第九話
昨日はほとんどステータスをいじるだけだった。
今日は昨日のパーティーで疲れた人が多くいたのでお休みらしい。
でも僕は疲れることがなくなったので、今日は少し周囲の見回りも兼ねて、散歩するつもりだ。
お小遣いもらったし、何か新しいものが見つかるのを期待している。
とりあえず冒険者ギルドに向かおう。
「冒険者ギルドの場所はどこかな?」
ギルドの場所はわからないから、その辺の屋台で聞くか。
「すいません。」
「へい、らっしゃいっ!!」
焼き鳥のようなものが売られている。
「二本でいくらですか?」
「二本だと銅貨4枚だな!」
ちなみに、
鉄貨=10円
銅貨=100円
大銅貨=500円
銀貨=千円
大銀貨=5千円
金貨=1万円
大金貨=10万円
白金貨=100万円
王金貨=1000万円
ぐらいだ。
「へぇ、大分安いですね。」
「そりゃあな、うちのバジリスク焼は早い・安い・うまい!が基本だからな!」
バジリスクというのは、鶏のかたちのモンスターで、養殖がされていて安くて美味しいらしい。ただ野生のバジリスクは凶暴で石化の魔眼を持っていて非常に危険らしい。
そんなモンスターの養殖に成功したのが今のギルドマスターらしい。
「しかしこの肉美味しいですね。」
「あぁうまいだろう。それにこの肉のタレは秘伝のタレだからな!」
「へえ、そういえば件のギルドマスターがいる冒険者ギルドはどこですか?」
「ギルドならこの道をまっすぐ行ったところに、剣と盾の看板がある馬鹿でけぇ建物だぜ!」
「ありがとうございました。」
「おう!また来いよ!」
なかなか気の良いおじさんだった。
「それでこれが冒険者ギルドか。」
確かに周りの建物に比べて一回りも二回りも大きかった。
冒険者ギルドの看板は確かに剣と盾の看板だった。
勇者召喚の魔方陣の効果でこの世界の言語が分かっているので、その看板にでっかく冒険者ギルドと書かれてるのも分かった。
登録のために受付に向かった。
受付に行く途中絡まれることもなかった。
「こんにちは。ご依頼ですか?」
「いえ、登録のために来ました。」
「わかりました。それではこの用紙をお書きになっていただいて、このトレーに血を一滴垂らしてください。」
名前はオーマで年齢と特技は観察、戦闘スタイルは色々というように書き込んでいった。最後に血を垂らした。
「できました。」
「ありがとうございます。少しお待ちください。」
5分ほどして奥にいっていた受付さんが戻ってきた。
「それではこれがあなたのギルドカードになります。」
無事にギルドカードを受け取った。
冒険者のランクは、
F→E→D→C→B→A→S→SS→Vだ。
もちろん僕はFだ。ランクはめんどくさいからできるだけあげない。
その後も絡まれることはなかった。
少し期待していたんだけど。
冒険者ギルドに行ったあと、武器屋に行った。色々な剣や斧などの有名な武器があったけど、なんとなく興味なかった。
「おじさん、この店の武器はこれだけですか?」
「あぁ、ここに出てるのはな、お前はどんな武器を探している?」
「何か面白いのないですか?」
「面白いのか?……あぁ、あれとかどうだろうな?」
「あれ?」
「ちょっと取って来る。」
そういって店の奥から持ってきたのは、
「これだ!」
「いやいや、これ武器ですか?」
「あぁ、ただの武器ではなく『魔法武器』だがな。」
「これはおじさんが作ったんですか?」
「徹夜明けのテンションで作ったらこれが出来た。」
いや、だってこれどうみても、ただの文房具じゃないですか。
そう、さっきからおじさんが武器だといってるのは、シャーペンのようなものと消しゴムのようなものと筆箱のようなものだ。
「それでこれはどういう使い方を?」
「あぁ、これはな…………」
「成る程、おじさんこれいくらですか」
「買ってくれるのか!」
「結構便利そうですし。」
「ありがとな!金貨2枚だ。また面白いもんできたら呼ぶな!」
「その時はよろしくお願いします。」
今日は多分なかなかいい買い物をした。