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プロローグ

こんにちは、Kです。今回は韓国を舞台にカフェをテーマに物語を書いてみました。

 韓国、ソウル市内にあるカフェ。そこではせわしなく動き回る三人の少女がいた。全員に獣の耳と尻尾が生えており、中学生ほどの姿だ。店内は満席で、その盛況ぶりが見てわかる。マイクを通して厨房にいる茶髪に黒い瞳の大学生店長、ユン・ヒョンジンに注文を伝えていく。

 

 そして次々とケーキ類やドリンクが完成し、運ばれていく。その忙しさには流石の店長も弱音を吐かざるを得ない。

 

「ああもう!いつになったら終わるんだよ!テヒ、もっとペースを上げてくれ!」

 

 隣で鍋を振るい料理を作っているのは、キッチンスタッフのカン・テヒだ。黒髪に金色の瞳のとても美しい大学生である。

 

「分かってる!3番テーブルのサンドイッチできたよ!」

 

 そしてなんとかピークを乗り越えることが出来た。これは町はずれのちょっと有名なカフェ、ユートピアの日常をヒョンジン視点から描いた物語である。

 

◇◆◇◆◇

 

 俺は大学の試験を終えて、完全に燃え尽きてしまった。 なんとか有名大学に合格できたものの、入学してから全く勉強する気になれない。 もともと夢もなく、特に目標もなかった。 上手なことも何もなかった。 スポーツ、勉強、社会適応能力、身長に体重まで…… すべてが平凡だった。

 

 現実はゲームのように、いかなるイベントが起こるものでもない。 そんなことは知っていたと思った。 でも今の鬱屈した日々が続くと、やっぱり嫌な気分になってしまう。

 

「はぁ……何かイベントはないのか?」

 

 何気なくそうつぶやくが、当然何かが起きるわけでもない。 現実はギャルゲーの主人公のようにはならないのだ。 俺はすでに3次元での恋愛を諦めていて、今は2次元の美少女キャラを愛している状態だ。 自分でも終わったと自覚している。

 

 俺は獣の耳の少女が好きだ. あの耳と尻尾、それに外見が小学生くらいならなお良い。 しかし、そのような幻想を抱いてみても空しくなるだけだ。

 

  大学の授業が終わっても、誰も一緒に過ごす人がいないため一人で電車で家へ帰る。ちなみに俺は一人暮らしだ。隣に幼馴染がいるということもなく、隣人が大学の女子ということもない。

 

 駅に到着してから歩いて10分。既に閉店しているカフェが今現在の俺の家だ。閑静な住宅街を歩き、家が見えてきたと思ったその時。ドアの前に女の子が座り込んでいた。

 

「.........はあ?」

 

 思わずそんな間抜けな声が出てしまうほど奇妙な状況だった。その女の子は黒髪のロングストレートに、茶色の瞳。それに加えて黒い猫耳と尻尾が付いていた。

 

「おい、君.........俺の家の前で何をしているんだ?親はどうした?」

 

 見た目は12歳ほどだろうか。まさに俺の理想の二次元美少女だった。しかし問題は、彼女が三次元にいるということである。意味が分からない。耳も尻尾も、見た目ではコスプレには思えない。明らかに生えているのだ。

 

「にゃあ.........店長様、クロはお腹がすきました。腹ペコで死にそうです.........」

 

「店長様?俺のことか?まあいい、ここで死なれても困る。何か作ってやるから中に入れよ」

 

 そして俺は手際よくジャージャー麺を作ると、クロと名乗る少女の前に置いた。

 

「ほら、食べろ」

 

 すると彼女は勢い良く麺を啜りだし、とてもおいしそうに食べ始めた。その食べっぷりを見ていると、こちらも嬉しくなるというものだ。

 

 僅か三分で食べきった少女は俺にお礼を述べた。そしてなぜ家の前にいたのかと聞くと、彼女はその理由を語り始めた。

 

「クロは店長様のご両親に頼まれて、店長様のお世話をさせていただくためにここに来ました。けど、店長様が帰って来ないから中に入れなくて.........」

 

 俺のせいだと言いたいのか?!いやまあ俺のせいなんだろうが、何だが納得がいかないような気がする。それにこんな小さな子どもに俺の世話なんかできるのか?

 

「クロ、もしかして世話の代わりに俺に何かするように頼まれなかったか?」

 

 そう聞かれたクロは、待ってましたと言わんばかりに話し始めた。

 

「はい!実はクロが店長様のお世話をする代わりに、店長様にはカフェの経営をしてほしい、ということだそうです!」

 

 完全に予想通りの答えだったことに逆に安心した。変だと思ってたんだよ。一人暮らしにやたらと閉店したカフェを薦めてくるんだから。何を考えてるんだと思ったが、そういうことだったのか。

 

「待ってくれ!でも俺は経営学なんて学んでないし、バリスタの心得もない!どうやってカフェを経営しろと?!」

 

 するとクロは胸を張って自信満々に「安心してください!」と言い始めた。もう彼女の存在に関しては受け入れた。世界は広い。こんな人間がいてもいいだろう。

 

 もしかしたらクロにはバリスタの実力があるのかもしれない。そう期待を込めて彼女の話を聞いてみることにした。

 

「たいていのことは気合で何とかなります!」

 

 はい。期待した俺が馬鹿でした。このちんちくりんに期待した俺がアホでした。これはもうダメかもしれない。資金もない、ノウハウもない、相方はダメダメ。こんなのどうしたらいいんだよ。詰んでるじゃん。

 

 

 はあ、すべてが上手くいく二次元の世界に行きたい。俺は改めてそう心から思った。

 

 

感想、評価、ブクマ、レビューよろしくお願いいたします。


なぜ日本を舞台にせず韓国を舞台にしたかと言うと、日本のカフェ文化と韓国のカフェ文化が違うから、というのが理由です。日本を舞台にしてしまうと、韓国語版とは全く別の展開にせざるを得なくなるためやむを得ずこのような形にしました。


皆さんもぜひ韓国へきて、文化を楽しんでくださいね!안녕!

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