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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part3-アメリカ編
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その1-03

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 二人が部屋を出て行って、アイラは、まず続きのバスルームを確認することにした。


 ドアを開けてみると、シャワーだけでなく、風呂付の大きなバスルームで、大きな鏡の前のシンクや、そこに置かれている小物など、さっき通ってきた居間のように、全て柄が揃ったものだった。


 このバスルームは、モスグリーンの花の模様がタイルや小物に揃えられていて、見る限りでは、廉の両親のバス用品はほとんど置いていなかった。


 その様子からしても、ここに戻って来ている形跡がなかった。


「随分、立派な部屋ねえぇ。洒落てるんだろうけど」


 高級そうな部屋であるのは違いない。


 スーツケースの全部を開ける気はなかったが、バス用品や化粧品などは開けてもいいかと、アイラはスーツケースの所に戻って、自分の荷物を簡単にほどき始めていた。



* * *



 龍之介と廉が、昼食を買い出しに行っている間、アイラはシャワーを終わらせていた。


 長旅で、どこに行ってもヒーターが入っていて、少し汗をかいたり、また体が冷えたり、乾燥しきっていて、シャワーを終え、きれいさっぱりである。


 少し、疲れは感じているが、だからと言って、今から昼寝をする気にもなれない。


 居間に戻ると、龍之介と廉は長椅子に座り、昼食を開けているところだった。


 廉のアパート(日本で言えば、高級マンションの類に入る)は、入り口からして、部屋全体の色調も、家具も、内装も、全部が全部、高級感が漂うクラシック調で揃っている部屋だった。


 木目の良い長椅子は、背もたれも緩やかなカーブになっていて、クッションの部分の布だって、落ち着いた感じの色あいだ。


 テーブルもお揃いで、光沢のある木のテーブルだ。足は、やはり、滑らかなカーブで工夫され、全てが全て、クラシックな西洋風のものばかりだった。


「ねえ、何部屋あるの、このアパート。一人暮らしにしては、随分、広いじゃない?」

「寝室が3部屋と、ダイニングルーム、それから、バスルームが二つ。アイラの部屋が、メインのベッドルームになる」


「ここで、両親と一緒に住んでたの?」

「住んでいた――と言うか、両親が買ったアパートだったから、両親がイギリスに移動した時に、俺がこっちに移って来たんだ」


「じゃあ、一緒には住んでなかったの」

「訪ねて来たことはあるよ」


 でも、一緒に暮らした場所ではなかったらしい。


 まあ、廉の父親は外交官をしているらしいから、昔から、転勤が多かったとも聞いている。

 だから、廉が中学生や高校生の時は、その時により、廉も両親と暮らしていたり、そうでなかったりと、そんな子供時代を過ごしていたらしい。


 アイラも、父親の転勤で色々な場所に移動し、引っ越しをしたが、いつも、どこでも、家族揃って一緒の移動だっただけに、廉のようなあっさりとした家族付き合いというもの、アイラにとっては、本当に珍しいものだ。


 テーブルの上に開いたバーガーセットを見て、アイラが勝手にフライドポテトを摘み上げる。


「バーガーなのね」

「そう。やっぱり、アメリカのバーガーっていうのは、最初に食べてみたくてさ」


 二人の食べ始めているバーガーは、ファーストフードで買えるようなバーガーでもなさそうだった。

 ソースの絡んだバーガーの匂いも、おいしそうである。


「アイラは、本当に、ランチいらないのか?」

「今はいいわ。フライトで、適当な時間に食事が出てくるから、今の所、お腹空いてないのよね」


 とは言いつつ、塩味のよくきいたフライドポテトはおいしかったので、また、勝手にテーブルの上から摘まんで食べている。


「そのバーガーって、ローカルの?」

「そう」


 厚みのあるお肉が2枚重ねで、フレッシュなレタスや野菜がたっぷりと、そして、蕩けたチーズに、ソースがたっぷりと。


 見た目からして、ボリューム感が最高で、おいしそうではある。


「龍ちゃん、それ、アメリカの初バーガーなの?」

「そうだぜ。昨日は、アメリカに着いたばっかりだったから、軽いもので、サンドイッチとかにしてもらったんだ。だから、これが、初バーガー!」


「じゃあ、記念写真撮りましょう」


 それで、アイラが簡単に携帯電話を操作して、パチリと、龍之介と“アメリカ初バーガー”を写真に撮る。


「龍ちゃん、“アメリカにて初バーガーを挑戦する”、ってね」

「ボリュームがあって、うまいぜ、これ」


 大口を開けて、龍之介もアメリカ初バーガーを被りつく。


「クリスマスが近いから、街中も活気があるし、デコレーションもたくさんあって、やっぱり、いいわねぇ。日本も、クリスマスのデコレーションがすごかったけど、NZなんて、全然、クリスマスの雰囲気ないもんね。つまんないったらありゃしないわ」


「確かに……、ちょっと静かだったかなぁ?」


「ちょっとどころじゃないわよ。日本だって、他の国だって、デコレーションもすごいし、商売繁盛で、色々なクリスマスグッズが売られて、ショッピングだって目白押しなのに、NZはそこまで特別じゃないもんね」


「まあ……そうかなぁ、とも言うけど」


 でも、龍之介はNZに遊びに行っている間、クリスマスが静かでも、のんびりしたクリスマスも初めてで、真夏のクリスマスも初めてで、楽しかったものだ。


「最初の数日は、サンフランシスコ観光としても、クリスマスも、やっぱり、ここにいる?」


 今回の旅のプランを考えるだけで、アイラも気分が上がって来る。


「俺はどっちでもいいけど、クリスマスにホテルに泊まるなら、人気のある場所なら、今からでも、予約が取れるか分からないな」

「クリスマス、NYでしてみたかったのよねえ。でも、混雑して無理かしら?」


 クリスマスまでは、あと五日だ。


 サンフランシスコだって、街中を通り過ぎて行くだけで、そこら中でクリスマスの飾り付けがされ、ツリーが飾られ、どのお店も、通りも、お祭り気分が満載だ。


 だから、クリスマスにNYに遊びに行くのなら、今からでも、ホテルと飛行機の予約をしないと、移動はかなり無理があるかもしれない。


「ホテルは高く払えば、たぶんあるだろうけど、飛行機はどうだろう?」


「そうよねえぇ。でも、ロスに行って、クリスマスの〇ズニーランドか〇バーサルスタジオで過ごすっていう手もあるけどね。一日中、遊び回って、パレード見て、それで、ホテルに帰るだけっていうのも、楽しそうだわぁ」



読んでいただきありがとうございました。

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Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)

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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
やっぱりやらねば(続)(18歳以上)

別作品で、“王道”外れた異世界転生物語も、どうぞよろしくお願いいたします。
奮闘記などと呼ばない(18歳以上)
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