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後ろ姿
凛歩。この名前は、母がつけてくれた名前。
由来は直接聞いたことは無いが、授業参観のある日の朝、名前の由来の紙だけ残して出ていった。
あの後ろ姿は今でも忘れれない。
あの朝、私は授業参観だと母を部屋まで起こしに行った。
名前の由来の授業で、みんなの前で名前の由来を発表しなきゃいけなかった。
だから、恥ずかしい思いはしたくなくてそれだけは聞いておきたかった。
だけど、母は、目を覚ますことなく。私は母の部屋から引き返し諦めた。
が、私が学校へ行く直前になって急に母は起きてきた。
そして、なにを感じのか分からないが、急に手にペンをとり紙へ文字を書き始めた。
そして、その紙を私に渡したあと、玄関に佇む私に向かって『邪魔』と、一言いい、財布と薄手のパーカーをもち出ていった。
その時の後ろ姿は寂しそうな雰囲気をしていた。
学校に行くと、先生から弁当が渡された。
コンビニ弁当で、誰とは言ってくれなかったが、生暖かいコンビニ弁当は、母からだと物語っているように見えた。
もし、母でなかったらなど、一度も考えなかった。