表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/72

62.最強パーティの戦闘


 翌朝、支度をしてすぐに北の山岳地帯に向けて出発した。

森を抜け、草原を駆ける。

朝露が草を濡らし、陽光がそれを照らしている。

空気が冷たく、澄んでいた。


「最短ルートで目的地に向かいますので、少々危険な山岳を通過します」

レオンハルトが前を向いたまま告げた。


「このルート、危険な山岳って……まさか!」

リリィの声が震える。


「ドラゴンの生息地ですね」

フィオラが静かに答えた。


「激ヤバ危険指定区域じゃん!」

リリィが叫ぶ。

ガルカの背で、彼女がしがみつく手に力が入った。


「割と大丈夫っすよ?」

ジャックが軽く笑う。


「ま、私たちの実力見せてあげる」

サラが得意げに言った。



しばらく走ると、景色が変わった。

草原が途切れ、岩肌が剥き出しになった山岳地帯に突入する。


灰色の岩が切り立ち、影が濃い。

空気がさらに冷たくなった。

風が吹き抜け、岩を叩く音が響く。


「さぁ、どんどん行きますよ」

レオンハルトが号令をかける。


俺たちは本当に真っ直ぐ最短ルートで駆けた。

岩の間を縫い、崖を登り、谷を飛び越える。

ガルカの足音が、規則的に岩を叩く。


「あ、二時方向、モンスター接近っす!」

ジャックが叫んだ。


空を見上げると──

真っ赤に燃え上がる龍が、こちらに向かって急降下してくる。


炎が尾を引き、空気が歪む。

轟音。風圧。


俺たちの目の前に降り立った。


ドスンという衝撃。地面が揺れ、小石が跳ねた。


「グルァァァァァァァァ!!!!!!」


咆哮。耳を劈く轟音。空気が震えた。


「ひいい、フレイムドラゴン!」

リリィが悲鳴を上げる。


「で、でっけぇ……」

俺も思わず声が出た。


体長は十メートル以上。

赤い鱗が陽光を反射し、全身から炎が立ち上っている。


「処理しますので、後方へ」

レオンハルトが落ち着いた声で言った。


「二人とも、こっちこっち!」

サラが手招きする。

俺たちはサラの後方に下がった。



「いつも通り行こう、ジャック」

「了解っす!」


ジャックが呪文を唱える。

冷気がフレイムドラゴンを覆っていく。

白い霧が龍を包み、炎が弱まる。


さらに──

バキッ、バキッ、と何かが割れる音。


「冷気で鈍らせて、更に魔法障壁に弱体化を加えてる」

リリィが解説する。


ドラゴンが身を捩る。炎が揺らめき、咆哮を上げた。


そして──

口が赤く光る。喉の奥が真っ赤に染まった。


次の瞬間──


「ギュオオオオオン!!」


一条の熱線が、空気を焼きながら放たれた。


「や、やべぇだろ!」

俺が叫ぶ。


空気が歪み、地面が焦げる。


だが──

レオンハルトがジャックの前に出て、盾で受け止めた。


銀の盾が輝き、熱線を弾く。

火花が散り、轟音が響く。


サラが後方で支援魔法を唱えている。

淡い光がレオンハルトを包み、彼の体が輝く。


問題なく受け止めている。


数秒、十数秒──

熱線が途切れない。地面が溶け、岩が砕ける。


だが、レオンハルトは微動だにしなかった。

ジャックは冷気を与え続けている。


いつの間にか炎はほとんど鎮火し、動きが鈍化していた。


熱線が途切れる。



フレイムドラゴンが飛び立とうと翼を羽ばたく。

だが──上昇しない。


翼には無数の穴が空いていた。

血が滴り、膜が裂けている。


「……え?」


「フィオラさん……」

リリィが呟く。


フィオラの剣が、残像を残しながらフレイムドラゴンを刻んでいく。


一閃、二閃、三閃──

数えきれない斬撃。


龍の体に無数の切り傷。血が噴き、鱗が砕ける。


「グルァァァ……!」


だが、もう遅い。


レオンハルトが踏み込む。大剣を振りかぶる。


銀の刃が輝いた。


──一閃。


ドラゴンの首が切断された。

鈍い音と共に頭部が転がり、体が崩れ落ちる。



「お待たせしました」

レオンハルトが振り返る。剣を鞘に収め、微笑んだ。


「おいおいおい、すっげえな」

俺が言う。


「ふん、こんなの朝飯前よ」

サラが得意げに言う。少し息が上がっている。


(こりゃ神崎が呼ばれなかったわけだ……)


「さすがS級最強パーティね」

リリィが感嘆する。



「さぁ、今日中にこの山岳を抜けてしまいましょう」

レオンハルトが前を向いた。


その後も、何体も半端なくヤバそうなドラゴンが襲ってきた。

だが、難なく倒していく。


最強の盾と剣を兼ね備えたレオンハルト。

最強の魔法と剣を振るうフィオラ。

状況判断と支援、時には有効打を入れるジャック。

圧倒的サポートと回復魔法のサラ。


正に完璧な布陣だ。



夕方には山岳地帯を越えた。

空が茜色に染まり、影が長く伸びている。


「今日はドラゴン肉っすね! 結構いけるっすよ!」

ジャックが満面の笑みで言った。

 

さっきまでの激戦が嘘のような明るさだった。


(普通にこいつら、魔人倒せるんじゃね……)


そう考えていたら──


リリィの様子がおかしい。

顔が青ざめ、額に汗。


「どうした?」


「気持ち悪い……変な魔力感じる」

リリィの声が震える。


「!?」


レオンハルトが即座に反応した。


「戦闘準備、周囲の警戒を怠るな」


全員が動きを止める。


「正面、なんか変なのいるっす!」

ジャックが指差した。



前方に、何かがいる。


人間……のような。

でも違う。


肌は灰色、目は虚ろ。

口が歪に裂け、体が不自然に歪んでいる。


「人間……じゃありませんね」

フィオラが剣を構える。


「人間様のモンスター?」


全員が警戒しながら距離を取る。


「魔人の瘴気から生まれた魔物だろう」

レオンハルトが低く呟く。


「まずは魔法で──」


話している間に──


魔物がレオンハルトを通り抜け、サラの正面に立っていた。


「──ッ!?」


速い。目で追えない。


魔物の口が青白く光る。


「ひっ」


サラが声を上げる。



「オラッ!」


後ろにいた俺は飛び出し、拳を振り抜く。


バギィ!


魔物の顔面を殴り、地面にねじ込む。

土が跳ね、岩が砕けた。


頭が潰れた。

死んだか……?


魔物は黒い粒となって霧散した。


「サラ! 無事か!」

レオンハルトが駆け寄る。


「だ、大丈夫……」

サラが震える声で答える。


小さな体が震えていた。


「鬼塚さん……」

レオンハルトが俺を見る。


「ありがとうございます」


深く、頭を下げた。

 

【読者の皆様へのお願い】



ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もし「面白かった」「続きが気になる!」と少しでも思っていただけたら



下にある【☆☆☆☆☆】から作品への評価をお願いいたします。



面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちもん大丈夫です!



ブックマーク登録もあわせてお願いします!



「評価」が更新の原動力になります。何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ