その9-06
1月28日はレゴの日!Happy National Lego Day!
レゴのブロックのように、積み上げていけば簡単にパズルが解けたらどんなに簡単なことでしょう。
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「彼氏の前で他の男に犯られる気分はどうよ。こんなトコでイチャついてんだから、みんなに見せたいんだろ?」
「そうそう。さっさと見せろよ。彼氏の前で泣き叫べよな」
「抵抗しない女は、オモシロクねー」
アイラの頭元の男が腕を伸ばして、ベストの上からアイラの胸を鷲掴みにした。
ヒュ~――と、その胸を掴み上げて、男が口笛を鳴らしてみせる。
キッ、とアイラが最高潮の嫌悪を見せてその男を睨み付け、手の平に握り締めるようにして掘り取った土をバッと投げ捨てた。
「――うあっ――!なんだよ――」
後ろの男の顔を直撃したようで顔を背けた瞬間に緩んだ腕の隙を取って、アイラは片方の肩を外し――たかと思うと、その腕を振り上げて反対側に見える男の顔をパンチした。
「いてっ――!」
「お前っ、動くんじゃねーよっ!」
アイラの足に乗ってる男が驚いて、咄嗟にその腕を振り上げてアイラに殴りかかってきた。
「…いっ――!」
「そこまでだっ!警察だ。動くなっ!」
咄嗟に片腕で庇ったアイラの耳元に、突然、反対方向から叫び声と眩しい光が飛び込んできて、その場にバタバタと激しい駆け足が近づいてきた。
男達は、一瞬、何が起こったのか理解できなかったが、すぐに駆け足のする方を見返して、バッと立ち上がった。
「トンズラするぞっ――!」
アイラの足に乗っていた男が一番に立ち上がり、即座に駆け出し始めた――その足を、アイラが思いっきり蹴り飛ばす。
「…うわっ――!!」
足を引っ掛けられて、立ち上がった勢いのままその男が前にスッ転んでいった。
「警察だっ!全員、動くなっ!」
佐々木の叫び声が周囲に響き渡り、バタバタと駆け寄ってきた数人が勢いも止めずにそこの男達を地面に押し付けて行った。
「動くなっ!」
「離せよっ――」
抵抗する男達を後ろから羽交い絞めするようにして制服を着た警官達が、男達を地面に抑え込んで行く。手錠がすぐに掛けられ、まだ暴れている男達の頭下で、現行犯がどうの――と刑事が男達に叫んでいる。
アイラはその光景を見返しながらゆっくりと立ち上がって行った。
「Isla」
名前を呼ばれてアイラは顔だけを横に向けた。
廉が静かにアイラの前に歩いてきて、その腕をスッと伸ばした。そして、ゆっくりとアイラを少しだけ抱きしめていくようにする。
『大丈夫?』
『虫唾が走るわ。あんなクソ共に触らせなくちゃいけないなんて。ああっ、無性に腹が立つ』
いきり立った勢いでアイラがそれを忌々しげに吐き捨てる。
だが、廉の腕の中にいるアイラは廉に少し寄りかかって、その腕から離れる様子もなかった。
『そっちこそ、大丈夫なの?』
『仕方がないね』
『悪いわね』
『うん、でも、まあ、これは君のせいでもないから。俺も参加するって言った手前、ある程度のことは予想していたし』
アイラは少しだけ身を起こすようにして、廉の腕に自分の手を置くようにした。ナイフで切られた場所が、まだ血で染まっている。
『病院だわ』
『ああ、そうだね。君もすりむいたんだろう?地面に押し飛ばされた時』
『それも、仕方がないわね』
「アイラちゃん、大丈夫」
二人のすぐ傍に、佐々木が寄ってきた。どうやら、あのバカ共を逮捕して、連絡を受けてか――待ち伏せしていたのか、他の刑事と一緒にあのバカ共のすぐ横で援助が来るまで見張っているようである。
「アイラちゃん、大丈夫?―――顔にちょっと傷が――」
佐々木の方を振り向いたアイラの額にちょっとだけ血がこびりついているので、驚いた佐々木が腕をアイラの方に伸ばしてきた。
―――パチン、と廉がその手を軽く払いのける。
「随分、遅い登場のようで」
佐々木は廉の顔を見返して、ギュッと唇を少しだけ噛む。
「これ以上の被害でも期待していたんですか? 一般人を巻き込んで、随分なことをする」
「傷害罪だけじゃ大した罪にもならないものね。ギリギリまで待って、罪の2~3個増やすの待ってたんでしょう?」
アイラにも冷たくそれを指摘されて、佐々木は浮かなく曇り顔をみせる。
「――アイラちゃんに、危険な目に会わせるつもりはなかったんだ――」
「でも、現に病院行きですね」
「こっちの彼氏役も、ね」
佐々木の顔が更に曇っていき、済まなそうにその肩がしょぼくれていく。
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