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第十二話

さて僕達が召喚されてから約1ヶ月が経った。魔王が生まれるまで2・3年あるらしい。勇者の成長を考えてこの年に召喚したらしい。僕にとっても都合がいいから気にはしないけど。


僕以外の人は真面目に勇者らしく頑張ってる。サボってる人もいるけど、そういう人の大体は特殊な訓練方でしか鍛えれない人だから問題ない。


僕のクラスには僕以外特殊なスキル持ちはいないみたいだ。


そういえば、この世界に来てから知り合った人が出来た。クラスの人とは相変わらず全く関わらないが、その人とは、ときどき話したり、お互いの固有スキルについても打ち明けられるぐらいの仲になった。

僕と同じように勇者として魔王に挑むのでなく、やりたいことをやるために旅に出たいらしい。それがなんなのかは聞いていないが出来る限り手伝うつもりだ。

僕が手伝えるものだといいけど。


自分も旅に出ることを言って、一緒に来ないか、と言ったら考えておくって言ってたからその返事も楽しみにしている。

そんなことを考えていたら件の人物が丁度来たみたいだ。



「やぁ、おはよう原動君。」

「あぁおはよう。オーマ。」


そう、さっき考えていたのは彼のことだ。彼の名前は

労働(はたらき) 原動(げんどう)

名前の通りに、働くことが原動力であるかのような人間だ。

口癖は、「働くことこそ至高。」

長期間働かないと禁断症状が出てくるらしい。だから彼にとっては今の状況は非常に辛いのだとか。


「昨日はよく眠れたかい?」

「いや、全然。やっぱり働きたくて手の震えが止まらないんだ。」

「そうなんだ。禁断症状は出てるかい?」

「いや、まだそこまで。ただ、あんまり長くは持たなそうだ。」

「ふーん………あ、そうだ一個聞きたかったんだけどさ。」

「ん、何だ?」

「旅の目的は何?」


「あぁ、それか。俺は昔から物作りがしてみたくてな。ただ人から教わるより、旅しながら自分の思うようにやりたかったんだが……」

「何かあったの?」

「物を作るための拠点がなくてな。物作りするぐらいだから、大きめの拠点が欲しいんだ。ただ旅をするってなるとな。」

彼の目的を聞いてから提案したいことが増えた。


「そういえばさ。」

「ん?」

「前提案したことなんだけど。」

「ん?……あぁ旅の仲間に来ないか、だったか?」

「うん。やっぱり一緒に来ない?」

「別に問題はないが、急にどうした?」

「拠点のことさ、僕のスキルで解決すると思う。」

「どういうことだ?」



僕のスキルには『生産世界の開拓者』というものがある。



『生産世界の開拓者』

生産世界を作る。生産のための世界。

拠点を建てることもできる。

この世界での生産物は作成者のスキルによって、作成するものにかかる呪いが変化する。



この通り、拠点を中に作ることが出来る一度入ってみたが世界と言うだけあってなかなか広かった。

というより、どこまでも続いてた。

生産のための世界だ。何をどんな風に作っても呪いがかかってしまうが、ある程度は原動君のやりたいことをやりたいように出来るだろう。


それを説明すると、


「そうか、それはいいな。ならば旅に同行させてもらおう。」

「必要なときに言ってくれれば直ぐに開くからね。」

「わかった。これからもよろしく頼む。」

僕の旅の仲間が増えた。

いやー、旅に出るのが今から楽しみになってきた。


「ところで……」

「ん?」

「オーマの固有スキルはスキルを作るものだったよな?」

「うん。それがどうかしたの?まさかスキルを作ってほしいの?いいけど、つまんないスキルは作らないよ?」

「ああ、わかってる。ただ今から頼むものなら断らないと思う。」

「ふーん。どんなスキル?」


「ああ、俺が今持つスキルを全部消去してランダムで新しいスキルを手に入れるスキルを作ってほしい。」


「何でそんなスキルを?」

「俺のスキルが全て戦うためのスキルだからだ。」


そう、原動君のスキルは勇者として召喚されたからか、全て戦闘スキルなのだ。本人は全く気に入らず、僕のスキルの内容を聞いてから、考えていたという。



「まぁ、それなら作ってもいいかな。ただ少し時間をもらうね。ん~、明日でいいかな?」

「お願いする。」



そこで別れてから、僕は自室に戻った。




よーし、じゃあ張り切って今から作り始めるか!


どんなスキルがいいかな~?




数十時間後…………




よーし、出来た~!

すっかり暗くなっちゃったな。

明日約束通りこのスキルを渡そう。

お休みなさい。


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