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やっぱりやらねば  作者: Anastasia
Part2-マレーシア編
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その9-01

しばらく、エピソードはローカルな観光や料理などになってしまいますが、是非、お付き合いくださいね?

簡単に旅行ができない状況なので、おいしいものや楽しいものに思いを馳せて、小説の中で観光を楽しんでください

 街に出てくると、クリスマスからお正月にかけてのホリデーシーズンと言うこともあり、結構、観光客らしき人だかりが目に入って来る。


 お昼時と言うこともあって、ローカルの人や観光客などで、通りは賑わいを見せていた。


「今日、何食べようかなぁ~。久しぶりだから、やっぱりMalaysian 食べようかなん」

「マレージアン? それって、マレーシア料理、っていう意味か?」

「そうよ。前にも食べたじゃない」


「そうだな。上手かったよな。じゃあ、今日はマレーシア料理にするのか? やっぱり、マレーシアに来てるのに、本場のマレーシア料理を食べなかったら惜しいよな。もしかして、ヌードル? カレー――だったっけ? あれ? でも、カレーはインドだったけ?」


 ひっきりなしに質問攻めで、アイラもすぐにそこで決めていた。


「Malaysian に決定ね。カレーだって、マレーシア系インド人が作ってたら、マレーシア料理よ」

「あっ、そっか」


 そして、後ろからゾロゾロついてくる残りの青年達も、実は、しっかりとアイラと龍之介達の会話は聞いている。


 聞いてはいるが、余程、面白い話題でない限り、後ろでただ聞いて(聞き耳を立てて)いるだけだ。


 ビーチ沿いにはたくさんのレストランやらカフェが並んでいる。


 Thai、Italian、Mexian、Indian、Western、Turkish、Bugar、Cafe、ふむふむふむ。


「お店は多いけど、こう、本格的なMalaysian ってないわね。まあ、もうマレーシアに来てるから、自国の料理ばっかりは食べたくないでしょうしねえ。でも、Malaysian でも、Indian のカレーばっかりね。Thai もあるみたいだし。アジアン・フュージョンっぽいわね」


「アジアン・フュージョン? それってなんだ?」

「要は、アジア系の料理が色々混ざってでてくるレストランよ」


「へえ、そうなんだ。俺はなんでもいいんだぜ。去年、ニュージーランドでアジア系のレストランも結構たくさん連れて行ってもらったけど、やっぱり、違う場所でも食べたら、うまそうだもんな」

「そうね。食材も違うだろうから。――ねえ、ミック、なにかいいトコないの?」


 首だけを回して後ろをダラダラと歩いてくる双子にアイラが声をかける。


 マイケルは返事もせず、ただ、自分の携帯を取り出してピコピコとものすごい早さで何かを打ち込んで行く。


「ここら辺は、評価が4以下ばっかり。ここから、車で10分くらいの場所なら、何件かありそうだけど」

「ええ? もう、移動はいいぜ。なんでもいいから、適当なトコ入ろうぜ」

「俺も腹減った」


 双子が揃って文句を言う。


「洒落た場所なら、見た目だけは美味そうだけど」

「それ、どこ?」

「ランカヴィ・リッチン。でも、ラッツ・キーリトンのホテルの中」

「ホテルの中? 高級そうね」


 それで足を止めたアイラが、数歩後ろに戻って行き、マイケルの携帯を覗き込む。


「でも、お洒落そうじゃない。レビューも良さそうだし」

「ああ、ダメだ」

「なんでよ」

「朝食とディナーだけ」


「ええ? じゃあ、夜の分、予約してよ」

「なんで俺が」

「今、携帯見てるの誰なのよ。うちら、3人分ね」

「なんでアイラの予約を俺がするんだよ」

「だったら、自分達のもいれればいいじゃない。ほら。早くしなさいよ」


 せっつかれて、マイケルもうるさそうな顔をして、アイラを睨め付ける。


「俺の分も。それからジェイドも入れて」


 後ろから気軽に声をかけるギデオンだ。


「お前は、全部の支払いを俺に押し付ける気か?」

「ええ? だって、俺なんかまだ未成年だしぃ、仕事だってしていないしぃ、旅行用のお小遣いだってちょびーっとだしぃ」

「いや、暑苦しい。やめろよ、それ」


「いいじゃんか。ジェイドなんか仕事してるんだから。給料だって、使う場所もなければ、使い道だってないじゃん」

「忙しいんだ」

「だ・か・ら、久しぶりに会った()()()妹と弟の面倒みてくれたっていいじゃんか?」


 ジェイドも暑苦しそうな顔をしてギデオンを睨め付ける。


「7時に予約入れた」


 さっきまで文句を言っていたのに、結局はちゃんと予約をしてくれたマイケルだ。それも、なんて素早さ!


「やったっ。今夜のディナーは期待できそう」

「それはいいけど、今はランチに来たんじゃないのか? さすがに、夜のディナーには時間が遠いだろうしな」

「そうねん。でも、ディナーの予定が決まったから、昼はなんでもいいわよ、この際」

「ああ、まあ、確かに、そうだな」


「でも、龍ちゃんが本場のMalaysian 食べたいって言うし、うーん――あれ、Malay 料理って書いてるわ。ミレイ・ミレイ・クイジン・レストラン。じゃあ、あそこにしましょう」


 そして、残りのメンバーには賛否を取らず、さっさと決めて、さっさとレストランに入っていくアイラだ。


「なんか、お洒落っぽいレストランなんだな」

「そうみたいね」


 全員がテーブルの席について、メニューをもらうと、龍之介はついぐるぐるりと店内を見渡してしまった。

 小綺麗で、お洒落で、通りすがりに見た他のお客の料理なども、お洒落っぽい料理だ。


「ねえね、龍ちゃん何食べる?」

「いや……、俺はメニュー読めないし……」

「英語で書いてあるわよ」

「いや……、それも、よく分からないし……。だからさ、アイラが適当に頼んでくれよ。前もたくさん頼んでくれたけど、どれもおいしかったから」


「あら、そう。じゃあ、今回も皆でシェアしましょう。ねえ? さすがに、スパイシーなやつ頼んだら、この真夏で汗だくになって食べるのも嫌ね」

「はは、汗拭きながら食べるのもいいかもな」


「ねえ、そっちはどうするの? 全員でシェア?」

「そう。簡単だから。適当にたくさん頼めよ」

「たくさんな」


 全員がそれでオーケーのようで、やってきたウェートレスに、アイラが――山のような料理をペラペラ、ペラペラと速さも止めずにオーダーし終えていた。


「リュウチャンよ、スパイシーな料理もいけるのか?」


 テーブルでは、アイラの向かいに龍之介と廉が、アイラの隣にはギデオンとジェイドが。そして、その両側の端にウィリアムとマイケルが向かい合って座っている。


 ギデオンが興味深そうな顔をして、龍之介に聞いてくる。


「結構いけると思うけど、前に、超激辛カレーを挑戦して、目から火花が散って、さすがに泣き出しそうになったから、あんまり……今回は、そこまで辛いのは遠慮するかなぁ」

「ふうん。ニュージーランドでも結構アジア料理食べたって言ってたじゃん?」


「うん、そう。ニュージーランドって多国籍国家だから、オークランドもウェリントンも、違う国の料理、すんごい食べまくったんだ」

「へえ。俺はまだ一度もニュージーランドに行ったことないんだ。遠いからな」


「うん、まあ……飛行機でも遠いかなあ、とは思ったけどな。そう言えば、ギデオンって、さっき、ジェイドさんに、久しぶりに会った弟だ、って言ってなかったか?」

「それが?」

「やっぱり、ジェイドさんは社会人で仕事が忙しいから会う機会がなかったのか?」


 それで、ギデオンだけでなく、アイラまでも、なにか笑いを堪えているような、そんな顔をする。


「なんだ?」

「龍ちゃん、ギデオンはイギリスに住んでないわよ」


「そうなのか? じゃあ、どこなんだ? あれ? でも、カイリさんはアメリカのマリーンって話だろ? アメリカのマリーンなら、アメリカに住んでないとダメだろ? じゃあ、ギデオンもアメリカなのか? アイラも英語話せるもんな。アメリカ人なのか?」


「リュウチャン、すごいぜ。質問が連射だ。すごいぜ」


 変に褒められて、龍之介も恥ずかしくなってしまった。



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