表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフだって……猫耳したい! ~お姫様はただオシャレしたいだけなのに、なんでいつもゴタゴタに巻き込まれる? それはこの小説世界の主人公だからです~  作者: KUZ
第6章 木曜スペッシャル! ヒトゥリデ様と探検隊 ~緊急特報! 秘境の奥にまぼろしの果実を見た~
65/72

6の9話

 霊峰ヒコー山──


 標高は1200メートルと、それほど高くはない。が、切り立つ崖と立ちくらみそうな魔力で、人間の世になる以前から修験者しゅげんじゃの山として知られていた。

 修験者たちは「山伏やまぶし」と呼ばれ、このヒコー山には3千もの人数が数百集落に細かく分かれ生活している。

 そのヒコー山の山伏を束ねる者こそ、テング族のおさ「ブゼンボー」である。


 テング族とはエルフやドワーフ同様、妖精のような、人間よりずっと原初に近い存在が進化した種族。

 よって真なるテング族には寿命がほとんど無い。

 しかし他種族との交配や交流で、人間に近づいているのもエルフ、ドワーフと同じ。


 今現在、そこまでの長命は族長含めて数人。

 霊峰に集まる修験者の種族は多様となり、特に人間族の入山が年を経るごとに増えて行く。

 大昔のように山伏=テング族では完全になくなっているのだ。



 ブゼンボーは山頂に立ち、朝日を前面に浴びる。

 腕を広げ、掌を前に向けて、太陽と山からの力を存分に吸収する。

 背の翼は使用せず、両足と錫杖をつきつき登り降り。

 晴れた朝の日課である。


 村の手前の滝に寄る。

 多角形の頭巾、袈裟、篠懸すずかけを外し、錫杖とほら貝とともに岩の上へ置く。

 夏だというのに滝から落ちる水は、まるで氷水を叩きつけてくる様だ。


「老いて益々盛ん、か。

 流石は天狗豊前坊」


 滝近くの岩に腰かけ、感心した風に呟く男。

 130センチあるかどうかの身長だが、服の上からも岩石の様に引き締まった筋肉が伺える。

 浅黒い肌に短く切り揃えた顎髭は、彼の精悍な顔つきを引き立てていた。

 弟より絶対にカッコイイ、兄ドワーフのドワルドンである。


「いやいや、老齢期に入っておるだけよ。

 かつての師の足下にも及ばぬ」


 滝行を終えて、濡れた体のまま岩に腰かけ微笑む老天狗。

 人間の60代半ば位に見えるが、優に1万才は超えている。

 彼は真なるテング族に近いのだ。

 

 この「テング族」は、日本人が想像する「天狗」と少し違う。

 男は酔っ払いの赤ら顔に、高すぎる鷲鼻。といった感じ。

 女性は鼻の高い人が、照れてほんのり頬を染めているのに似ている。

 更に最近は血も薄まり、もう羽根の生えた者などほとんどいない。


「師匠……役小角えんのおづぬ……か。

 確か御坊は初代の弟子だったな」


「ははは、やっとる事は今と同じだがの。

 しかし、直接教えを賜った事は宝だの」


 ドワルドンの口にした名の、その顔を思い出そうというように、老天狗は遠い目をして微笑み続ける。


「だが、もうすぐだ」


 岩から腰を浮かしつつ、ドワルドンが語気を強める。


「もうすぐ、御坊もその域に辿り着く」


 その言葉を受け、穏やかな老人の笑顔からも不敵な香りが漂った。


「いや、師を越える!」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「ねえ、ドワーフのイメージってさあ」


 はい、ヒトゥリ様。


「ビア樽体型にひげモッサリでさ、色白のガサツなオッサンって感じじゃない?」


 はあ、まあ、そうですよねえ。


「ドワルゴってさあ、期待通りにそうだよねえ」


 まあそれは、そうですよねえ。


「ドワルゴとドワルドンって兄弟よねえ」


 やっぱりそこですか……

 因みにあのふたり、双子なんですよ。


「えええええーーっ!」


 本人が言ってないから秘密ですよ。


「ねえ」


 はい。


「絶対うちら、ハズレ引いてるわよね!」


 ……ヒトゥリさまも充分性格悪いと思いますよ。

  

陰陽道なんかで人気のある役小角と、今回名前が出たキャラは似て非なるものです。

まあ小説世界が舞台ですから、そんなキャラも出てきますよね。


読んでいただきまして、ありがとうございます。

次話もどうか、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ