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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part3-アメリカ編
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その1-01

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皆様、お久しぶりです。Part3ーアメリカ編がスタートしました。これからもよろしくお願いします •͙‧⁺o(⁎˃ᴗ˂⁎)o⁺‧•͙‧⁺

『ああぁ、やっと、着いたわぁ』


 自分のスーツケースを回収し終えたアイラは、まず、窮屈なフライトでの凝り固まった筋肉をほぐすように、その場で、少しストレッチをする。


 今年も、また、やって来ました!


 楽しい年末旅行企画。

 ここ数年、毎年、龍之介と廉を交えて、年末にから新年にかけて、三人で旅行をしている。


 アイラは大学を卒業していたが、修士課程の科目が何個かと、他の教科も取ってみたので、一応、まだ、大学生をしている。


 本当は、そのまま就職先を探しても良かったのだが、自由の身で動きやすい学生の間は、休暇も長ければ、一々、仕事の心配をして年休に頼る必要もない。


 だから、急いで就職先を探すこともせず、アイラは学生を続け、もちろん、今年だって、楽しみにしている年末旅行企画に参加するのだ。


 今回は、アメリカ旅行。


 はっきり言って、アイラの身内がアメリカにもいるから、何度もアメリカには遊びに来たことはある。


 違う国や場所での旅行も魅力的だった。

 ただ、龍之介が、未だにアメリカに来たことがないなぁ、なんて漏らすから、「じゃあ、今回は、アメリカにしましょう」なんていう方向に話が進んだ。


 日本人にもお馴染みの、アメリカ合衆国。

 日本の英語だって、アメリカ英語だ。アメリカのテレビだって、たくさん日本で流されている。


 ニュースだって、たくさん入ってきている。


 それなのに、龍之介は、今の一度としてアメリカに行ったことがないと言うので、今回は、まあ、アメリカ旅行に決まったのだ。


 今の所、のんびり、アメリカ大陸横断をしようか、それとも、有名な場所を何か所か回って、それからカナダにも立ち寄ってみようかと、二つの案が出ている。


 どちらも魅力的だし、その時の気分次第、時間次第、状況次第、と言ったところだろうか。


 NZからのフライトは、窮屈だったぁぁぁぁぁ。


 まず、最初に、廉が住んでいるサンフランシスコで集まる約束なので、フライト自体は、まあ一日がかりで移動すれば、ダイレクトフライトもあるので、問題はなかった。


 ただ、座席が満杯で、通路側に席を取ったアイラの周囲にも他のお客が。おまけに、団体客も揃って、ゾロゾロと。

 それで、トイレに行こうにも、毎回、団体客がトイレの前で渋滞になっていて、それを待つにも十分ほど。


 食事の後や、睡眠前に、洗面所を使用しようにも、団体客で溢れていて、待ちぼうけ。

 シートから立ち上がり、ストレッチで少し体を動かしてみても、また、ゾロゾロと通路を通過していく団体客ばかり。


 それで、トイレの待ちぼうけ、通路でも、眠っている時にはゾロゾロと動く気配。

 落ち着くにも落ち着けず、かなりの寝不足にもなっている。


 それでなくても、アメリカ旅行の為に、まだアルバイトだって、3つ掛け持ちだったのだ。

 疲れた体にムチ打って、今年の休暇を楽しみにやって来たのに、フライトではほとんど寝れなかったではないか。


 思いっきり遊びまくる為に、資金源は必要である。

 それで、寝る暇も惜しんで、アイラは学業と仕事の両立をさせなければならなかったのだ。


 今年は、新年でマレーシア旅行を終わり、初秋が始める頃には、従姉であるガブリエルの結婚式があった為、急遽、スペインに飛ばなくてはならなくなった。


 その旅費と、移動費用も加算され、かなり生活費を詰めなければならなくなってしまったアイラだ。


 だが、アイラはその程度の問題は、問題としていない。


 ガブリエルの結婚式は豪華で、楽しくて、一族中が盛り上がったものだ。


 ガブリエルの旦那様となったクリストファは、古くから続いている領主の家系で、封建制度がなくなっても、クリストファの実家はその街一体をほとんど取り仕切っているような大富豪だ。


 だから、ガブリエルの結婚式は、もちろん、クリストファの住んでいる大豪邸で行われ、一族全員が揃っても、全く問題ないほどの宿泊場所だった。


 結婚式前のパーティーも、結婚式の披露宴も、その後の祝賀会も、豪勢で、至れり尽くせりだった。

 クリストファの場所では、女性用に、スパや美容エステも用意しておいてくれたので、スペインに滞在している間は、アイラだって、しっかりと、リラックスタイムを取ったものだ。


 秋の旅行から帰ってきて、まだ間もないのに、次はクリスマス・新年に向けて、年末旅行企画だ。


 年末になると、飛行機代が一気に跳ね上がって、ここ数年、少々、飛行機代に無理がかかってしまったが、全員の休む日が重なるのは滅多にないだけに、それも、仕方ない出費ではある。


 やーっと、窮屈なフライトから解放されて、アイラも久しぶりにアメリカにやって来た。


 ゾロゾロと、観光客に混ざって、ゲートを抜けて行くと、視界の前にはたくさんの人で混雑していた。


 フライトから降りて来た客を迎えに来た人達。

 空港内を忙しく通過していく旅行客や仕事の人達。


 人込みでごった返している。


 さすが、西海岸では、ロスに続いて、一番忙しい国際空港と名高いだけはある。


「おおーいっ! アイラぁ、おおーいっ!」


 アイラの進んで行く先で、元気よく手を振っている青年を見つけ、アイラも破顔する。


 スーツケースと他の荷物を乗せたカートを押しながら、アイラがスタスタと足早に進んで行った。


「龍ちゃん、久しぶりっ~!」


 手を振っていた龍之介の前までやって来ると、アイラは躊躇いもなく、ガバッと、龍之介に抱きついていった。


「久しぶり~、龍ちゃん」

「おっ……! いや……、うん、久しぶりだな……」


 アイラの挨拶は、いつも、ハグだったのを忘れていた――のではないが、それでも、久しぶりに、こんなハグの挨拶をされて、龍之介も一気に照れてしまった。


 アイラは嬉しそうに、ぎゅぅっと、龍之介を抱きしめる。


 龍之介も手の置き場に困り、一応、ちょっとだけ、アイラの背中をポンポンと叩きながら、(本当にほんのちょっとだけ)アイラを抱きしめ返した。


「元気にしてた?」

「俺は元気だぜ。アイラは、どうなんだ?」

「私だって、元気よ」


 それで、アイラの腕が離れて行き、アイラの視線が龍之介の隣に向けられる。


 久しぶりなので、アイラも廉に抱きついていった。


「レン、久しぶり~」


 廉もアイラを軽く抱き返す。


「久しぶりだね、アイラ。元気そうだけど、でも、また、無理したみたいだ」

「忙しかったのよ」


 まあ、廉だって、アイラは、いつも、寝る暇もないほど多忙であることを知っている。


 それで、今回の年末旅行企画に向け、きっと、手抜きもせず、超張り切ってアメリカにやって来たアイラは、旅費の為に、無理をしていただろう(し過ぎていた)ことは、廉も簡単に想像がついた。


 去年のクリスマス、久しぶりに会ったアイラは、あまりにやせ細っていて、最後に会った時から見ても、厚みも、幅も半分近くに減ってしまったかのように見えるほど、痩せてしまっていた。


 それから、マレーシア旅行中は、毎回、たくさんの料理を食べまくったおかげか、帰り際は、ある程度、その体型が大分落ち着いて来たかもしれないな、と思っていたのに、今回、久しぶりに会うアイラは、またも、同じ状態である。


 アイラの()()は、常人が()()をするのとは、かなり次元が違う。


 勉強も手抜きはしないし、派手に遊びまくる為に、その旅費と出費を稼ぐために、ほぼ一週間、毎日、働き詰めだったとしても、廉には全く不思議がない。


 冬用のコートを着ていても、抱きしめた体が細く、また、一回り縮んでしまったような感じだ。



読んでいただきありがとうございました。

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Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)

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