『お前、知ってるだろ? いやそっちこそだろ!?』
~朝、登校中~
(星司・心の声)
田所星司、見た目はただの高校生──中身は30,000年転生しまくった元・銀河超越存在。
最近、ちょっとした問題が起きている。
陽菜が、こちらの正体に勘づいてきている。
いや、バレてる。
あの目だ。完全に「宇宙案件」見つけた目をしている。
だが──こっちも簡単には折れない。俺も銀河スパイ歴、軽く4万年だ。
(星司・ニヤリ)
「──このゲーム、受けて立とう」
(陽菜・心の声)
あたし、朝霧陽菜。ごく普通の女子高生!
※ただし正体は機密。
……なのに、田所くんが最近ずっと妙な視線を投げてくる。
いや、ガチでバレてる気がする。
こっちも、うっかり地球人の限界を超えた体育をしてしまったし……
でも!
そう簡単には自白しない!
(陽菜・キリッ)
「“しらばっくれ戦争”、開幕だわ」
~1時間目:英語の授業~
先生「次、田所。‘Where do you come from?’ の答えを言ってみて」
星司「Yes. I come from……」
(しまった、“惑星ウル=ヴァナ第六衛星”って言いそうになった)
星司「こ、こまむら村です(※架空の過疎地名)」
陽菜「……へえ〜、それって“大気が薄い”場所?」
星司「うん、夜光性の虫が……え? なんで知ってるの?」
陽菜「いやー、“そっち系の環境”に詳しいだけ♪」
(陽菜・心の声)
(引っかかったな……“そっち系”ってなんだよってなれ)
~昼休み:食堂~
星司「(陽菜の弁当を見て)それ、スピル=モク星の保存食だろ」
陽菜「えっ!?……いやいや、ただのちくわサラダですけど!?」
星司「なるほど……“地球アレンジ”か。やるな……」
陽菜(やっぱり食文化までバレてる!?)
~放課後:図書室にて/互いに張り合いモード~
星司「最近、転校生が増えたな。人相がどうも“アントレ銀河”っぽい」
陽菜「へえ〜。でもこの星で“偽装登録”したら顔は改造できるんじゃない?」
星司「そうかもな……」
陽菜「そういえば、田所くんって“前世の記憶”とかあったりする?」
星司「まぁ、うっすら……例えば“エン=カリオン”って名前にピンと来ることとか?」
陽菜「(ビクッ)い、いやー全然! どこの中二設定!?」
星司「だよな〜。あるわけないよな〜。地球人には」
陽菜「そうそう〜。地球人だもんね〜。“絶対に”」
(※ふたりとも互いにニヤニヤしながら目線だけギラついてる)
~その日の帰り道~
星司「じゃあ、また明日、“地球の高校”で」
陽菜「うん。“地球の空気”をいっぱい吸って、がんばろ〜ね♡」
(星司・心の声)
(こいつ、絶対“演技してる”──だが俺も負けん)
(陽菜・心の声)
(田所くん、明らかに“あえてバレないように宇宙ネタ言ってる”──バレてるわ!)