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After happily ever after 2

あれから3日。

ことの顛末を言うと、小さな町なので噂は瞬く間に広がり、住民の半分からは軽蔑の眼差しを、残る半分からは哀れみの眼差しを向けられ、町を追われることになった。 ちなみに例の逃げ出した女性は旅の一座で各地で同じ様な事を起こしているらしく、一座の座長が妻に・・・元妻に謝罪したそうだが、それ以上の騒動には発展しなかったそうだ。


町を出るに辺っての私の所持品だが、着てる服、ナイフ、ナイフ、着てる服、着てる服、ナイフ・・・そう、服とナイフのみだった。 つまり、別の町に行くのにも、そこで生活をするにもお金を稼がなくてはいけないということだ。 自然の中で生きることはお金が無くても出来るが、ただ単純にしたくない。 しかし、背にはらは変えられないので、どこか別の町に着くまでは久しぶりのサバイバル生活に突入かと思った矢先、馴染みの商人から港町に行くので片道だけで良いので護衛しないかと哀れみの瞳と肩に優しく置かれた手と共に依頼された。 私は確信した、こいつも絶対浮気したことがあると・・・。とにもかくにも渡りに舟、有り難く依頼を受けた私は無事依頼を終え、1週間分の生活費を手に入れたのであった。

商人が別れ際に言った台詞と後ろ姿を私は今でも忘れられない。


「浮気はバレる様にしちゃおしめぇよ。」そう言って彼は、美人の愛人の腰にてを回して去っていった。


今すぐにでもシーズに戻って浮気写真をばら蒔きたい気分になったが、この世界には写真がないので諦めた。

「お前もバレろ‼」そう心の中で叫びながら。


さて、これからすべきことだがお金が持つ一週間以内にこれからの方針を決めること。この町に根をおろすか、他の場所に移動するか。 この町で生活するには仕事をどうするか。 移動するなら何処に行くか。 そんな事をグルグル考えていたら、寂しくなった。 家族を思い出した。 つい3日前の幸せな日常を思い出して、涙がこぼれた、胸が締め付けられ苦しくて苦しくて居たたまれなくなった。 風俗に行った。 所持金が残り2日分になった。 朝になった。


さて、これからすべきことだがお金が持つ2日以内にこれからの方針を決めること。この町に根をおろすか、他の場所に移動するか。 この町で生活するには仕事をどうするか。 移動するなら何処に行くか。 そんな事をグルグル考えていたら、寂しくなった。 家族を思い出した。 つい4日前の幸せな日常を思い出して、涙がこぼれた、胸が締め付けられ苦しくて苦しくて居たたまれなくなった。 昨日の夜の事を思い出してちょっと後悔した。 でも、思い出したので一人でした。 色々なことが少しスッキリしたので、これからの事をきちんと整理することにした。


まずは目的が欲しい。 生きる目的みたいな大袈裟な奴じゃ無くて、とりあえず家族を少しだけ忘れられる様な。 勿論、最終的には元嫁さんと・・・みたいな希望はあるけど、ほぼ100%ないと頭では分かっているので、現実逃避出来る程度の目的を決めたい。 思いつく限り書き出してみる。


『魔王討伐』『ハーレム』『王政廃止』『地球への帰還』『この世界の秘密を暴く』『世界平和』『ハーレム』『冒険者』『魔法習得』『ハーレム』『海賊王』『元仲間を探す』


こんなところかな。


まずは『魔王討伐』

噂によると復活したという魔王再討伐。なんか、今更感があるし、魔王を討伐してもまた復活しそうであれだし、特にメリットがない気がする。


『ハーレム』

まぁ、悪くはないかなぁ。


『王政廃止』

俺たちを殺そうとした王と貴族に復讐し同時に仲間の敵討ち。 そのまま王政廃止して民主制に移行、初代大統領に・・・。 悪くはないけど、平和に暮らしている国民を巻き込んでまで達成するべきことではないな。


『地球への帰還』

帰り方がわからないのもあるけど、今更帰っても大学中退して自分探しの旅に出てそのまま異世界に来ちゃった人間に社会の居場所はない気がするな。 何て言っても、こっち来て魔王を倒せるくらい強くなったのはこっちの重力が地球より弱いからであって、某惑星に自分の名前がついた王子様が地球に来たときと同じ気分を味わってしまった今の自分が地球に戻ったら、初めて界王様に会った地球育ちのあの人みたいに動けなくなるんじゃないかと思う。 と、言うことで基本却下で。


『この世界の秘密を暴く』

この世界と言ってはいるが、今私に分かっているのはこの大陸が南北で分かれていて、北が人間の大地、南が魔族の大地になっていること。人間の大地は神の加護と呼ばれるもので覆われていて、王都に近づくほど加護が強くなり、魔族が弱体化されること。 反対に魔族の大地は魔素と呼ばれるもので覆われていて魔都に近づくほど人間が弱体化されること。 この目に見えない空気的なあれがこの大地を2分している理由だ。ただし影響は一部の個体を除く。 と、言うのも私には神の加護も魔素も全く影響を与えなかった。 異世界人なのが理由なのかは不明だが、可能性は高いだろう。 共に魔王を倒した仲間の一人も影響は受けなかった。 ただし彼は勇者の一族と言われる由緒ある家系の末裔なので、先祖が異世界人だったのではないかと私は睨んでいる。 だが、彼は今では悪魔の末裔と呼ばれ行方不明になっている。 神の加護と魔素の研究をするのも面白そうだが、個人的にはこの大陸の外も興味深い。 なぜならこの大陸から海洋に出て生きて帰ったものがいないからだ。 この世界は地球と同じように丸いのかはたまた象が支えている世界なのか、別の大地があるのか、冒険は男のロマンだが、航海術を知らない私には今は無謀であろう。


『世界平和』

うむ、世界の全てを幸せにする自信はないがきっと半分なら、いや、人間だけじゃないよ、人間の半分、魔族の半分、合わせて世界の半分、それは女だ‼ と、ダーク・シュ◯イダー的に言っても、妻すら見捨てる私では無理だろう。 宗教活動でもしてみようかな。 何でも王都では最近爆発的になんとか教の信者が増えているらしい。 まぁ、無心教の私には・・・ん、でも、神がいないと流石に異世界転移は起こらないのか。 うむ、今度なんとか教の人の話をちょっと聞いてみよう。


『ハーレム』

まぁ、ちょっと興味深い題材だよね。 興味はある。


『冒険者』

この力があればパーティーを組んで様々な依頼をこなし、超一流の冒険者になることも可能だ・・・ただし、お尋ね者でなければだが。 自分から名声を求めるのはやめた方が良いだろう。


『魔法習得』

異世界には大きく分けて2つの異世界が存在する。 魔法を使える世界と使えない世界だ。 この世界は嬉しいことに魔法がある。 神の加護により才能がある人間は魔法を使えるらしい。 故に魔素が強い場所ではその効力が極めて弱くなるのだが、問題はそこではない。 『神の加護により』である。 神の加護の庇護下にない私には魔法を使うことは出来ない。 もちろん、色々な事を試した。 有りとあらゆるRPGの魔法を叫び続け、変なポーズもとった。 しかし私には神の加護の力の一部ですら感じることが出来なかった。 魔法の存在する世界に転移して魔法を使えない悲劇、こんな悲劇が他にあるだろうか!!


うん、あるね、4日前の事件だね。うん、知ってた。


少し、一人にしてください。


『ハーレム』

魔法が使えないならこれしか希望はない。


『海賊王』

とりあえず、言っておくのがお約束ですよね。


『元仲間を探す』

さっき話題に出てきた勇者の末裔を探す。

今更会って何を言いたいとかは無いけど、せめて無事でいるかは知りたい。 私たちと違い『勇者』と崇められていた彼は世間に顔が知れわたっている為、身分を偽って暮らすことも出来ないだろう。 私たちがシーズの町で暮らしていたのも彼が最後に目撃されたという報告があった場所だからだ。 それ以来、彼の目撃証言はない。 魔族の大地で暮らしているんではないかと内心では思っていても、家族を置いて探しに行く気にはなれなかった。 しかし、今なら・・・。


と、言うことで、目的は決まった。


『ハーレム』で!!


いや、確かに海賊王も捨てがたいけど、剣豪もコックも航海士も嘘つきもペットもロボも考古学者も音楽家もいないし、流石に小舟で海洋の勇気はありません。 ので、


『ハーレム』で!!


でも、ハーレム作るのにもお金とか必要だよな。


じゃあ、今日1日、町をブラブラして考えようってことで。

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