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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part1-出会い
34/215

その6-05

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今日は成人の日だったんですね。SNSのポストなどで読んで知りました。遅くなりましたが、新成人の皆さん、おめでとうございます!


Congratulations for today and Best wishes for all your tomorrows!

「そんなに急がなくても時間は十分にあるんだけどね。でも、遠回しも嫌だろうから本題に入ろうか。青森のどこから転校してきたの?」

「公立高校」

「そうだってね。でも、おかしいよな。“柴岬藍羅”っていう生徒の登録なんか、残ってないんだけど」

「へえ、そう」

「そう。青森のどこに住んでたの?」

「青森市」

「なるほど。“柴岬藍羅”って本名?」

「さあ」

「ふうん。だったら、この登録されてる住所は自宅なのかな?」


 アイラの口元が薄っすらと上がっているだけで、それには答えない。


「おかしいなぁ。そう思わないか? どうして鈴鹿署の住所が自宅になってるんだろう?おかしいよね」

「随分、手際よく調べ上げたようで。それもこんな短期間で」

「まあ、それくらいはお手のものでして。君は何者かな? どうして、この学園に来ているんだ? ――龍ちゃんのように話をそらそうとしても、ダメだよ。俺達には通用しないだろうから」


 にこやかなくせに、念を押すことは忘れていないらしい。


「別に、話はそらしはしませんけど」

「でも、話をする気もないんだ。困ったね。大騒ぎして欲しい?」

「さあ」


「ふーむ、君はなかなか手強いね」

「攻撃する駒が揃ってないんでしょう?弱味でもないから、質問続けるだけ無駄よ」

「そうだね。だったら、興味で聞くけど、ここで何をしてるんだ?問題になるようなら、俺も黙ってはいないんだけど」


「退学させる? 何を根拠に?」

「何でもいいだろう、この場合。俺は生徒会長だしね」

「そうね。学園を仕切る生徒会長さまだから、さぞ、信頼も高いでしょうね」

「そうだね。どうする?君を見張らせてもいいんだよ」


 脅迫まがいのことをあっさりと口にしていながら、大曽根は全く悪気ない顔をしている。


「君に撒けるかな?」


 アイラは腕を組んだまま少し考える様子をみせた。


「私にお茶のサービスはないわけ?」


 つらっと催促されて、大曽根の瞳が細められた。


「それは、失礼。俺としたことが、女性にお茶も勧めないとはね」


 スッと椅子から立ち上がった大曽根は、後ろの棚に歩いていって、そこで紅茶のポットにお湯を入れながら、棚から紅茶のカップとソーサーを取り出していく。


 それを両手で簡単に持ってきて、アイラの前のテーブルに置くようにした。


「どうぞ。お茶も出さないとは、失礼しましたね。これで、のんびり話ができそうだ」


 アイラは口元を微かに歪めて、勝手に紅茶のポットから紅茶をカップに注いでいく。


 そして、優雅にそれを口に持っていき、

「今日は寒いわ」

「冬だからね。クリスマスも近いし、これから寒くなるだろう」

「そう」

「それで?」

「なにが?」

「お茶をサービスしただろう? その分は、説明程度はしてもらわないとね」

「そうねぇ。――でも、胡散臭いし、信用できないし、裏でなにしてるか判らないし。だから、無理ね」


 紅茶をすすりながら、簡潔にそれを締めくくられ、アイラがにこっと笑う。



読んでいただきありがとうございました。



大人になってもはちゃめちゃ恋愛(?)の続編もあります。そちらの方もよければ観覧してみてくださいね。

やっぱり やらねば(続) https://novel18.syosetu.com/n7288hj/ (18歳以上)


別作品で、異世界転生物語も書いています。どうぞよろしくお願いいたします。

奮闘記などと呼ばない https://novel18.syosetu.com/n6082hj/

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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
やっぱりやらねば(続)(18歳以上)

別作品で、“王道”外れた異世界転生物語も、どうぞよろしくお願いいたします。
奮闘記などと呼ばない(18歳以上)
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