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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part2-マレーシア編
118/215

その11-05

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 さあ、これから、今日一番のアトラクションVRユニバーサルだ。


 やはり、せっかく遊びに来ているので、全員が全パスようのチケットを購入。もしかしたら、全部はできないかもしれないが、一応、念の為。


 ミックこと、マイケルは全く問題なさそうに、全部やり切るぜ、と簡単に断言するほどだ。

 ゲームおたく、ゲームマニア? 賭けはしない方が良かったかも。


「まず初めは、やっぱり、バトルアリーナだろ」

「バトルアリーナ?」

「そう。チームでコンバットアリーナに入って、戦いまくるぜ」


 ほうぅ、と龍之介の目もキラキラと輝いている。


 一応、ここの売りでは“世界初のVRフリー・ローミング”のアリーナらしい。


 中に入ると、スタッフから装備を渡され、バックパックを背中に背負い、手には手袋のような上にセンサーがたくさんつけられている。


 VRのゴーグルを装着すると、龍之介は未来空間のバトルフィールドにやってきていた。

 チラッと自分を見下ろすと、龍之介はロボット? ――ロボットのようなフル装備をした格好になっていた。


「おおおおおぉぉっ、すごいっ!!」


 手をニギニギしてみると、ロボットのような手が目の前で動いている!

 これ、自分が動かしているのだろうが、自分の手だなんて思えないほどリアルだ。


「アイラと廉はどっちだ?」


 龍之介の視界には、もう、人の形をした友人の姿は見えない。

 前にいるのは、全員、ロボットのようなフル装備をした戦士ばかりだ。


「私はこっちよ」


 手を振った一人がアイラだとしても、全然、アイラなどと見えない。なにしろ、完全武装した未来のロボット戦士なのだから。


「俺はこっち」


 そして、廉も一応手を振ってくれた。


「おおおおおおぉぉぉぉぉっ!! 凄すぎるっ」


 VRの未来世界。感動だ!!


 建物のゲームで出てくるような未来世界で、さっき渡されたプラスチックのマシンガンは、真っ黒に輝くレーザービームのガンと変わっていた。


「リュウチャンよ、あんた英語ダメなんだろ?」

「ああ、そうなんだ」

「この説明、英語みたいだから、アリーナバトルは俺と組んでいいぜ」


「いいのか?」

「VRやったことあるのか?」

「いや、ないんだ。これが初めてなんだ。すごい、感激してるっ!!」


 はは、とマイケルもおかしそうに笑っている。


「これは賭けにはいれないから心配すんな。英語の説明だと早過ぎて分からないだろうしな」

「そうか。ありがとうな」


「説明の後は少しトレーニングもあるみたいだから、それやって、後は撃ちまくれ。相手を殺す気でな」

「そうなんだ」


 今回のアリーナバトルは、龍之介とマイケルのチームに対し、アイラと廉とウィリアムの3人が敵となる。


 スタッフの説明も今回はマイケルがちゃんと説明してくれて、それで、ゲームが始まると、音楽と共に、パネルが目の前に現れて、持っている銃で標準を定めてみる。


 ゲームのボタンやメニューが変わり、それを次々に撃っていくと、ものすごいリアル感、半端ない。


 このコンバット・アリーナは某ゲームメーカで出されている、Mortal Blitz というゲームをベースにしているものだ。

 龍之介はそのゲームをしたことがなかったが、マイケルに携帯で見せてもらったビデオは、息を上がらせるような音楽に、シューティングが激しくて、すごい迫力のゲームだった。


「よし。最初は、ウォームアップだな」

「そうか。まだ混乱してるけど、よろしくな」


「要は、撃ちまくればいいんだよ。弾が切れたら補充しろよ。やり方分るか?」

「それは、分かる。大丈夫だと思う」


 それで、バトルが開始する。


 目の前に、突然、ガラスのバリアが出て来て、うおぉっ、とビックリして飛び上がった龍之介の前で、少し前にいるマイケルはもうすでに完全戦闘態勢。

 相手側に素早い攻撃をしかけて、次から次へとポイントが加算されていく。


 間近の物体も破壊しまくりで、ガラスの破片が飛び散り、レーザービームが飛び交い、場所が少しずつ変わって行っても、あまりにたくさんの映像が目の前を通り過ぎていってしまって、龍之介は景色をゆっくりと眺めることもままならない。


 「1Kill」やら「3Kill」やらと、数字が飛び交い、そのあまりに素早いスピードにやっとついていけるような龍之介だ。


 でも、自分の銃を動かし、体を動かし攻撃を交わし、避けて、目の前の物体も次々に破壊していく。


「すごいぃぃぃっ!! かっこいいなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 走り去っていく景色が未来世界で、現実には存在しなくて、宙に浮かぶ建物、ゲームの世界にある非現実世界を直で経験し、レーザービームで破壊された場所は、眩しすぎるほどの閃光が飛び散っていくかのような激しさだ。


 素早く、画面操作で、自分の武器を変え、ステータスをチェックし、アップグレードアイテムも次々に飛び込んできて、どこもかしこも爆発音で忙しい!


 その全部を本当に自分がしているかと思うと、経験しているかと思うと、リアルの迫力が堪らない。


 龍之介は一度死んでしまった。


 ショックだったが、一応、生き返らせてもらったようだった。


 自分の武装した腕が、手が、足が動き、全く現実にはない未来世界でバトルである。本当に、未来に迷い込んでしまったかのような錯覚。

 なのに、現実っぽくて、VR最高だっ!


 バトルをやり終え、スタッフが装備していた部品を外してくれたが、現実に戻っても、さっきまでの高揚感から抜け切らず、龍之介も呆けてしまっている。


「ねえね、これ面白かったわぁ!」

「悪くない」


 あっさりしている態度だが、マイケルだってかなり満足している顔をしている。


「お前、やっぱり、ハイスコアかよ」

「当然」

「すごいなぁぁぁぁぁ……。あんなスピードで、次から次に物がでてきて、撃ち落とされてるのに、ハイスコアなんて得点できるんだ」


「リュウチャンよ、あんた、FPSしないのか?」

「FPS? え? それってなに?」

「ファースト・パーソン・シューターのことだよ」

「それって、なに?」


 だが、その日本語の通訳は誰一人分からない。


 マイケルもウィリアムもアイラも、その視線が一斉に廉に向けられる。


 でも、廉にだって説明し難いのだ。廉はゲームをするタイプでもない。誘われればするが、自分からコンソールやコンピューターゲームを買う方でもない。


 だから、FPSのコンセプトは理解できるが、日本語の活用方法など知らない。


 うーんと、考えてみて、

「日本語なら、たぶん、一人称――だから、自分本位としたシューティングゲームのことだろうけど、どうだろうな?」

「自分本位? ――ああ、なんとなくは分る、その意味。よくゲームセンターでも見たから。たぶん、そういうシューティングゲームなんだろうな、ってことは判った。でも、それやると、VRゲームができるのか?」


「それの実践版。リアルで」

「確かにリアルだったな。未来世界に飛び込んだ気分だった。最高っ~」

「まっ、確かにな」


 初っ端から、意欲が上がるゲームだった。





読んでいただきありがとうございました。

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大人になってもはちゃめちゃ恋愛物語『やっぱりやらねば(続)』は大人の恋愛編です。
やっぱりやらねば(続)(18歳以上)

別作品で、“王道”外れた異世界転生物語も、どうぞよろしくお願いいたします。
奮闘記などと呼ばない(18歳以上)
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