給食みたい
「ねえ、ねえって」
身体を揺さぶられた。
「んん、まだ眠い」
「そう、じゃあお昼はいいね」
ハッと目を覚ました。自分がいるのは病院で、今起こしている人は緋和ちゃんだった。
「待って待って! いる、いるからぁ!」
緋和ちゃんは無言で廊下へ出て行った。わたしのご飯を取ってきてくれるのか自分のを取りに行ったのか分からない。緋和ちゃんがとってくれなければわたしはご飯をとれないので困る。
「ん、」
緋和ちゃんは自分のではなく、わたしのを持ってきてくれたが、お礼を言う前に廊下に行ってしまった。
やはり冷たいのか優しいのか分からない。
「いただきます」
「「「いただきます」」」
朝ご飯は白ご飯、みそ汁、漬物、鮭、ふりかけ、フルーツ、牛乳だった。いかにも病院らしいご飯だったと思う。どうせ昼食も同じような感じだろう、と思っていた。
お昼は、コッペパン、サラダ、スープみたいな洋風だった。それにデザートはきな粉ババロア。少し意外だ。どちらにせよ給食のようだ。
食べていて、あることに気づいた。少し喉に違和感がある。まあ、対して気にはしない。
わたしが食べ終わったのを見て緋和ちゃんは返しに行ってくれた。チラッと緋和ちゃんのご飯を見てみると、三分の一くらいは残っているように思える。
それに朝は気付かなかったけど、わたしのと料理が違う。パンとスープは一緒だ。
「緋和ちゃん食べないの?」
「別に何でもよくない?」
心配してあげたのに、やはり冷たい。苦手だ。緋和ちゃんはそれ以上口を開かずに自分の食器を片付けてからベッドへ座った。