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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part1-出会い
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その9-05

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少々、このエピソードから残酷な表現が出てきます。苦手な方などはこのエピソードを飛ばしてください

 それでも、廉が言うとおり、アイラと廉の間にはちゃんと少し間があった。腕をアイラの肩と腰に回して、一見、抱きしめているようには見えるが、無理矢理、体を押し付けていることもなく、あちこち触りまくることもない。


 アイラは腕を上げて、軽く廉の肩に乗せながら、少しその顔を廉の顔の方に寄せるようにした。

 それで、廉も少し自分の顔をアイラの顔の方に寄せるようにする。


「いつまでここに立っていないといけないんだ?」

「さあね。5~10分程度で終わらせるような男を相手にするから、公園でなんかイチャつくのよ」

「俺は、人前で見せびらかせるような男じゃないから」

「そんなの知らないわよ。私は5~10分程度の男は相手にしないの」

「それも知らないことなのに断言するんだな――」


「仲がいいことでぇ」

「いつまでイチャついてんだよ。早く終わらせないのかよぉ」


 突然、アイラと廉の後ろから声がかかって、ハッと身構えたアイラがいきなり後ろに無理矢理引っ張り上げられた。


「―――!」

「おっと、動くなよ」


 アイラに手を伸ばしかけた廉の横で、ナイフがグッと横腹に押し付けられた。


 無理矢理、後ろに引っ張られた反動で、アイラがドシンっとしりもちをつく。

 一瞬、顔をしかめたアイラはすぐに起き上がりかけたが、男――二人組みが即座にアイラの肩を押さえつけ、地面にまた無理矢理押し付けられた。


 その反動で、男の膝がアイラの顔をこすっていく。


「――っ――!」


 一瞬、顔をそむけたアイラの元に、三人目が跨ってきて、ドカッとアイラの足に押し乗ってきた。


 それを見た廉が横の男を素早く払いのけた。


 うあっ――と横に吹っ飛ばされた男を見て、スチャッとアイラの顔にナイフが押し当てられた。


「動くなよ。この女がどうなってもいいのか?」


 ピタッと、廉の動きが止まる。アイラの元に三人、廉が払いのけた男が一人、全員で四人だ。


「――いってーな……。――くそっ! ふざけんなよ」


 廉に飛ばされた男が起き上がって、怒気も露にそこに立っている廉を蹴り上げる。


 咄嗟に半分庇った廉だったが、蹴られた反動で前に膝をついていた。


「お前、ふざけんなよっ」


 シュッ――と持っていたナイフが振り回され、腕で庇った廉の腕がスッパリと切れてしまう。


「…っ――!」


 切れた裂け目が深く、すぐにその周囲が血で染まり出していた。


「やめなさいよ」


 それで、男達の注意が反れたらしく、全員の視線がアイラに向けられた。


 キッ、と自分の上に跨っている男を睨みつけているアイラの顔を見て、上の男がにぃっと嫌らしく口を上げてみせた。


「へえ、随分、気ぃ強いじゃん。それも、どこまで続くかなぁ。大暴れして、叫ばないのかよ」


 へっへっ、と周りの男達がわざとらしく笑っている。


 スッと廉に向けた視線の先で、帽子を深く被った男がまだ廉にそのナイフの刃先を突きつけていた。


「助けを呼んだって、無駄だぜぃ。こんなトコに助けにくる奴なんているかよ」

「そうそう。大暴れして、「助けてぇ」って叫ばないのかよ」

「全然、動かないぜ、この女」


 つまらねえ、とふざけたことを言って、ヒタヒタとナイフの先でアイラの頬を叩いてみせる。


「おい、記念写真はどうしたんだよ」

「そうそう」


 こんな馬鹿げたことをしでかしているのに、アイラを押さえつけている男達は、全く戸惑う様子もなく、恐怖心もなく、自分達のゲームをまさに楽しんでいる顔つきである。


 アイラの頭元にいある男が自分のポケットから携帯を取り出して、その嫌らしくにやけた顔で携帯のカメラの場所を決め出した。


「ほら、にーっこり笑えよ。ハイ、チーズ――ってな」


 それと同時に、パシャ――と閃光が光って、アイラの頭元でカメラのシャッターが切られていた。


「だったら、そこにはいつくばってる男もなぁ」


 すぐに、またその男が膝をついている廉の方に携帯のカメラを向けて、パシャ――と次の一枚を撮っていた。


「知ってるか? これ、コレクションに出して、競走してるんだぜ。危ないのもインターネットで高く売れるしな」

「そうそう。泣きわめいて、大騒ぎすれよ。真っ裸になったところも、俺がちゃーんとキレイに写してやるからよ」


 くつくつと、男達が粋がって嫌らしい笑いを上げている。


 アイラの足に乗っている男が手を伸ばし、乱暴にアイラの着ているブレザーを押し開けた。ブチっ――とその反動で、簡単に上二つのボタンがはじけ飛んで行った。



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