先生の友人
寺子屋の先生のお手伝いをした一週間。
この一週間で、学校に対して少し考えが変わった気がした。
現実だと、クラスの中になにか黒く渦巻く不穏な空気が漂っている気がしていた。
特に、女子の関係が私はすごく嫌になっていた。
だが、慧音さんの寺子屋はそんな空気は一切ない。
まだ年の若い子供達が多いからなのかもしれないが、嫌な空間ではなかった。
しかも、先生もやさしく、みんな笑顔だった。
その姿をみて、私もこんな学校に通えたら楽しく過ごせたのかなぁ、と感じていた。
今日は寺子屋が休みの日らしい。
少し遅くまで寝ていられることができて、目覚めもいつもより軽い。
もともと、私は朝が大の苦手なので、少し寝れる時間が増えるだけでもだいぶ寝起きに差がある。
那穂海は私と正反対で、朝にめっぽう強い。
さて、今日は慧音さんが竹林の方を紹介してくれるらしいので、私たちは準備をして行った。
「慧音先生。竹林ってどこにあるの?」
那穂海が聞いた。
「ここから南西の方に見えるところが竹林だ。だが、一人で絶対に行ってはならないぞ」
慧音さんが注意をする。
「あの竹林は迷いの竹林と言われていて、その名の通り、知らない奴が一度入ると出て来れなくなる」
「そんなに危険なんですね」
「そうだ。だが、稀に人参のペンダントをしたうさぎか、私の友人の人間に会えると帰って来られるんだ」
人参のペンダントをしたうさぎ・・・いったいどんなうさぎなのやら。
「今日は、今言った私の友人の所におすそわけを持って行くんだ。ついでに、那穂海ちゃんの能力向上のためになる人のところにもな」
会う人のため、風呂敷で包んであるものをしっかりと手に持つ慧音さん。
「そうなんですね」
「では早速行こうかね」
「しゅっぱーつ!」
竹林の方に向けて歩き出して行った。
竹林には一本の道があり、その途中であちこちへ分かれ道がいくつも伸びていた。
更に、太陽が登って居るのにもかかわらず、竹の葉が空を覆い隠していてやけに薄暗い。
確かにこの中を知らずに歩くのは危険と感じる。
那穂海の能力を強引に使えば人里までいけるかもしれないけど・・・
慧音さんはすでに何度も行き来しているらしく、的確に道を歩いて行った。
その後を、迷わないように後を追って歩く。
1,2時間ほど竹林を歩いたぐらいだっただろうか。
そのぐらいの頃、竹林の奥の方から一人、こちらの方へ歩いてきていた。
その姿に気づいた慧音さんが、こちらに来る人に声をかけた。
慧音さんに気づいた人も、返事をして、私たちのもとにやってきた。
「慧音、この子達は一体?」
長く白い髪で、もんぺの人が慧音さんに尋ねた。
「ああ。この子達はつい最近幻想入りした子達なんだ」
慧音さんが答えた。
「そうかい。でもまたどうしてだい、こんな竹林にまで」
「妹紅にも顔をみせて置きたかったのと、永遠亭にこの子達の用事があってな。あと、これを」
そう言うと、風呂敷で包んで持ってきたモノを、妹紅と呼ばれた人に渡した。
「ありがとな。で、永遠亭に用事とは珍しいな。何かこの子達が病気でもしたんかい?」
「い、いえ。病気なんて、ほとんどしたことありません」
私が遠慮気味に言う。
「そうか。そりゃいいことだ」
妹紅さんがそういった。
「ならなぜだい?」
私と慧音さんで妹紅さんに今までの経緯などを教えた。
「なるほどな。その子の能力での相談か」
納得の妹紅さん。
「私はさすがに永遠亭までの行き方は知らないのでね。妹紅に会えば教えてくれると思ってここにきたんだ」
慧音さんが道案内を頼んだ。
「いいけど、今日もあれをやる予定だ。邪魔は禁止な」
「いいとも。私たちは薬剤師の人たちと休んでいるからな」
あれって何なんだろ?
でも、どうやら慧音さんが言っていたえいえんていまでは連れて行ってくれるようだった。
慧音さんと妹紅さんに迷わないようにまたついていった。
慧「だが、飽きないな、妹紅たちは」
妹「しょうがないんだよ。昔からやってきたことだ」
慧「最近はどうだい?」
妹「最近は引き分けが多い。途中で止めに来たり、別件が入ってしまってな」
慧「そうか。まぁ、頑張りたまえ。妹紅よ」
次回もお楽しみに!




