔してる。

飼い主を心配させたくない。


僕は、それを食べた。

食べたら、甘くて美味しくて、口が一緒にとろけちゃいそうだよ。

でもね、飼い主!

これ食べたら、なんだか眠くなってきちゃった。


ねぇ!飼い主!

僕ね、幸せだよ!


ねぇ!飼い主!

今度……この眠りから起きたらね!


ねぇ!飼い主!!

今度、また一緒に桜見ようね!絶対だよ!


僕が……大好きな桜を…………。

一緒にめいっぱい見てね、お散歩してね!!

ちょっと、眠いから寝るね!おやすみ……飼い主。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ