表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
温度  作者: 啓。
3/7

大嫌いだ

「凛歩ー、眠くない?」


朝、学校に着くなり、友人から飛んできた言葉は、おはようではなかった。


いつも通りだが、何故かスルーせずにはいられない。


「おはよう」


けど、そこをぐっと堪えて普通の挨拶をした。


そうすれば和も気づくと思った。


朝はおはようから始まるってこと。


「うん、ねえ聞いてよ。あのさ、昨日さ彼氏と電話をしてたら、切りたくなくなっちゃってさ。寝れなかったんだよね」


私はその瞬間、諦めた。


真面目に対応するだけ無駄だと。


まー、昔からそうだからほとんど諦めついてるけど。


「凛歩、きいてる?」


考えてるといつの間にかHRの時間に近かった。


「ごめん、和。私やらなきゃいけないことがあるから。また昼休み聞くよ」


そう言って私は自分の役割を果たすため職員室前へ行く。


私はみんなに配るプリントをとりに行く係だ。


高校生にもなってこんな係があるなんて思ってなかった。


「高月」


聞き覚えのある声だった。急に背後から呼ばれて振り返ると担任だった。


「はい」


「進路の紙、お前だけだぞ出てないの。ったく、お前ん家の母ちゃんはどうなってんだよ。それともあれか?お前、紙出してないんじゃないのか?」


担任だからって、いつもこいつはズカズカと心の中に入ってくる。


そして、荒らしたあとに出ていく。


そんなことまで言わなくていいのにって事をこいつは言ってくる。


私はこいつが大嫌いだ。


「知りません。直接母にきいてもらえますか?」


そう言ってその場から離れた。


いつもなら、重いプリントの束が、今だけは怒りのおかげで軽く感じた。


みんな、ほんと脳みそすっからかんだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ