第二話
どうやら、僕達は異世界に召喚されたようだ。最初は困惑していたが、僕はすぐに状況を把握した。軽いオタクだったことも理由の一つだろう。
周りはまだ騒々しい。
その時、
「オホンッ……どうか落ち着いて欲しい、勇者様方」
見るからに王様っぽい人が言ったが、
「この状況でどう落ち着けって言うんだ!」
誰かが言った。
確かに、至極最もだがあんな見た目で王とわかる人によく言えるな、と少し感心した。
まぁ何も見えてないだけだろう。
そのとき、
「皆さん、落ち着いて下さい」
凛とした声が聞こえた。
この学校の生徒会長、帝 清廉さんだ。
「このままでは何も分かりません。まずは落ち着いて、この人の言うことを聞きましょう」
そういっただけでざわついた雰囲気は一転した。
すごい、さすが会長さんだ。
生徒会長の帝さんは、黒髪の長髪で、長身で、顔も美人としか語彙力のない僕は表現することができない。
清廉潔白、眉目秀麗、才色兼備を地でいく人だ。
「それでは、王よ、この状況の説明をお願いします」
王は深く頷いた。
「それでは説明させていただく。まず、ここは勇者様方がいた世界とは異なる世界だ」
「この世界はいま……………」
長かったから詳細をいうと、
・魔王が出現する予言が出た
・いつ魔王が牙をむくかわからない
・自分たちでは歯が立たない
・そうだ、勇者様を呼ぼう! (今ココ)
「………という訳なのだ」
なかなか勝手な理由である。
「そんなの私たちに関係ないじゃん!!!」
誰かがいった。
「本当にすまないと思っている。しかし我々にはこの方法しか思い付かなかったのだ」
王様が頭を下げる。それを見て少し申し訳なくなったのか黙った。
「王よ、頭を上げて下さい。事情は分かりました。ですが、私達にはそんな力などありません」
その通りだ、僕達にそんな力などない。
だが小説通りならここで、
「そんなことはない。伝承通りなら勇者様方には、強大な力が宿っているはずだ。その場で『ステータス』と唱えてみてくれ」
やっぱりそうなるか。
「「「『ステータス』」」」
さーて、どんなステータスかな~
≪ステータス≫
名前:悪鬼 桜満
種族:人族
年齢:17
職業:観察者・暗殺者
レベル:1
体力:5,000
魔力:100
筋力:50
耐久:100
知力:50
精神:7,000
敏捷:50
【固有スキル】
『無個性Lv.1』
【スキル】
『全鑑定Lv.1』『無限収納Lv.1』
『観戦Lv.1』『記憶・検索Lv.1』
「隠蔽Lv.1」「全属性耐性Lv.1」
「全状態異常無効Lv.1」
「強靭な精神Lv.1」
【称号】
異世界人、巻き込まれし者、魔法の才、剣の才、平凡、歪な心、存在感希薄、外道、孤独、不屈
「…………………エ?」