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LIAR・TEAR ~ライアー・ティア~  作者: 八瀬蛍
第一章 彩と緋和の出会い
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緋和ちゃんのベッド

 ――昨日はさんざんだった。息苦しいな~と思ったら何か吸わされたり点滴うたれたり。今は六時。ついさっきわたし達の部屋にも看護師さんが朝を知らせに来た。

「失礼します」

 そんな声がドアの方からした。先生の声ではない。と、いうことは他三人の誰かを担当しているお医者さんなのだろう。

 お医者さん二名、看護師三名が行ったのは緋和ちゃんのベッド。看護師さん三人の中の一人は注射器やらそんな器具。もう一人は緑のゴムのホースみたいなものを持っていた。

「昨日はよく眠れましたか?」

「……いえ、あんまり」

 カーテンがザーとしまったと思ったら、緋和のベッドで問診が行われているようだ。

「じゃあ、腕まくってね~」

 看護師さんの声が聞こえた。腕をまくらなければいけないこと――。

 思い当たるふしがあった。それは「注射」だった。

 しばらく緋和ちゃんのベッドから音が消えた。注射という予想が当たっていたら、きっと今がその最中だろう。

「はい、じゃあちょっと胸の音聞かせてね。」

 素直にパジャマのボタンをいくつか開けている音が聞こえた。よく嫌じゃないなあ。

「じゃあ、今日はエコーと心電図だから。時間は三時。」

「はい。」

「じゃあ、また後で」

 そう言ってお医者さんたちは出て行った。緋和ちゃんは直後、ベッドから出て部屋の中にあるトイレに行った。わたしも行きたいな~でも、点滴ついてるし……どうしよう。

「点滴、持って動けるけど。」

 自分で考えていると思ったより早く出てきた緋和ちゃんにそう声をかけられた。点滴の台? を見ると車輪がついていた。

「う、うん」

 急いで靴を履いて立った。緋和ちゃんは黙って自分のベッドへ戻った。やっぱりちょっと緋和ちゃんは冷たい。苦手だなぁ。


☆用語☆

『エコー』

エコ―検査の略。超音波によって行う脳や心臓などの検査。


『心電図』

心臓の収縮に伴って発生する心筋の活動の様子を、心電計によってグラフ化したもの。

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