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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part2-マレーシア編
154/215

その18-04

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 実は、ここだけの余談であるが、夕食を終えて、アイラ達は明日の準備があるからと自室に戻って行った後、アイラの父親は、午後に、龍之介に教わった「日本のお辞儀の作法」というものを自慢していたのだ。


 自分の両親と、兄弟姉妹にである。


 でも、兄弟姉妹も結婚しているだけに、一人きりではない。旦那さんと奥さん揃っての組で、アイラの父親が嬉しそうに説明する話を聞いていた。


 ビデオも撮ったんだよ、と自慢するアイラの父親に、



『ええ?じゃあ、見せてよ』

『そうそう。今、見せて』

『見たいわぁ』



との要求が上がり、急遽、アイラの祖父母が借りているビラに全員で直行。


 ギデオンに頼み、携帯電話からテレビに映してもらい、全員が興味津々で、龍之介の作法講義のビデオを観覧する。


 おおぉっ! と、全員から歓声が上がり、アイラの両親のように、拍手喝采である。



『すごいわっ、リュウチャン!』

『とてもきれいな作法だねえ!』



 全員が全員、大喜びしていたとな。


 そして、アイラの父親の兄弟など、ビデオを繰り返し観ながら、龍之介の講義の通り、しっかり、自分達でも作法の勉強をしていたとか。


 皆、日本の伝統も習慣も知りたいのだ。


 それで、その夜は、アイラの祖父母の部屋で、不思議な日本のお辞儀講座が繰り返されていたらしい。


 その話は、龍之介の知らないことである。



* * *



 フェリーに乗り、またまた、ペナンにやってきました。


 ホテルのチェックインは午後からで、部屋には入れない代わり、受付でスーツケースは預かってくれるというので、フェリー・ターミナルからホテルに直行した。


 龍之介は、昨日の午前中、アイラと廉と一緒に、ランカヴィのショッピングセンターに行き、新しいリュックサックを買いに行っている。

 警察に貸した元のバッグは、もう、あれでおさらばとして、残りの旅行用に、リュックサックを買っていたのだ。


 今回は、ウィリアムとマイケルが一緒と言うことで、前回とは違う場所に行き、遅い朝食を済ます。

 二人共、中国語が問題ないので、中華系マレーシア料理のお店で、山程のおいしい料理を注文してくれた。


 マレーシアに来てから、ヌードルをたくさん食べまくったような気がするが、ペナンにやって来ても、ヌードルは、また、違った味付けでおいしいものだった。

 朝と昼兼用になりつつある朝食をお腹一杯済ませ、午後からは観光だ。


 明日は、ジョージ・タウン付近でたくさん歩き回る予定なので、初日は、有名なKek Lok Si Temple を訪れた。


「おおぉ……、お寺って言うけど、すごい豪華なんだなあ……!」


 赤を基本とした装飾が至る所でされていて、提灯(ちょうちん)が屋根の下にずらりとぶら下がっている。そして、黄色やオレンジ色の装飾や壁。


 どこを見ても、提灯(ちょうちん)が隙間もないほどに、端から端へ並べられ、渡り廊下の天井にもズラリ。

 そして、真っ白に聳え立つ七重の塔(Pagoda)。多種の民族や宗教の習合(または混合主義)を模して造られたと言われる、塔だ。


 下層二層が中国式建築、中間の四層がタイ建築、そして、最上部がビルマ建築で。

 マレーシア最大の仏教のお寺だ。


「日本のお寺で、ここまで豪華っていうか、派手な飾りのお寺は、あんまりなかったわね」

「そうかもな。その宗派によるけど、内装とか、すごく豪華な仏教はあるんだぜ。質素のもあるけど」


「へえ、そうなの」

「ここ、中国語で『極樂寺』って言うみたいだ。Heavenly Temple って書いてある」


 一応、パンフレットらしきものを読んでいる簾に、アイラと龍之介も揃って廉の手元を覗き込んだ。


「極楽寺かぁ……。それに、仏様が豪華なんだなぁ……。色の塗った仏様まであるや」


 随分、日本のお寺でみる仏様の像とは違った像がたくさんあるようだ。


 同じ仏教でも、伝道の仕方や、その年代、国や土地による習慣が違うと、(まつ)ってある仏様も、その装飾なども違ってくるものなんだ。


 マレーシア最大の仏教のお寺と言われるこのお寺は、とても艶やかな印象を受ける。


「屋根が、全部、黄色なのかな?」

「違うわよ。全部、電球なの」


「え? 電球?」

「そうよ。ネオンよ、ネオン。チャイニーズ・ニュー・イヤーの近くになったら、夜は、全部の建物がイルミネーションされるのよ。写真で見たけど、屋根全部が光っているし、提灯(ちょうちん)も光っているし、柱も、像も、全部が光ってて、クリスマス以上のイルミネーションなのよ」


「へええぇぇ、それは、すごいなぁ」


 建物全部にそんな豪華なイルミネーションがされるなんて、龍之介も見てみたいものだ。


「チャイニーズ・ニュー・イヤーって、いつなんだ?」

「大抵は、1月の終わりから2月の初めにかけてよ」


「残念だな。俺達は見逃しちゃうんだ」

「そうね」


 亀のいる池も周り、建物も周り、仏像も拝んでその観光は終わっていた。


 バスに乗ってジョージ・タウンに戻ると、目の前にある高いビルを見上げ、テーマ・パークがあるというので、夕食の時間までは、テーマ・パークで過ごすことになる。


「最初は、一番天辺から行きましょうよ。その後、適当なアトラクションとかアクティビティを選べばいいじゃない?」

「そうだな。皆、ス〇イ・ウォークするんだろ?」


 もちろん、と全員乗り気である。


 一番上の階では、展望台が外にあって、歩く場所は全部ガラス張り。

 地上が丸見えで、スリルもあるだろう。


 全員で一番最上階まで上がって行くと、ス〇イ・ウォークがある。


 ガラスがピカピカに磨かれていて、真下には、ジョージ・タウンの街々が見える。

 携帯の写真で地上に向けて写真を撮ってみたが、実際に展望台で立って見られる景色と、写真の画像では、やはり、迫力が違う。


 そのリアルさがあまり出せなくて、残念なことだ。


 ス〇イ・ウォークの後は、のんびり、カフェで一息。


「丁度いいわ。私、トイレに行ってくる」


 外出していると、トイレを探すのも一苦労なのである。


 アイラはさっさと化粧室に向かっていく。


「そう言えば、マレーシアに来てから、あまりに健康的な生活してる」

「早寝・早起きして、つまんねー」


 双子の文句に、龍之介は不思議そうに聞き返す。


「そうか?」

「そうだろ」


「一体、何度、夜に出かけたんだよ」

「えーっと……。レストランは行っただろ?」


「あんなの、ご飯食べに行っただけだろ」

「夜遊びのこと言ってんだよ、リュウチャンよ」


「夜遊び?」


 確かに、マレーシアに来てから、ランカヴィでは、ビーチ沿いのホテルにいるからら、夜はのんびり過ごしている。

 リゾート地でもあるし、のんびりの休暇ができるなんて、日本人にしてみたら、贅沢な話だ。


 それで、朝早くから日差しが登っていて明るいから、龍之介は、大抵、六時起き。

 朝食前に、ビーチに行って、ひと泳ぎを済ませて来るのが日課となっていた。


 昼間は、観光に出かけたりと忙しかった。


「確かに……夜遊びは、してなかったかもな」

「してないだろ」

「全然」


「でも、俺は夜遊びしなくても、満喫してたから、全然、問題ないけどな」

「リュウチャン、健康的だな」

「俺は夜更かしするタイプなんだ」


 だが、今回、双子は祖父母と一緒の部屋だったので、あまり夜更かしした時間で夜遊びには出かけなかった。


 何度か、従兄達と飲みには行ったが、ヤロー共ばかりの集まりで、なんの楽しみもない。




読んでいただきありがとうございました。

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Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)

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