暇すぎて
ベッドにいてもすることがないので、とりあえず部屋の中から出てみた。
昨日、部屋に入ってから一度も廊下には出てなかったので興味がわいた。ちょっと探検してみよう。
フリールームや図書室、受付、大浴場。いろいろな施設があった。フリールームでは園児くらいの子供が遊んでいたり、受付では忙しそうにバタバタと働く看護師さんたちがいた。いかにもわたしの大嫌いな「病院」といった感じだった。
仕方ないので、図書室に足を進めた。
学校の図書室より大きい広めな図書室だった。幅広い年齢層向けのいろいろな本があって、ここが病院ということを忘れそうだった。小説、図鑑、雑誌、漫画……なんでもあった。
しばらく図書室で時間を潰すと時計の針は十一時過ぎを指していた。時間の流れはとても早い。
部屋に戻ると、緋和ちゃんは相変わらず寝ており、心晴ちゃんも読書中だった。でも、夏目ちゃんの姿は見当たらなかった。どこへ行ったのだろう、ともう一度部屋から出た。
すると知らない子達に囲まれる夏目ちゃんの姿があった。少し疑問に思ったが、直ぐにその子達が誰かわかった。学校の友達なのだろう。邪魔しちゃ悪いな、とまた部屋に戻った。
本当に暇だ。ベッドでゴロゴロしながらお昼を待っていた。気付くとわたしは意識を手放していた。