その8-03
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「お願い…もう――我慢、できなくて……」
「まあ、そうだろうけど。ゆっくり使えばあと1週間は持っただろうに、そこの彼氏と二人で派手にやったんだろ?そりゃあなくなるのが早いよな」
「ねえ――お願い……」
バッ、と制服のポケットからアイラが自分の財布を取り上げて、中から数枚のお金を取り出した。それを目の前の生徒に押し付けるようにして、
「これ、お金。だから、早く――」
男子生徒はアイラが押し付けてきたお金を取り上げて、それを一枚ずつ数え出す。
「そっちは?」
それで、廉も慌てて自分の財布を出し、中に入ってる1万円札と何千円かを生徒に手渡すようにした。
「1万4千円か。まあ、仕方ないな、今回は」
男子生徒がまたサッと周囲を確認し、それから満足したように頷いて、自分のブレザーの内ポケットから小さなビニール袋を取り出した。
アイラがガバッとその袋に飛びついていく。
「おっと。そんな焦るなよ」
男子生徒がからかうようにその袋をアイラから遠ざけるようにした。それで、嫌味そうな嫌な笑みを浮かべていき、
「今回は仕方ないから、これだけで譲ってやるんだぜ。次は、しっかり払ってもらうからな」
「わかってる……」
「それに――俺にも少しはサービスしたらどうなんだよ?」
「サービス?」
「そうそう。彼氏とヨロシクやってんだろ? だったら、俺にもやってくれよ」
「そんなっ――」
「ダメだよ……」
まだ周囲を警戒したように伺っている廉が、少しだけアイラを自分の方に引っ張るようにした。
「なんだよ、それくらい。これが欲しくないのかよ」
「でも、そんなの……ひどいっ……――」
今にも泣き出しそうな顔をしてアイラは、ぎゅうっと廉の袖を強く握り締めた。
「お金……返して、ください……。――やっぱり、やめよう……」
「でも……――」
「だって――」
二人揃って途方に暮れたような顔をして、それからどうしていいのか判らないのである。
それを見ていた男子生徒が、くつくつと肩を少し揺らし出した。
「青春してるなぁ。それでも、他の奴に知られるのは嫌なんだろ?たてまえもあるもんな。この学校にいるんだったら、品行方正じゃないとダメだしな。――ほれよ」
ぽいっと、男子生徒が無造作にその袋を投げて寄越し、ぽとっと地面に落ちた袋を、アイラが大慌てて取り上げていた。
「次はきっちり払ってもらうからな。あんまり長く固まってたら怪しまれるしな。――それより、あんた、いい仕事があるぜ」
「仕事……?」
袋を握り締めて安心しているアイラの背に男子生徒が声をかけた。
「ああ。仕事するなら、もっと簡単にオクスリが手に入るぜ」
「本当?」
「ああ。俺の知り合いに言ったら、簡単に譲ってくれるだろうさ。あんたの――体も、悪くないだろ?」
そう言った男子生徒の目が嫌らしく上から下へと動いていく。
「その気になったら、いつでも話に乗るぜ。――こんなとこで、吸い込むなよ。見つかったら取り引きがオジャンだ」
「わかってる……」
男子生徒はアイラが頷くのを見て、またきょろきょろと周囲を伺って、すぐに足早に歩き去りだしていた。
タタッ、と向こうの方で駆け足に変わっていく足音が聞こえる。
読んでいただきありがとうございました。
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やっぱり やらねば(続) https://novel18.syosetu.com/n7288hj/ (18歳以上)
別作品で、異世界転生物語も書いています。どうぞよろしくお願いいたします。
奮闘記などと呼ばない https://novel18.syosetu.com/n6082hj/




