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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part1-出会い
24/215

その5-01

Wishing you a very Happy New Year!!

May your year be filled with happiness and laughter.


(pq´ω`*)[・゜:* ヨロシクお願いします:*;゜:](*´Д`pq)

「さーて、今日も一日元気だぞー」


 タタッ、と足並みも軽く、軽快なステップで通りを駆け抜けていく龍之介は今日も元気だ。肩にバッグをかけて、手持ちの袋もぶらさげながら、その足が真っ直ぐに駆け抜けて行く。


 土曜の朝は、いつものことながら、廉の家にお邪魔させてもらっている。


 試験間近の大事な時期であるから、どこにいても勉強にせまられている龍之介だったが、それでも、一人暮らしの廉の好意に授かって、土曜はいつもわずらわされることのない廉の家を訪ねていた。家で勉強をしても良かったのだが、龍之介の実家――が少々問題で、土曜の朝もうるさく言われるのを避ける為に、龍之介は廉と知り合いになってから、ほぼ毎週、廉のマンションを訪れていた。


「おっはよう!」

「ああ、龍ちゃん。お早う。上がってきていいよ」


 インターホンで元気に挨拶を済ます龍之介に廉は笑っているようだった。向こうでドアのロックが外される音がしたので、早速、龍之介は廉の部屋へと進んで行く。

 エレベーターを降りて、家の前のドアベルを鳴らすと、すぐに中からドアが開いて、廉が顔を出した。


「おっはようさん。今日もよろしく!」

「龍ちゃんはいつものことながら元気だ」


 半ば感心しながら、廉が龍之介を中に入れていく。

 それで、お邪魔しまーす、と軽快に中に入って行き、靴を脱いで、そのまま真っ直ぐに居間に向かい出した。


 だが、その歩調が少しだけ止まって、龍之介のくりくりとした瞳がまた玄関に戻された。


「え?――もしかして、誰かいるの?」


 見たこともない女性もののパンプスが玄関に並べられていて、龍之介はそれを聞き返しながら、驚いたように目をくりくりとさせていた。


「だったら――俺、帰るよ。邪魔しちゃ悪いから」

「ああ、気にしなくていいよ」

「でも――」

「大丈夫だよ。本人も気にしないだろうから」


 なんだか訳の判らない呟きだったが、廉がさっさと居間に戻って行くので、龍之介はどうしようか躊躇したが、一応、廉の後について居間に入って行った。


 ちらっと中を見渡した龍之介の前で、予想されたような女性が見当たらない。


「龍ちゃんが想像しているようなことじゃないよ」


 なんだかおかしそうに廉が笑っていた。


「そんな――ことは、ないけどさ……」


 バツが悪そうに照れてみせる龍之介は、手に持っていた袋をかかげてみせるようにした。


「これ、朝ご飯。朝早くからお邪魔してるから」

「ああ、いつも悪いね。それ、この間のパン屋さん?」

「そう。おいしい所だから」

「そうだね。毎回、悪いね」


 ううん、と首を振る龍之介から袋を受け取って、廉はゴソゴソと中の包みを取り出した。


 スタスタ――と音はないが、気配だけが近づいて、龍之介は咄嗟にその気配の方を振り返っていた。振り返って――ポカンとしたように口を大きく開けて、その場で唖然としてしまっていた。



読んでいただきありがとうございました。

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