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『喧嘩無双〜魔力0で追放された俺、魔法を拳でぶっ潰す〜』   作者: 緋村 獏


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59.魔人討伐遠征会議


「まず……以前お話しさせていただいた、魔人の出現についてです」


バルトロメオが、レオンハルトに視線を向けた。


「では、レオンハルト。君から説明を頼む」


「はい」


レオンハルトが立ち上がり、テーブルに地図を広げる。

羊皮紙が音を立てて開かれると、彼の手から淡い光が流れ込んだ。


魔力だ。


地図全体が青白く発光し、王国全土が浮かび上がる。


「我々は約二年前から、ギルドマスターの命を受け、異質な魔力反応を追ってきました」


レオンハルトの指が、北の山脈の箇所を示す。

その部分が、赤く染まった。


「当初は反応が微弱で、位置の特定は難航しておりました」


地図上の赤い光が、ゆらゆらと揺れる。


「しかし一年前──反応が変わったのです」


レオンハルトの声が、低く沈む。


「微弱化し、同時に複数の地点に分散した」


指が地図を滑る。

複数の小さな印が、各地に浮かび上がった。


「まるで……分身を撒き散らしたかのように」


沈黙。

誰も何も言わない。


「我々は、その全てを追い続けてきました」


レオンハルトが顔を上げる。


「しかし、追っては消え、また追っては消えの繰り返し」


彼の表情が、わずかに歪む。


「そうしていくうちに、やがて異常な魔力反応もほとんど観測できないほどになってしまっていたのです」



「え、やだ気味悪い……」

リリィが眉をひそめる。


「あんたらにびびって逃げたんだろ」

俺が口を挟んだ。


「だとよかったのですが」


レオンハルトが苦笑する。

だが、その笑みには影がある。


「つい先日、突如として魔力反応が膨大に膨れ上がったのです」


地図の北部が、激しく赤く明滅した。


「ここからではまだ観測できませんが」


レオンハルトの指が、山脈を示す。


「北の山脈を中心に、恐ろしいほどの瘴気を広範囲に撒き散らしています」


空気が重くなる。

フィオラの表情が引き締まり、ジャックが唾を飲み込んだ。


「そして我々は、これらの異常を報告すべく急遽帰還しました」


レオンハルトが地図を見つめる。


「これが、現在の状況です」



「魔力とかそういうの疎いんだが」


俺が腕を組んだ。


「具体的にどんなもんなんだよ?」


レオンハルトが、真っ直ぐこちらを見た。


「我々では討伐どころか、軽くあしらわれるほどの圧倒的な魔力量」


その声は静かだが、重い。


「まさしく、国を脅かす厄災と捉えています」


「ジャックなんて漏らしてたんだから」

サラがぼそりと呟いた。


「ちょ、漏らしてないっす! ちびっただけっすよ!」

ジャックが慌てて否定する。


「到底、我々では太刀打ちできないでしょう」


レオンハルトが深く息を吐いた。


「やはりこれまでの史実通り、勇者様にご助力を賜るしかないのですが……」


言葉が途切れる。



「ああ、聞いたよ」


俺が前に出た。


「神崎がダメだから、俺が呼ばれたわけだ」


視線を逸らさない。


「二言はねえ。行ってやるよ」


レオンハルトの目が、わずかに見開かれた。


「ありがとうございます、鬼塚さん!」


彼が深々と頭を下げる。


「本当に、なんとお礼を申し上げたらよいか……」


「いいって」

俺は手を振った。


「国がヤバいんだろ? ここには世話になった奴もそれなりにいるしな」


少し間を置いて、問う。


「勝算はあるのか?」


「もちろん」


レオンハルトが顔を上げた。


「我々の連携に、あなたの魔法無効化の力が加われば可能性はあります」


だが、その表情は険しい。


「しかし、相手の力量があまりにも未知数なため、保証はできかねます……」


彼が唇を噛む。


「それでも──」


「二言はねえ」


俺が遮った。


ホッ……


レオンハルトが安堵の息を漏らす。


「本当に、ありがとうございます」



「剛くん、まじかっけえっす!」

ジャックが目を輝かせた。


「絶対、魔人ぶっ倒してやりましょ!」


「当然よ」

フィオラが静かに頷く。


「負ける気なんて、毛頭ないわ」


「ふん、調子いいこと言って」

サラがぷいっと顔を逸らす。


「足引っ張らないように、近くにいてよね!」


「(私がサポートするから任せてって意味っす)」

ジャックが耳打ちしてくれた。


「お、おう」



「魔人がいると思われる北の山脈地帯には、約二週間かかります」

レオンハルトが地図を指差す。


「途中、小さな街もありますので、そこを中継して魔人の元に向かいましょう」


「あたしも行くから!問題ないわよね?」


リリィが手を挙げ身を乗り出す!


「もちろん! 先程も申し上げた通り無事は保証しかねますが‥」

「正直とても助かります」

レオンハルトが微笑む。


「未知の魔法と遭遇する危険もありますし、なによりリリィさんのサポート能力は、この遠征でとても頼りになります」


「まっかせてよね!」

リリィがVサインを作る。


「それでは……」


レオンハルトが全員を見渡した。


「うむ、それでは明後日明朝に出発といきましょう」


バルトロメオが立ち上がる。


「各々準備を整え、北門に集合するように」


威厳ある声が響く。


「それでは、これにて会議を終了とする」



俺たちは会議室を出た。


廊下は相変わらず静かだ。

階段を降りる足音だけが響く。


「びびった?」


リリィが横から覗き込んできた。


「はん? またそれか」


階段を降りながら、俺は笑った。


「……最高だよ。絶好調だ」


嘘じゃない。

本当だ。


前世で喧嘩しか取り柄のない、どうしようもないチンピラだった俺が、国を救う。

世話になった奴らを助けることができるんだ。


喉の奥が熱い。

血が、全身を駆け巡っている。


俺はかつてないほどに、高揚していた。

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