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第十八話

まず始めにマコトさんは、普通にドアを開けて、正面から乗り込んだ。

そしてドアの前で武器を構えてた奴が死んだ。マコトさんが一番前に居た人の頭部をクワで半分ぐらい抉ったからだ。


それを他の相手が認識する前に、その後ろに居た二人も死んだ。銛で、刺し貫かれたからだ。マコトさんが銛を勢いよく抜き、銛に引っ掛かり、頭が取れた。


やっと仲間が殺られたことに気づいたのか全員で襲い掛かったけど、赤いミンチに変わった。マコトさんが開墾するかのようにクワを振って、全身の肉と骨が耕されてふかふかの肉の地面が出来た。


丁度そんなことが、その周囲から人の形をしたものが消えるまで行われた。


そして、その間、マコトさんはスポーツでも楽しんでいるかのように、終始笑顔だった。

その後全身を返り血で染めたマコトさんは軽快な足取りで帰ってきた。


「スッキリした!」


確かにとても清々しい顔をしている。


「何で?」

「なんていうか、プチプチを一気に潰したときみたいな感じ」


プチプチ潰すの楽しいよね!


「そうか、良かったな。

だがマコちゃん、今度は血をあまり浴びないようにしてくれ。君にあんな汚物どもの体液がかかっているのが嫌なんだ」


「分かった、今度から気を付けるね」


仲が良さそうで何よりです。


「さて、じゃあ次は俺の番だな」


「早く終わらせて、家造り頑張ろうよ。そしたら一緒にいっぱい遊ぼ?」


「さっさと終わらせる」



そう言ってゲンドー君はダーツの様なものをポケットから取り出した。


「ゲンドー君、それは何だい?」


「自作の魔道具だ。効果は見れば分かる」



ゲンドー君がそれを投げる。

真っ直ぐ集落に飛んでいき、着弾した。



地面に刺さってから2分ぐらいした後、集落が金属塊になった。


「あれの効果は範囲を指定したものを指定した物質に変える便利な道具だ。発動してからのタイムラグが大きく、こういった状況でしか使えないのは不便だな」


しかも味方が居ないところでしか使えないよね。そう考えると確かに不便かも。


「いつの間にそんなの作ってたの?」

「城を出る前からだな。必要な資源を簡単に集めることが出来ないか考えて、適当にいじってたら偶然出来たものだ」


「あの金属塊はどうするの?」

「回収して材料に使う。ともあれ、これで金属資源の問題は解決した」

「……出来れば悪人だけにしてね」

「大丈夫だ。あれは個体の無機物なら大抵のものに効果がある」


見ればわかるけどね。

要は土も変換出来るって意味だよね。

とにかくこれで盗賊は片付いた。

後は色々貰っていくだけだな。




「しっかし見事に銀世界だね~」

雪じゃなく、謎の金属だけど。

「金貨とか宝石とかは金属になってなかったけど、ここいら一帯金属に変わったからな~」


結局、ゲンドー君の兵器は、指定範囲を超えて金属に変わっていた。

でも元々金属の物とか、浮いてた物とかは変化してなかった。あれは接しているものに染みみたいに広がっていくんだって。金属が変わらなかったのはお金とか剣とかが変わるのはもったいないから事前に調整しといたんだって。

範囲に関しては調整ミスだそうだ。

本当に味方が周りに居るときは使わないでね?


「調整ミスがあるってことは打ち漏らしも要るかもって確認しに来たけど………」


「見つかったのはこの檻に入った女の子だけだし。結局この子は何なのかな?」


檻が金属製だったから被害を避けられたのか?

檻の中ってことは盗賊じゃないだろうし。


「ステータス見てみようかな?

『鑑定』」




《ステータス》


名前:なし

種族:魔族

年齢:13

職業:料理人、薬師、奴隷


筋力:500

耐久:600,000,000

知力:100

敏捷:10


【固有スキル】

『聖なる泉』

効果反転(リバース)

『ランダム』


【称号】

忌み子、化物、声なき子、歌の神の同情

美の神と愛の神の祝福


【状態】

 隷属(奴隷の首輪・足枷・手枷)

 拘束(猿轡、足枷・手枷)

 衰弱(疲労、栄養失調、脱水症状)





「フアッ!?」

ステータス全体的に低いなぁって思ったけど。耐久6億って!固ッ!敏捷10って低ッ!完璧に壁役・囮役だよ。

だけど凄く可愛い。この見た目だったら囮にはされないだろうな。なにもされていないといいけど。


しかし、奴隷で魔族か………。


実際、そんなに強くないし、何も問題ないだろう。名前がないのは気になるけど。というかステータス的に今すぐ死にそうなぐらいだし。


だけど料理人か。凄く、欲しい。

あと可愛い。欲しい!


ゲンドー君のスキルに料理は含まれなかったからな~。

しかも僕も含めてまともに料理出来ないし、マコトさんに作らせると人殺せる毒物出来上がるし。


「ま、いいや。とりあえず連れてこ」



戻ったとき、勿論変な誤解を受けた。

魔族とはいえ、可愛らしい少女の見た目をしているのだ。そんな少女が布一枚でほとんど裸のような状態で僕に抱えられてるから、


「あぁ、そういう趣味なんですね。金輪際近寄らないでください」

とか、

「お前がそういう奴でも俺は友達でいるからな」

とか、そういうことを言われて、誤解を解くのは大変だった。色々説明してもマコトさんにはずっと冷たい目を向けられた。


その後そこそこの時間をかけて誤解を解いた。


「で、この子が魔族の少女?」


「うん。どうしようか?」


「連れてってもいいと思うけどね。魔族ってだけだし。何よりこの子、可愛いじゃない!」


確かに。



白い肌に美しい銀色の髪、薄い唇に整った目鼻立ち。年相応の顔をしているが何故か大人の色気と言うのだろうか、そのようなものが感じられる。

胸はささやかで、全体的にスリムな体型。しかし寸胴ではなく、お腹はキュッとくびれていて年のわりにセクシー。

背丈140センチぐらいで、脚はスラッと伸びていて、濡れた唇が艶やかに感じさせる。


どう見積もっても美少女には違いない。

この美しさを表現する語彙力がないことが悲しいな。


見た目的には、僕の好みダイレクトな上に、決してロリコンではないが、年齢的にもいい。

絶対僕はロリコンじゃない。

スキル的にも非常に興味をそそられる。

出来れば仲間になって欲しい。

勿論僕はロリコンじゃない。


「まぁ取り敢えずは目覚めるまで待つしかないかな?」

「うんうん、その間よく考えておきなさいね。じゃあ私は原くんのお手伝いしてくるね。仲間になるなら教えてね?」


「え、一緒にこの子見てくれるんじゃないの?」

「だって私はゲンドー君さえ居ればいいもの。仲間になってもらいたくない訳じゃないけどね。まぁ説得頑張ってね~」


そう言って、行ってしまった。

仕方ない、起きるまで待つか。

あぁ衰弱とか治せるように準備だけしときますかね。

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