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新しい世界への生まれ変わり(3)

今のところ、ロスト学園での生活は順調だ。クレジットスコアもついに9,999,999ポイントに到達。あと1ポイントで卒業できる。……けど、それが意外と遠い。


卒業前には「職業実習」が必須だ。要するにインターンシップみたいなもんだが、この世界ではちょっと違う。生徒は自分で職を選べる。たとえ違法な仕事であっても、だ。


暗殺者、殺し屋、薬物の密売人……何でもアリ。リスクは高いが、自分で選ぶならそれも自由ってわけだ。


俺が選んだのは、ちょっと合法寄りの「帝国公認の情報屋」という仕事。まぁ、給料も悪くないし、使えるコネもできる。


最初の仕事は、いろんな場所を回って情報を集めること。もちろん、表立って動くわけじゃない。むしろ、できるだけ透明に動く。つまり、誰にも気づかれないように。


活動時間は夜中の1時から。なぜかって?その時間が一番理想的なんだよ。みんな寝てるか、あるいは……まぁ、察してくれ。まだ研修中だから、本格的な任務は数日後から。


最初のターゲットは、帝国周辺の機密情報。それなりに難しいけど、やれるだけのことはやる。


研修が終わった頃、俺は国外――ベルトルド王国に潜入していた。


この国は今、荒れている。内乱、王位争い、王族の醜聞……まぁ、とにかくドロドロだ。俺?興味ない。ただ情報を集めるだけ。感情なんて不要だ。


たまに、個人から「この人の情報が欲しい」って依頼が来る。そういう時は、「ブローカー」としても動く。


帝国公認の情報屋とブローカーの違い?単純だ。


情報屋は帝国の命令で動く。任務は敵国の動向を探ることや、スパイ活動など。正式な立場だから、勝手な行動はできないし、情報も部分的には隠すことがある。


一方、ブローカーは完全に非合法。誰にでも情報を売るし、完全な透明性が求められる。敵でも味方でも、金さえ払えばOK。


俺の一日はというと――朝7時から夕方4時まで授業、少し休んで夜中に出動。地味だし、正直しんどい。でもまぁ、働くってそういうもんだろ?


「え?レイ、まだ卒業してなかったの?1ポイント足りないだけなのに?」


……いや、俺は一度も「卒業した」なんて言ってないからな?


たとえクレジットが満額でも、卒業には最低2年間の実務経験が必要。今の俺は、まだ5ヶ月目。道のりは長い。


国外に出られたのも、学園長の特別許可があったからだ。ただし、一週間だけ。それ以上は無理。だからこそ、この期間でできるだけ多くの情報を集めなければならない。


これが今の俺の現実。情報を集め、報告書を作り、また動く。命を懸けて、淡々と。


……うまくいけば、卒業は近いはず。


たぶん、だけどな。


Gimana?



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