エルフだって……ネコミミしたいのです
ゆる~く、大きな心で読んで下さいませ。
よろしくお願いします。
空前のケモミミブーム到来。
世界は今やケモミミの時代。
テレビに雑誌にと、ちやほやされるアイドルはケモミミ、ケモミミ、ケモミミ一色。
その中でも一番人気はやはりネコミミ。
可愛いの代名詞、ザ、ネコミミ。
溢れ過ぎなので最近はクマミミも人気上昇中。
なもんで巷の女子には只今「つけ耳」が大流行なのだ。
「え~、こんな耳じゃ外出れない」
「あ、今日ケモミミ変えた?」
「校内での獣耳着用は禁止だぞ」
生活に最早溶け込んだ流行。
それがケモミミ、そしてネコミミである。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「はああああああああ」
部屋に長く大きなため息ひとつ。
十畳位の広さにベッドが左壁際、中央には座卓。
オシャレな鏡台、と言うより……年期の入った三面鏡はベット反対側の壁。
その前に座っている、見た目十代の女の子。
ため息の出所はこの少女で間違いない。
賢明なる読者諸君には、もうお分かりだろう。
タイトル見たら、まあ、すぐ、分かるだろう。
そうです。エルフです。
この見た目少女はエルフです。
十代美少女に見えても、実は100才近い婆さんだったりするエルフです。
「そんなに逝ってないわよ! ギリ十代だっつーの!」
怒られた。
ナレーションなのに怒られた。
そんな漢字あてたら100才のレディーに失礼ですよ。
「うっさいわねえっ。
ただでさえ気落ちしてんだから、ちょっと黙っててよ」
はい。
すみません。
…………
…………
…………
…………
…………
「しゃべれや!
ナレーション黙っちょったら進まんやろが!」
えええええっ?
喋りゃうるさい、黙れば喋れ。
じゃあ、最初っから喋らせときゃ良かったじゃん。
「限度っちゅうのがあるやろがっ」
もうさ、プロローグでこれじゃあ、読者はかったるくなってるよ。きっと。
話全然進んでないもん。
「貴様がちゃんとやらんとやろが!」
ああ、もう、だんだんエルフ語が出て来よりますよ。
「ぐぬぬぬぬぬ」
タイトルで分かる通り、このエルフの少女が猫耳に憧れて。
つけ耳するものの、自分の耳が飛び出て耳が4つになる話です。
「ふざけんなー!
ンな訳あるかああっ!」
エルフの少女は鏡台の中に写る自分をもう一度見詰めてみる。
祖母から使われている三面鏡には、少しずつ角度の違った無数の自分の顔がある。
そのどれを取っても気に入らない。
長すぎる、エルフとしては美し過ぎるその耳が、どうしても髪では隠せない。
その事に彼女は不機嫌からか、つい癇癪を起こしてしまうのであった。
「お前に対してやろがあああっ!」
学園あり、冒険あり、バトルありの楽しけりゃいいって作品です。
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読んでいただきまして、ありがとうございます。
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