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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part2-マレーシア編
124/215

その12-04

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「これが、(わし)の置物――って、結構、でかかったんだなあぁ。最初は、彫刻かなにかを想像してたのに」


 星形をした広場は、色取り取りのレンガできちんと模様が作られていて、その中央に、ドトーンと巨大な(わし)が五角形の台の上に乗っている。

 話によると、高さ12m近くもある巨大な(わし)だ。


 そこにも観光客がたくさん集まっていて、みんな、正面の鷲から写真を撮れるように、少しだけ行列ができているようだった。


「海にこの星形の部分が突き出てて、かっこいいなあ」

「この場所、上から撮った写真がよく出てるけど、上から撮ったなら全景が入って、いかにも観光写真らしいのにね」

「そうか? 俺は、あの鷲の真ん前から撮っても、自慢できると思うけどな」


 そして、のんびりと星形の広場を歩いていくと、(わし)の足元にはちゃんと“Langkawi”とロゴが入った文字が設置されている。

 それなら、あのロゴを入れるようにして、正面から鷲を取れば最高の写真スポットだろう。


「少し並んだら、場所空くかな?」

「大丈夫じゃない。あれなら5分くらいで終わりそうよ」


 全員は星形の先頭にやってきて、行列待ちの間、周囲の海を眺めていく。

 こっちは、この間遊んだ真っ青な海とは違い、エメラルドグリーンという表現がぴったりな色の海の色だった。


 向こうの方には、また小島が見える。

 ここら一体には、結構な数の小島がある。それで、その小島の周辺でダイビングをしたり、他のアクティビティがあった。


 そっちの方のアクティビティは今回はしていない。


 下から見える鷲も迫力があるので、一応、観光スポットとして、廉を抜かした全員は写真を撮ってみる。


 突然、アイラが近くにいた年配の女性にペラペラと話しかけた。

 女性はにこやかに返事をしていて、アイラもにこやかだ。


「どうしたんだ、アイラ?」

「ああ、全員で写真を撮りたいから、あの女性にお願いしているみたいだよ」

「そうなんだ」


「あの女性もOKしてくれたみたいだ」

「観光地って、結構、写真をお願いしても嫌がられないよな」

「そうだね。やっぱり、それぞれに観光写真を撮りたい気持ちがあるから、他の観光客に頼まれても理解が深いんだろうね」


 五分くらい待つと、すぐに龍之介達の番になった。

 先程話していた年配の女性が、にこにこと、全員から渡された携帯電話を受け取っても嫌な顔をしない。


 「あらあら、たくさんねー」って笑っている。

 それで、このボタンを押して、などなど説明を受けて、星形の一番天辺から女性が場所を陣取ってくれた。


「ほら? 早く、早く」


 全員をせかして、アイラ達は鷲を後ろにして立った。


 女性が手だけで、少し右に動け、と合図するので、双子と龍之介が丁度3人で左にずれてみた。

 OKサインが出て、全員がスマイルを見せる。

 もちろん、龍之介はピースサイン。


 隣にいる旦那さんに持たせている全員分の携帯電話を交互に、年配の女性は全部の写真を撮ってくれていた。


『本当にありがとうっ。感謝するわ』

『いいのよ。みんなで楽しそうねえ』

『満喫してるから』


 それで、アイラが手を振って、年配の夫婦を見送った。


「これで、観光スポットでの写真は撮れたわよね」

「でも、この為だけに40分もかけてやってきたんだな」


 それも、15分くらいしかいない場所で。


「観光だから、そういうこともあるわよ」

「ここら辺って――あれ? ボートが出てる。もしかして、港なのかな?」

「あれは――ボートじゃなくて、小型のフェリーよ。たぶん、あの建物、フェリー・ターミナルなんじゃないの?」


「そうなのか」

「島だから、周り中海に囲まれてるもんな」

「それじゃあ、そろそろ戻りましょう」


 またタクシーを待つのは面倒なので、先程のタクシーには待ってもらっている。

 元々、観光スポットで写真を撮ることが目的なので、長居するつもりはなかったしね。


 タクシーでショッピングモールの方に戻ってきた一行は、あるレストランに落ち着いていた。

 ランチを食べている間タクシーを待たせているのは金額が(かさ)むので、その場で料金の支払いは終えていた。


 でも、タクシーの運転手の方から、ホテルの帰る時に連絡くれれば迎えにくるよ~、と名刺を渡されたので、ランチの間、どこかで時間を潰し、また龍之介達を拾ってくれるのだろう。


 今日は、竜之介たちの観光のおかげで、かなりドライブしたからいい売り上げになっているはずだ。

 やっぱり、予約や道路で待ちぼうけよりも、すぐに掴まるお客がいれば簡単だろう。


 入って行ったサフラ・レストランというお店はこじんまりとした店で、ローカルな雰囲気がいっぱい。

 壁も天井一杯が虹のように(よりも派手な原色で)線ごとに色々と色が違っていて、見た目からしても派手な内装だった。


 マレーシアに来てから気が付いたことだが、結構、ローカルのレストランとか、屋台っぽい外のお店とかでも、派手な電球がよくぶら下がっているのだ。


 ネオン、というよりも、色取り取りの電球で、一応、お店の内装ということになるのだろうか?


 それから、色鮮やかな壁の色が多かったり、原色を好む文化が見えて来て、とても興味深い。


 このお店は、Vegetarian、Indian、Pakistan、Arabic、Western、Seafoodということだった。たぶん、西アジア系の料理が多く、カレーもそっち系なのだろう。

 でも、西洋系のチップスやハンバーガもある。


 今回は全員で色々試せるように、入り口の写真に乗っている料理を適当に頼み、それをシェアする。


 インドとパキスタンのカレーとナンが色々、フライドライス(炒飯)も色々、アラブ系(トルコ系)のピザも頼み、喉が渇いているのでジュースもだ。


 朝食は遅かったのに、料理が運ばれてくると、もうお腹が空いてきてしまう。

 全員がすぐにガッついていた。


「おお、インドとパキスタンのカレーかあ。区別がつかないな」

「そりゃあ、そうでしょ。国は違えど、文化は似たようなものなんだから」


「そうだな。でも、おいしいぜ。俺、ニュージーランドでも、結構、インドカレーを食べたけど、マレーシアでも食べてるなあ」

「インド人の人口がたくさんいるからね」


 全員で座るとテーブル一杯の料理の皿と自分達の皿がぶつかり、ちょっと動かしたら、テーブルの外に落ちてしまいそうなほどだ。

 でも、こんな風に狭くテーブルを囲んで皆でご飯を食べるのも面白い。


 ナンをちぎって、手でカレーにつけて食べる習慣も慣れたものだ。


 日本では、そんなにインドカレーを食べに行きたいと思ったことはなかったが、マレーシアに来て以来、何度も食べているような気がする。


 でも、飽きた感じはしない。


 郷に入っては郷に従え、だなあ。





読んでいただきありがとうございました。

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Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)

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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
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