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第十六話

さて、今日は城を出る日だ。

とりあえず王様たちに挨拶しに行こう。


「こんにちは~。」

「おお君か。どうしたんだね今日は?」

「はい。今日城を出ようかと思いまして、挨拶しに来ました。」


「なんと! そうか。別に城を出なくとも、ここで暮らしてもよいのだぞ?」


「ありがとうございます。でも旅をしてみたいと昔から思っておりまして。」


「そうか。なら行ってこい。身体を大事にな。そうだ。ある程度の生活費を渡そう。少し待っていろ。」


兵士の人がお金の入った袋を渡してくれた。結構な量が入っている。


「こんなにいいんですか?」

「あぁ持っていけ。当面の生活分だ。少し私からの礼も含まれているがな。」


「? 僕は何もしてませんよ?」


「いやいや、君と居るときの娘はとても楽しそうにしておったのでな。それの感謝の気持ちだ。」

「そういうことなら、ありがたく。」


さて、挨拶も済んだし出ますかね。


「じゃあ長いことありがとうございました。王様もお元気で。」


「あぁ、君も元気でな。」


そう言って、部屋の扉を開けるとそこに王女様がいた。


「オーマくん? こんなところでどうしたんですか?」

「あぁマリーさん。今日から旅に出ることにしたんだ。」


「今日!? どうして事前にいってくれなかったんですか! 言ってくれたら、お見送りの準備も出来たのに!」

「いやー。ちょっと前に決めて言うの忘れてた。ごめんね?」

「ごめんねじゃありません! ちょっと待ってて下さい!」


そう言って急いで出てって、直ぐ戻ってきた。


「これ、どうぞ。」


それは綺麗な魔石の付いたシンプルな作りのブレスレットだった。


「これは?」

「通信の魔道具です。これがあればいつでも声を伝えられます。」


「こんな大層なものもらっていいの?」


「大丈夫です。これがあればいつでも連絡できますよね? 使い方は魔力を注いで通信相手を思い浮かべるだけです。色んな冒険の話聞かせてくださいね?」


「ありがとう。それとさ、ちょっとこれ、ここで改造していい?」


「改造、ですか? 出来るとは思えませんけど、いいですよ。壊さないでくださいね?」

「大丈夫大丈夫僕がやるわけじゃないから。じゃあそっちのも貸してもらえる? ありがとう、それじゃ、おーい、ゲンドーくーん」

すぐに返事が来た。

「なんだ?」

「これ、顔も見れるよう改造して?」

「貸せ。…………………出来たぞ。」

「ありがと。マリーさん、これで顔も見れるようになったよ。……マリーさん?」


「……あの、今のは?」


今の?って何だ?

……あぁ。ゲンドー君のことか。


「今のは(僕の)スキルで飛んできた仲間だよ。スキルについては詳しいことは秘密。」


「あ、そうですか。そんなスキルの持ち主っていたかしら?そもそもあの子生産系だったかしら? まぁ細かいことは考えるのも失礼ね」



「じゃあそろそろ行くね? マリーさん」

「はい! 定期的に連絡くださいね」



よーし、じゃあ出発だ!


最初はまず冒険者ギルドだね!






「とりあえずゲンドーくんも登録してね。身分証になるし。」


「その冒険者ギルドとは何だ?」

「仕事凱旋所みたいなものかな? 色んな仕事が出来るし、ゲンドーくんも気に入ると思うよ。」

「ほう?」



「登録ですか?」

「はい。僕はもう登録してるので、この二人をお願いします。」

「分かりました。」


さてさて面倒ごと起こらないかなー?


「おい、てめーら!」


酔っ払ったおっさんが話しかけてきた。

これは絡まれたか!


「何ですか?」


「お前ら冒険者になりにきたのか?」

「そうですが?」


「なら死なないように気ぃつけろ。冒険者は命あっての物種だ。冒険者として生きていくなら、どんなときも生き汚くあれ。そして、冒険者とは自由な職だ。

貴族だろーが、王族だろーが、構わず、お前らが生きていくために利用してやれ。勿論、ギルドの上の奴等もな!」


メッチャイイ人だ!あれなんか恥ずかしい絡まれること期待してた自分が恥ずかしい。


「ギルドの職員だけじゃねぇ。俺らもお前らの力になる。おい、お前ら! こいつらは新入りだ! 歓迎の宴を始めるぞ!」


『『『『『『『オオッ‼』』』』』』』


酒だ、酒をもっと持ってこい。とか騒ぎながら僕たちから離れていった。


みんなイイ人たちだった。

冒険者って荒くれが多いと思ってた。意外だ。


「冒険者がこんな人だとは思っても見なかったような顔ですね?」

「その通りだよ。職員さん。盗賊紛いの人ばかりと思ってた。」


「そんな人たちもいるんですけどね。

ここが特別仲間意識が強いんだと思って下さい。それもこれもギルドマスターのお陰なんですけどね。」

「ギルドマスターって?」


「あなたに最初に声をかけてきた人ですよ。ただの酔っぱらいにしか見えないと思いますが、ギルドの人だけじゃなく国民からもとても慕われているんです。」


(あの「宴だ! 宴だ!」って騒いでるおじさんがギルマスかー。人は見た目によらないな~。)



それ以外にびっくりするようなことは起こらず、無事に冒険者となった。


とりあえず、ある程度準備が整うまでこの国に滞在するから、近くの宿屋を使うことにした。


ベッドは少し固かったけど、お城のやつより落ち着いて寝れた。

やっぱりふかふかのベッドは落ち着かないよね。


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