一度壊れた心は
壊れた心は直らない
知らなくてもいいこと
だったのに
些細な波でも
不格好なつぎはぎ部分にふれると
僕の心は
砂で作ったお城のように
崩れ去っていく
あれだけ
唇噛み締めながら
耐えてきた悔しさも
少しずつ一歩ずつって
腐らずに積み上げてきたつもりだった
時間も
全部
否定するように
崩れていく
狭くなっていく視野に
震えだす指先
落ち着け
落ち着け
って思考だけに支配される
頭の中
そうか
僕はやっぱり
勝てないのか
もう大丈夫
苦しいなりにでも
これだけ
普通にとけ込めているんだから
ようやく手にしかけていた自信も
ただの幻だったと
思い知らされる
直した心は
所詮つぎはきで
何度も何度も
立ち上がるたび
直すたび
弱く
脆く
なっていただけだったんだ
乗り越えられると
思っていたのに
ついに克服も始められていると
信じられそうだったのに
でも結局
増していたのは
弱さだけ
そうか
僕はやっぱり
負け続けるのか
何なんだろう
僕は
なんで
こんなこと続けているんだろう
今も砕けて飛び散った心の破片
拾い集めて
また紡ぎ直している
どうせすぐ壊れてしまう
直す意味なんてない
こんな弱くて汚い心を
何なんだろう
僕は
一体何を
しているんだろう
それでも手は止められない
止めたら二度と動けなくなる
そんな気がしているから