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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part1-出会い
7/215

その2-02

* * *



 リリン、と携帯が鳴って、廉は座っていたソファーから立ち上がって、キッチンのカウンターの上の携帯を取り上げた。

 スクリーンの表示は龍ちゃんからで、廉は携帯電話の蓋をパカッと開けた。


「廉です」

「廉? 今、どこにいるんだ? 午後からいなくなっただろ? またサボったのか?」


 またと言われるほどサボった記憶はないのだが、そこら辺を指摘はしないで、廉は少しだけ奥の部屋に視線を向けていた。


「家に戻って来てるんだ」

「家? なんで? 具合悪いのか? 昼からずっといなかっただろ? 廉の荷物だってまだあるのに。それで、電話したんだ」

「そうか。荷物は――仕方ないかな。ちょっと用事ができて」

「用事?なんの? 授業サボるほどの用事? それで、今は家なのか? なんで?」


 止まりをみせない質問攻撃に、くすっと、つい廉も笑ってしまって、


「龍ちゃん、質問ばかりで、答える暇がないんだけど」

「え? ――あっ、ごめん。なんで、今、家なの?」

「ちょっと用事があってね」

「だったら、荷物どうする? カバンごと教室に置いておくわけにもいかないだろ?」

「そうだね。でも、ロッカーの中にでも入れておいてくれればいいんだ」


「でも、宿題どうするんだ? 明日の用意だってできないだろ? なんだったら、俺が持って帰ってやるよ」

「ああ、それは面倒だからいいよ」

「いいって、いいって。それに、英語の問題で教えてもらいたいのもあるしさ。一石二鳥、ってね。授業終わったから、今から廉の家に寄ってもいいかな?」


「どうぞ」

「だったら、カバンも一緒に持ってくな。――ああ、大曽根と井柳院も一緒にくるってさ。暇だから」

「まあ、誰でも大歓迎だよ」


 諦めたように言われた言葉だったが、まったくひるむ様子もなく、電話の向こうの龍之介は元気に返事を返す。


「じゃあな。もう学校出てるから、そんなにかからないと思うんだ」

「それじゃあ、待ってるよ」


 午後の授業はサボってしまったが、どうやら、放課後は勉強会、になるようだった。



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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
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奮闘記などと呼ばない(18歳以上)
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