その1-04
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「あれ? ロスって――ロサンゼルスのことか?」
「そうよ」
「ロスに、〇ズニーランドと〇バーサルスタジオがあるんだな」
「そうね。日本にもあるじゃない」
「いや、あるけどさ。それでも、本場の〇ズニーランドとか、〇バーサルスタジオだって、迫力が違うだろ?」
「そうかしら? アトラクションがちょっと違うだけで、そんなに違いはないんじゃないの?」
「いや、そんなことないと思うぜ。本場ものだぜ、アメリカ版は」
なんだか、龍之介も、この話題にかなり興味が引かれだしていた。
テーマパークや遊園地は、日本にもたくさんある。
龍之介だって、〇ズニーランドには行ったことがある。
でも、やはり、アメリカ版の〇ズニーランドだって、どんなものか、ちょっとは興味が沸いて来るではないか。
同じアトラクションや、イベントがあったとしても、こちらは英語版。
それだけで、龍之介は外国に来ている実感がして、きっと、すごく楽しめることだろう。
「あぁ、なんか、その案いいなぁ。ちょっと、気になるなぁ」
「まあ、NYとロスの飛行機の値段と、ホテルが空いているか確認してみてからね。でも、ロスにはケードがいるのよねえ。せっかく、ホリデーで遊びに来てるのに、ケードに鉢合わせはしたくないわ」
ガブリエルの結婚式で、ついこの間、会ったばかりではないか。
「ケード、さん?」
「そうよ。ロスに住んでいるの」
それで、龍之介も、今出て来た名前は、アイラの一族で、一体、誰だったかなぁ……と、思い出してみるが、やはり、誰が誰なのか分からない。
「ご飯食べ終えたら、ちょっと調べてみよう」
「何を調べるのよ」
「え? アイラの一族の家系図だよ。名前と顔が一致……はしないけど、関係図はきっと頭に入ってきそうだからさ。それだと、名前聞いても、「ああ、その人は、アイラの伯父さんで」とか、「その人は、アイラのイトコで」って分かるだろ?」
「うちの家系図?」
「そうだよ。マレーシアで、アイラのイトコの人がさ、くれたじゃん」
ああ、それは、確か、ジェネヴィーヴが、集まった親戚の知り合いなどに渡すのに便利だからと、一族の家系図を書いてくれたやつだ。
龍之介ももらっていたことを、アイラも思い出していた。
「あれさ、役に立ったんだよなあ。アイラの一族はたくさんいるから、名前も顔も覚えるのが大変だし、次から次に人が変わるから、覚えるのも必死なんだ」
「なるほどね」
廉と龍之介の二人は、ボリュームあるバーガーを食べ終え、飛行機やホテルの予約を確認する。
廉は自分のラップトップを居間のテーブルの上に置きながら、色々と検索をしている。
「やっぱり、フライトは高いかな」
「まあ、クリスマス前だから、それは予想できるけど。すごい高い?」
「そうだね。定価くらいの値段じゃないかな」
飛行機会社の定価、というのは、本当に価格が高い。
旅行会社や、オンラインの格安チケットサイトから比べると、「ぼったくりじゃないのか!」というほどの価格が上乗せされているからだ。
派手に遊ぶ為に、旅行の費用と資金は稼いできた。
ただ、定価で飛行機のチケットまで買って、NYに行きたいか――と考えると、そこまでの切羽詰まった状況ではない。
クリスマス後になれば、また、少しだけ価格が下がるので、お正月前で価格がグッと上がる前に、飛行機だって予約は取れるだろう。
「じゃあ、ロスは?」
「NYに比べれば、飛行機代はそれほどでもないけど、やっぱり、定価っぽいね」
うーんと、アイラもちょっと唸りながら、
「じゃあ、〇ズニーランドのパッケージとか、ツアーとかない? ホテル込みとか、飛行機込み、って日本ではあったわ。単身で行くよりも、結構、そういう方が安かったもん」
「パッケージ?」
廉が新たに検索してみる。
「ああ、何件かはあるみたいだ」
「どんなの?」
「これは――ホテル込みで、一泊二日か、二泊三日。二日分のパスもついてるよ。飛行機が一緒なのは、ないかな」
「パス付で、ホテル込みのは、いくらくらい? 一泊じゃ、無理よ。夜遅くまで遊んでるのに、ホテルがなかったら、問題じゃない」
「確かにね」
廉が、二泊三日でのパッケージコンボを探し出す。
2~3個、廉が価格を羅列して行って、アイラも少し考えてみる。
そのどれも、値段は、結構なものだ。
格安ホテルを探した場合、一日用のチケット代やパスを入れても、ちょっと贅沢志向に入るほどの値段だ。
でも、クリスマス。
今年も三人でクリスマスを過ごすから、それなら、少し気張って、豪華なクリスマスもしてみたいものだ。
それなら、ホテル込みパス付きコンボなら、ホテルの美味しい料理も食べれるだろうし、〇ズニーランドでステイしているのなら、そこでも、クリスマス用の豪華な料理を食べられる可能性が大だ。
「そのホテルって、豪華なの? 場所は?」
「敷地内のホテルは3つかな? でも――ああ、2つは、たぶん、泊らなくてもいいんじゃないかな」
「なんで?」
廉が少しだけ顔を上げて、アイラに微苦笑をみせた。
「子供に人気のありそうな内装だから」
「それって、キャラとか壁にかいてるの?」
「枕とか、そう言った内装品も色が揃っていたり、子供には夢のような場所かもしれいけどね」
女の子は、そう言った部屋も好きそうだから、アイラも問題なさそうだが、さすがに、大の男二人、そんな可愛らしい部屋に泊まるのも、なんだろうね……。
「あら? 二人揃って、お人形抱いて寝れば? お土産屋さんで、たくさん売ってるじゃない。全員、お揃いだってできるわよ」
「俺は、そこまで、人形に興味はないんだ」
そして、あっさりと断っている廉だ。
「俺は――記念なら、買うかもしれないけど、でも、荷物が多くなるから、お人形はいいかなぁ……」
同じ反応で、龍之介も答える。
可愛らしい部屋で寝るのが、少々、恥ずかしいのなら、そう言えばいいものを。
読んでいただきありがとうございました。
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