初めての爆発と、小さな成功
今朝、また基礎魔法の訓練を始めた。
以前は簡単に感じていたのに、今ではとても難しく感じる。
体には少ししか魔力が流れず、呪文を唱えるたびに魔力が暴走して爆発してしまう。
昔、レイ・アーンだった頃は、魔法はとても自然なものだった。
まるでインスタントラーメンの袋を開けるように簡単で、魔法の方から体に馴染んできた。
自分が魔法を理解する必要さえなかった。
訓練を何度も繰り返して魔力を使い果たした頃、突然父さんが来て、朝ごはんができたと教えてくれた。
「そういえば、レイ。お前、独学で魔法の練習してるのか?」
「うん。だけど、どうしても魔法がうまくいかない。よく爆発しちゃうんだ。」
「なるほど。じゃあ、飯を食ったら訓練場へ行こう。手伝ってやる。」
朝食を終えたあと、父さんと一緒に訓練場へ向かった。
「やり方を見せてみろ」と父さんが言う。
僕はまた呪文を唱えた。そして……また爆発した。
「ふむ、そういうことか。お前の問題は魔力の出し方にあるな。俺のアドバイスは──」
父さんはすごく優秀だけど、魔法の話になると説明が長くてちょっとうんざりする。
要するにこういうことだ:
魔力の制御に似てるけど、もっと複雑で、自分を台風だと想像して、それをそよ風に変えるイメージで落ち着かせろってこと。
パニックになったり、雑にやったら魔力が暴走するから要注意ってわけだ。
何度か試して、ついに僕は成功した。
ようやく、基本的な属性魔法を使えるようになった。まだ弱いけど、
少なくとも、すごい力に1%は近づけた気がする。
その後、魔力を集めるために瞑想していたら、母さんに呼ばれた。
「ヴェルザードの森(通称:魔の森)」に薬草を採りに行ってほしいとのことだった。
うちの両親は村長をしているけど、家は村からずいぶん離れている。
村に行くには30分もかかるくらいだ。
無駄口を叩かずに、すぐヴェルザードの森へ向かった。
体はまだ完全じゃないけど、どれが薬草かはちゃんと分かるから、心配はしていなかった。
でも、森の奥で薬草を集めていたら、突然「ハスキーウルフ」の群れに襲われた。
本当に怖かった。
必死に逃げ回ったけど、ついには崖に追い詰められた。
その時、ふと「魔法が使えるようになった」ことを思い出した。
僕は呪文を唱え、彼らの足元の地面を開いた。
ハスキーウルフが近づいてきた瞬間、地面を閉じた。
すごく疲れたけど──死ぬよりはマシだ。生き残れて、本当によかった。
日が暮れる頃、僕は薬草などの素材をたくさん持って帰宅した。
だが──
家に着いた瞬間、目にしたものは、あまりにも悲惨な光景だった。
父の村が……跡形もなく、焼き尽くされていたのだ。