『担任、やっぱり宇宙人だった件について』
~授業参観日・3限目 数学~
担任「みなさん、今日の授業では“宇宙的関数”について学びます!」
星司(心の声)
「宇宙的関数ってなんだよ……いや、地球的関数との違いって何だよ……」
陽菜(小声で)
「ねぇ星司……この人、ほんとにただの人間?」
星司「やめろ、言葉にすると現実になる。」
担任「まず、通常の二次関数ではこのように放物線を描きますが――」
(黒板に謎の記号と五次元図形っぽい何かを書く)
保護者A「え?これって……関数、ですよね?」
担任「はい、“テュルク星の教育課程”で基本として習います。」
星司「……」
陽菜「……」
星司&陽菜(同時に小声で)「今“テュルク星”って言ったな!?」
~そして爆速で授業が進行~
担任「はい、ではこの“反重力ベクトル”を活用した一次関数の応用に入ります!」
保護者B「えぇぇ……反重力って、日常生活で使うんですか?」
担任「あ、すみません。地球ではまだ未導入でしたね。つい“母星基準”で教えてしまいました!」
星司(心の声)
「もはや自白。」
陽菜
「いやこの人、地球歴長くないのかよ……」
~放課後:星司&陽菜の緊急会議(物陰で)~
星司「今日の担任の言動、完全にアウトだったな。地球ルール無視しすぎだろ。」
陽菜「ていうか“母星基準”って言っちゃダメでしょ普通……」
星司「でも変なんだよな。宇宙人のくせに、プリント提出とか妙に地味なとこは厳しいし。」
陽菜「宇宙人なのに、給食のおかわりはジャンケンだし。」
星司「逆に親しみ湧くな……」
陽菜「でも、やっぱり私たち以外にも宇宙人がいるってことよね。」
星司「しかも教師枠で紛れ込んでるの、だいぶ高度な潜入任務だぞこれ。」
陽菜「星司、気をつけて。敵か味方か、まだわからない。」
星司「だな。宇宙的に見て、あの担任……いちばんヤバいやつかもしれない。」