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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part1-出会い
8/215

その2-03

* * *



 ぼんやりと目を開けた先の天井が見慣れなくて、アイラはその天井を見上げたまま、パタパタと瞬きを繰り返した。


 サッと横を向くと、全く見知らぬ部屋にアイラがいて、おまけに、記憶にないベッドに自分が寝ているのである。

 服を確かめてみても、制服を着たままであるので、また貧血で倒れたのは間違いなかったが、それでも、今いる場所が全くの未知の場所だけに、アイラは気だるげに起き上がり出した。


 部屋の内装も全く見知っていないものばかりだ。特別、物が置いてあるようにも見えなくて、ただ、家具が揃っている感じの室内は、ゲストルームなのだろうか?


 ドアの向こうで、微かにだが人の話し声がする。


 アイラはベッドの掛けを外し、そのままベッドから降りて立ち上がった。


「げぇ、最悪……、今日。もう、やだぁ……――」


 視界がふらつくのはアイラの気のせいではないだろう。

 ここしばらくの寝不足に続いて、最悪の生理が重なって、おまけに、ヤスキがコキ使うだけコキ使うものだから、ストレスが生理に重なったのは疑いようもなかった。


「ヤスキめ、覚えてろ。絶対に、倍額払わせてやるんだから」


 まずは、一体、ここがどこなのか、なぜアイラが見知らぬ場所にいるのかを確認しなくてはいけない。ブレザーがないので、携帯でヤスキに連絡することもできない。


 仕方なく、アイラはそのドアを開けて部屋の向こうに歩き出した。

 話し声が聞こえる方に足を進めていくと、すぐに居間らしき場所が開けて見えて、アイラはそこに真っ直ぐに進んで行った。


 アイラの気配を感じて、そこで一瞬、話し声がピタッと途絶えた。


 無表情に居間に進んでくるアイラの前に、まだ制服を着ている少年――青年――どっちでも構わないのだが――が数人その場にいたのだった。


 キッチンのカウンターに二人が座っていて、その前にノートらしきものが広げられている。少し視線を動かしたそっちでは、また二人がソファーに座っていた。そして、その前のテーブルの上にもノートらしきものが広げられている。


 アイラは口を開かず、その光景を黙って観察していた。

 その場の四人もアイラを見返している。


「―――あんた、大丈夫なの?」


 ソファーに座っている、かわいらしい少年がじぃっとその瞳でアイラを凝視しているようだった。


 アイラはその少年の方に少しだけ向いたが、アイラもまたじぃっとその少年を観察している。


 シーン、と沈黙だけが降りていた。


 その沈黙に、じぃっとアイラを凝視している瞳が、ちらっとだけ横に移された。

 その視線の先の少年――青年の方が正しいだろうが――がアイラを見返しながら、スッと立ち上がった。



読んでいただきありがとうございました。

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