見えない刃
日常的な何気ない会話で
人は人を傷付けることが出来る
その人の辛くて悲しい記憶を
喚起するだけの状況と言葉と
その2つだけがあれば十分に
悪意も害意も意図も要らない
状況が揃えば言葉も要らない
トリガーだけがあれば十分に
それはちょっとしたすれ違い
月が巡るたび訪れる鈍い痛み
些細だからこそ歯止めしよう
その傷がより広がらないよう
傷つけた事実を受け止めよう
意図の有無なんて関係がない
何気ない事で傷つけはしても
さり気なく癒えはしないから
頭を下げて「ごめんなさい」
その気持ちだけはせめて十分に