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エピローグ

 11月5日 1108時 ディエゴガルシア島


 轟音を立ててこの島の主たちが帰ってきた。エプロンに、彼らが留守の間、この基地を守ってきたクルーたちが整列して待っている。


 航空機はエプロンに並べられ、その中からF-15CとF/A-18Cが、オーバーホール施設へとトーイングされていく。この戦いで、あらゆる機体が酷使されたため、通常の整備だけでは、恐らくは調整は出来ないであろう。帰還する前に、スタンリーは基地の技術班に、機体のオーバーホールの準備と、予備機の調整を指示していたため、戦闘機が全く使えない、という状況は避けることが出来た。


 戦闘終結ののち、"ウォーバーズ"のメンバーは、UAEで思い思いの休暇を過ごした。観光地へ出かけることは、皆無に等しいため、ベン・ハミルトンやイアン・コナリーのように、少々羽目をはずしすぎてしまったメンバーもいたが、現地では大きなトラブルは無く、至って楽しい休暇を過ごすことが出来た。


 11月5日 1119時 ディエゴガルシア島


 佐藤は自分のF-15Cのハンガーの中にあるベンチに仰向けになって、天井を見上げていた。ここ数日の疲労がどっと押し寄せてきて、暫く訓練飛行を休みたい気分だった。年齢的には、航空自衛隊ではまだまだ中堅パイロットとは呼ばれないくらいだが、傭兵というハードな仕事を続けていると、空自にいた時に比べて、倍近いスピードで年を取っているかのように感じた。やがて、彼は目を閉じ、眠りについた。原田に見つかったら、締め上げられつつ叩き起こされることになるが、構うものか。


 B747-8Fが滑走路に着陸した。エスコートしていたユーロファイターとSu-27SKMが、滑走路上を低空でゴーアラウンドする。747はエプロンにタキシングしていき、貨物の積み下ろしと燃料補給をすぐに始めた。


 UAEは、元の日常を取り戻し始めたようだった。ドバイには観光客がやって来て、戦闘で破壊された市街地の復興には、多くの海外の企業が名乗りを上げた。経済の専門家が、1年以内には、UAEは戦争前の姿を取り戻すであろうとの見通しを示していた。


 ゴードン・スタンリーは、自分の執務室のパソコンに向かい、情報を調べていた。すると、先日、コンタクトを取った、元スウェーデン空軍のパイロットからメールが届いている。その内容を見たスタンリーは、口の右端を微かに釣り上げた。

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