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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part1-出会い
26/215

その5-03

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 廉はその龍之介に少し笑ってみせて、

「複雑な問題じゃないんだ。だから、そこまで困ることでもないんだよ」


 簡単に締めくくられても、全く理解の域を超えている龍之介にはさっぱり意味が判らない。


「それより、先に朝食食べようか? それとも、あの女の子が戻ってくるまで待ってる?」

「え? ――俺は、どっちでもいいけど。シャワー――だったら……、すぐだろうから、待ってる、かな」


 そうか、と廉は手早く自分のコーヒーを入れて、龍之介用のオレンジジュースも持ってきて、カウンターの上に置くようにした。

 どうも、と礼を言った龍之介はそのグラスに手を伸ばして、そこで、少しそのオレンジジュースを見ながら何かを少し考え込んでいく。


「オレンジジュースが一大事的な問題だったとは知らなかったな」

「え?」


 じぃっとオレンジジュースを睨むように凝視していた龍之介が、パッと顔を上げた。


「そういうんじゃ……ないんだけど……」

「けど?」


 カウンターの椅子に優雅に座っている廉は自分のコーヒーに口をつけていく。

 廉はいつもブラックでコーヒーを飲む。特別、苦そうにもしてなくて、自然にコーヒーを飲んでいる様子が、なんとなく大人っぽくて、龍之介は、その様子を羨ましげに眺めながら、自分のオレンジジュースを口に持っていった。


「いや……ちょっと……。――さっきの柴岬が……すごい、な……って」

「そうだね。あの体はサギだ」


 ボッ、と龍之介の顔が真っ赤に染まってしまった。


 いきなり居間にやってきたアイラに超絶驚いていた龍之介の前で、素足の上に短いスカートを履いて、その上は体にピッタリとしたスーツを着ていた。


 短いジャケットだったのか、それでもその中に何かを着ているのか着ていないのかは見えなかったが、制服では見慣れない――細身なのに、すごい胸が大きくて、そうかと思えば、その腰がやけに細く、おまけに足も長くて――それで、あんな日本人もいるんだ――と感心しているのと同時に、どこに目をやってよいのか、目の毒――だったような感じだったのだ。


 化粧をしていたあの顔は、くっきりと顔の輪郭を映していて、どう見ても高校生には見えなくて、かわいいかもな――との最初の印象と反して、なんだか毒気のある美人を見てしまった気分になってしまっていた。


「いや……そういう……意味で、言ったんじゃなくて――ただ、化粧してて、すごくて……。――なんか、すごいな、って思って……」


 まだ顔を赤らめて、しどろもどろにそう言い訳をする龍之介に、くすくすと廉が笑い出してしまった。


「龍ちゃんは、かわいいな」


 ボッ、とまた龍之介の顔が染まるが、極力、平静を装ってみせて、

「そんな、こと、ないんだ。ただ――すごいな、って思っただけで」


 そこで、また居間に近づいてくる気配に気付いて、龍之介がパッと口を閉ざす。


 さっきから、音もなく、ただ気配だけがヒタヒタと近寄ってきて、照れている龍之介だったが、妙な違和感を多少なりとも感じ出していた龍之介でもあった。



読んでいただきありがとうございました。



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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
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