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刻を超えた絆  作者: ふじわら
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新章 本能寺の変

坂本は邸を出て、ゆいかの下へ向かった。



「くそぉ...何しに来やがったんだよ...あんまあいつに家に行きたくないんだよなぁ」


ぶつぶつとボヤきながらあぜ道をひたすら歩いた。



そして京の中心部の大きな邸にたどり着く。



「相変わらずでかいな」


門を叩くと中から2人の護衛が姿を現す。



護衛は坂本を見るなり厳しい視線で語りかける。



「坂本様今日は何用で?」

「ちょっと蘭丸さんに用があって」



護衛の1人がもう1人に護衛に耳打ちをして、その場から離れた。



「暫くお待ちを」

「はい」



数分待つと凛々しい姿の森蘭丸が現れた。



「これは坂本さんこんな朝早くどうなされました」


蘭丸は笑顔で尋ねた。



「いやちょっと上様のご機嫌とゆい...あっ...じゃじゃ馬娘(ゆいか)に会いたく伺いました。


「そうですか、上様は先ほど起床し朝食をお召し上がりなのでお会いできると思いますので、こちらに...」


蘭丸は手を出し坂本を謁見の間に誘導した。



坂本は会釈をして蘭丸の後に続いた。




坂本が大きな部屋に待たされる事数分、襖が開き、目つきの鋭い男が現れる。



あぐらかきながら、畳に額を押し付け大きく会釈をする坂本。


織田信長の登場である。



中央の上座に座り坂本を暫く見つめる。



「面をあげよ」

「はっ」

「こんな早く何の用じゃ」

「上様においてはご機嫌麗しく恐悦至極に存じ上げます」

「うむ」



坂本は目を合わさぬように信長に答えた。



「少しばかりじゃじゃ馬と話がしたく参内(さんだい)いたしました」

「うむ。蘭丸、じゃじゃ馬をここに呼ぶのじゃ」

「はっ!」


蘭丸は会釈をし、ゆいかの下に向かった。



「坂本よ、近うよれ」

「はっ!」



腕だけ動かし1歩前に出た。



信長は腕を振った。


「もっと近う」



更に2、3歩詰め寄る。


「おぬしの助言のおかげで、勝頼(武田)を撃退する事が出来たが、何故長篠に現れるとわかったのじゃ?それがずっと余の頭から消えなくてのぅ」

「それは...」



歴史を知ってるから...。



そう言いたかったが、むろん言えるわけもない。


坂本がこの時代で生き抜くには幕末同様この知識を活かすしかなかった。



そう考えてると廊下からドタバタと足音が聞こえてくる。



そして襖を勢い良く開きゆいかが入ってくる。



「やっぱりもっさんか」

「おい!!上様の御前だぞ!」



信長は不敵に笑った。



「ふっ構わぬ」


ゆいかもニコリと笑い返す。


「ほらぁさすが信長様」



坂本は信長の気性を熟知していた。



いつゆいかが信長の逆鱗に触れるかわからなく心配であった。



「おい!大人しく俺の横に座れってば」

「はいはーい」



信長は大声をあげ笑った。



「くるしゅうない、じゃじゃ馬らしいではないか」

「申し訳ございませぬ」

「ところで坂本よ、余はこれから三河殿(徳川家康)に合い、その後毛利攻めに、向かわなければならぬのだがおぬしも着いて参れ」

「その事もあって今日は参内しました」




信長は鋭い目線で坂本の目をじっと見つめた。



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