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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part3-アメリカ編
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その2-01

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 クリスマスイブと、クリスマスの予定はしっかりと入っているので、サンフランシスコでの数日は、全員でのんびりと、サンフランシスコの街中散策にすることにした。


 それでも、やはり、観光名所は、一度くらいは訪ねておいておきたいので、二日目は、一応、近場の観光所巡りをした。


 体力温存の為、三日目は、また、街中をぼちぼちと回り、記念写真を撮り、有名なケーブルカーにも乗った。


「アル・カポネが入ってた刑務所なんだぁ。一応、孤島、ってことになるのかな」

「そうね」


「でも、囚人の扱いも、読んでてすごかったし……。おまけに、エスケープしようとした歴史も、すごいなぁ……。あの時代で、すごい無理するんだもなぁ……」


 歴史的にも有名な観光地ではあるが、建物内を回り、説明を読んで(もらって)いくと、様々な歴史が出て来て、龍之介も感心しているのか、顔が引きつっているのか、どちらとも言えない……。


 それに、アメリカでは有名な犯罪人がかなりあの刑務所に送られてきたようで、そのほとんどの名前は、龍之介も知らなかったが、罪状が……怖いものばかりだった。


 観光スポットなんだけれど、なんだか、観光し終えて、歴史の重みに、少々、顔をしかめてしまったのは、この場所が初めてではないだろうか。


 その後は、Fisherman's Wharfフィッシャーマンズワーフ周辺をのんびり回り、ストリートフードもなども摘まみ、近くのストリートアートなどでもエンジョイしたものだ。


 そして、いよいよ、クリスマスイブ。

 朝早くから準備万端の三人は飛行機に乗り、ロサンゼルスにやって来ていた。


 直行で、〇ズニーランドに向かい、ホテルのチェックインは昼過ぎからなので、スーツケースを預かってもらい、いざ、〇ズニーランドへ!


 朝一番だったので、ゲートが開くと同時に、三人は〇ズニーランドの敷地内に入ることができたのだ。


 それでも、かなりのお客が並び始めていた。


「おおぉっ! 本場の〇ズニーランドっ! すごいっ!!」


 入り口を少し進んだだけなのに、龍之介は感動して叫んでいる。


「よしっ。混雑する前に、ここで、三人で写真撮りましょう」


 そして、大乗り気のアイラも機嫌が最高潮にいい。


 通り過ぎのお客に写真を頼み、最初の記念写真も問題なし。


「ねえね、どこから回る? イベントとかも、ちゃんとチェックしておきたいわよね」

「そうだよな。特に、今日はクリスマスイブだから、きっと、イベントとかも派手だと思うんだ」

「そうよねぇ」


 アイラと龍之介の二人はノリノリで、パークのマップを確認し出す。


「あっ、やっぱり、今夜はナイトショーあるわよ、龍ちゃん!」

「あるのか? ナイトショーって、パレードのことか?」


「違うわよ。ここのナイトショーは、レーザービームの光線が飛び交って、花火が上がったり、盛大な光のショーよ」

「そうなのか? それも、楽しそうだなぁ……!」


 迫力がありそうな響きではないか。


 あれ? と、廉が少し首を傾げてみせた。


「確か――その手のショーは、予約券がいるはずだったような」

「いるの?」


 それで、廉もマップの説明書をしっかりと確認してみる。


「スタンダード席と、プレミア席があるから、やっぱり、チケットがいるようだ」

「それなら、あそこの――キオスクあるじゃない。あそこで聞いて、さっさと予約しましょうよ」


「今夜はクリスマスイブだから、俺は、プレミア席がいいなっ!」


 こんな特別な日に、出費の出し惜しみなんかしていられない。


 日本の〇ズニーランドも、タダ席もあれば、お金を払って特別席もある。


 龍之介が遊びに行った時は、道端で並んで、タダで見られるパレードしか参加していない。

 わざわざ、特別席にお金を払うのかなぁ、と思ってしまったからだ。


 パークで遊べるチケット代に、食事代、スナック代だって、結構なものだ。1日中いた場合、うん万円は軽くすっ飛んでしまった。

 だから、あの時は、特別席のチケットは買わなかったのだ。


 でも、今回は、派手に遊ぶ為にアメリカにやって来たのだから、クリスマスイブのイベントに、一々、ケチってなどいられない。


「当然じゃない」


 わざわざ、混雑したスタンダード席で、人込みに埋もれて、楽しいショーも観覧できなかったら、せっかく本場の〇ニーランドにやって来ているのに、本末転倒だ。


 それで、遊ぶ前に、キオスクで、今夜のナイトショーのチケット予約も完了し、いざ、アトラクションへ!


「World of Color が始まるのが夜の9時半だから、パークの方の花火は見逃しちゃうけど、その後の10時45分から、Electrical Parade があるわ。ナイトショーが終わった後に、ちょっと急げば、パレードも見れるかもよ、龍ちゃん」


「そうなのか? それは、すごいな」

「でも、ものすごい人込みで、通りが行列でごった返しているわね、きっと」


「いや、それはいいんだ。〇ニーランドだから、それは仕方がないよな」


 今夜のホテルは敷地内。

 多少、遅くなっても、すぐにホテルに到着できる。


 帰りの電車やバスなどを気にしなくて済むので、最終のパレードを見に行くのも面白うそうだ。


「今日は、ナイトショーに合わせて、アドベンチャー・パークの方にしましょうよ」

「二つに分かれてるんだなぁ……」


 マップを見ながら、敷地内にパークが二つあって、龍之介も感心してしまう。


 最初の2~3個の乗り物は、まだ時間が早くて、左程、並ばなくて済んだものだ。


 通りすがりのスタンドで、顔ほどもある巨大なパンを買ってみて、三人でシェアをした。


 もちろん、本場のチュロスだって買い込んだ。

 日本でも食べたことはあっても、やはり、アメリカ版だって試食してみたいのだ。


 今日は天気が良かったし、冬物のコートを着て歩いているけど、日差しが温かいので、コートはあまり必要なかった。


 夜は冷え込むらしいから、今は、全員が仕方なくコートを羽織っている。


 アイラと龍之介が隣同士で座ったり、アイラと廉が次に、その次は、廉と龍之介で交代して、それぞれに、アトラクションを満喫する。


「ああ、夜は、やっぱり、少し冷え込んでくるわよね」


 大きな湖ごとき池の前にある埠頭で、しっかりと、ショーの前に陣取っている三人は、ベンチに座っている。


 だが、昼間の温かさが抜けると、やはり、真冬。夜は冷え込みが早くなっていた。


 アイラは両腕で龍之介と廉の腕を組んで、ピッタリとくっつかせている二人の両脇から、少しだけ暖を取っている。


 アイラのコートのポケットには、龍之介に頼んで持ってきてもらっている、日本の優れた発明品、ホッカイロが入っているのだ。



「真冬だから、念の為、あれ買ってきてね~」



とは頼まれたけど、龍之介の方も、もし、寒い場所に行くことになったら、ホッカイロは役立つだろうなと、今回は1パック買い込んできたのだ。


 洋服に貼れるものを買ってきたのに、アイラはそれをコートのポケットに突っ込んでいる。

 腰回りと太腿当たりの、そのヌクヌクさがいいらしい。


 今日は、一日中歩き回って、一日中、買い食いしたり、食べ歩きしたものだ。


 もう、どこでお腹が空いたのか、空いていないのか分からないほどで、それでも、毎回、次のスナックなどを買い込む度に、しっかり食べ終えているアイラと龍之介だった。


 今だって、ナイトショーを待っている間用に、アイラはマカロンを、龍之介はポップコーンを買い込んできている。



読んでいただきありがとうございました。

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Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)

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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
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